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メディアグランプリ

祖父と勉強


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:成田貴子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
子供のころは、勉強なんて大嫌いだった。
物書きだった祖父は、「人生は一生、勉強だよ。勉強することは、楽しいことだ。勉強できることは幸せなんだよ」と常々私に言っていたが、「一生勉強なんてありえない!」と勉強嫌いな私には全く意味が分からなかった。
 
祖父は 戦後、満州から引き揚げてきた日本人である。
のち、日本に帰ってきて彼は新聞記者として仕事を始める。
新聞社を定年で退社しても 新聞のコラムや連載小説を90で体を壊し寝込むまで、執筆し続けていた。
祖父はとても勤勉な人間で執筆の際には、その現場までいって足で取材を続けていたし、取材をするための足を作るために毎朝のウォーキングは欠かさなかった。
 
私は子供のころ、祖父が万年筆を走らせ、執筆するそのそばで本を読んだり、絵を描いたりすることが大好きだった。
実際は、何の意味のない落書きだったが、万年筆を買ってもらい、執筆のまねごともした。
宿題で分からないことがあれば、すぐに祖父に電話し質問したし、自分で調べる方法もレクチャーしてくれた。
特に歴史は、祖父の得意分野だ。歴史の宿題の時には、すぐに祖父に聞いた。
そうすると、祖父が喜んでくれるので、とても嬉しかったし、どの先生が教えてくれるより分かりやすく教えてくれたので頭に入った。
祖父と一緒に散歩をすると、道路のわきに咲いた花や木の種類を教えてくれて、その場が即席の学校となった。
また、私は 祖父の影響で本をかなり読んだ。
祖父の部屋には、資料のための本がたくさん並んでいたので、本は身近なアイテムだった。
だが、読むことは 好きだが書くことは少々苦手であった。
宿題で読書感想文や日記が宿題として出ると書くことがとても苦痛だった為、早く宿題をしなくてもいい大人になりたかった。
そして、「勉強したくなーい」とこぼす私に 祖父は「人生は一生、勉強だよ。勉強することは、楽しいことだ。勉強できることは幸せなんだよ」というのである。
 
ある日、祖父が新聞社で書き続けたコラムを伯父が自費出版したからと母が本を送ってくれた。
彼の人生がそこに書き綴られていた。
満州から戻ってくる話はとても心に刺さり、戻ってきて始めた仕事が炭鉱だったこともこのコラムで初めて知った。
ああ、この時にここへ引っ越したんだな。
ああ、この時期から新聞社へ入ったのだな。
ああ、これは私が生まれた頃だな。
そう思いながらコラムを読んだ。
文章を書くことは、相変わらず苦手だったが、本を読んだ感想文を祖父に送った。
渾身の便箋5枚。私にしてはかなり頑張った。
そうすると、便箋5枚の返事が返ってきた。
「読んでくれてありがとう。感想を聞かせてくれてありがとう。中々、みんな感想を聞かせてくれないからとてもうれしかったよ」と。
心から喜んでくれている姿が その手紙にあふれていた。
大好きな祖父が喜んでくれたことで 私も嬉しかった。
 
大人になっても やはり勉強は苦手だったが、子供の手が離れて いろいろ気になることが増え、セミナーに出かけることが多くなった。
大体、今の仕事に関係することが多いが、関連した資格も取ることがあった。
子供のころ苦手だった勉強を大人になって、こんなに勉強することになるなんて考えもしなかった。
それなのに、今は気になることを学ぶことが楽しくてしょうがないのだ。
タレントの萩本欽一さんは73歳で社会人入試を受け大学生になった。
「子供の頃の勉強は強制。大人になって自分の働いたお金で学びたいことを勉強するのは身につくし楽しい。卒業せずにもっと、勉強していたい」と言って、成績はSなのに単位を取らない生徒らしい。
今の私は、萩本欽一さんと一緒だなと思った。もっと、勉強したい。
祖父が「人生は一生、勉強だよ。勉強することは、楽しいことだ。勉強できることは幸せなんだよ」と言っていた意味もだんだん分かるようになってきた。
まだまだ、祖父の域には達してないが それでもいろいろ学ぶ私の姿を見て息子が「大人になっても勉強を続ける母さんはすごい」と言ってくれた。
母さん、これはどうすればいいの? この本のこれはどう思う?
母さんが頑張ってるから、俺もやらなきゃと思うよ。と息子が言う。
勉強する私の姿をみて、自分から学ぼうとしてくれる。
そうすると、なんだか祖父が喜んでいた気持ちも少しわかったような気がした。
 
そして私は今、苦手な文書を書こうとライティングゼミを受けている。
勉強は楽しいと思うようになった。もっと勉強したいと思うようになった。
学生時代には考えられない状況だ。
祖父の様に本を出すとは思わないが、孫の中で一人ぐらい祖父の跡を継ぐものがいてもいいかな? と思ってはいる。
その先に本が出せたらいいな? (と思っているそれは、もう野望になっているのかも……。少し笑える)
 
長い人生、次々と新しいものが生まれてくる。そうすると使い方を学ばなければならない。
子供が出来れば、子供の育て方を。仕事を始めれば仕事の仕方を。
勉強することはいっぱいある。苦手なことは、やり方を学べばいい。
これは、何かな? と思うと調べる。好奇心は学びたいという意欲になる。
勉強するという姿勢は、必要ない。学校の科目だけが勉強じゃない。
常に何かを覚えることが勉強なのだ。その勉強は、生活の一部だ。
 
亡き祖父の声が聞こえてくる。
「人生は一生、勉強だよ。勉強することは、楽しいことだよ。勉強できることは幸せなんだよ」と。
 
 
 
 
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2019-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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