メディアグランプリ

結局みんな数字大好きじゃないのかという話


 
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:西岡由季菜ライティング・ゼミGW特講コース)
 
 
突然だが、私は数字が苦手だ。数字のデータから何か汲み取ることも、そこから何か論じることもすごく苦手だ。何の根拠もないが、私のように「数字が嫌い! 難しい!」と頭がシャットアウトしてしまうような人、多いのではないかと思っている。
 
しかし先日、「私、得意じゃないだけで、実は数字のこと好きではあるのか?」 と感じる出来事があった。あくまで個人的な出来事なので何も大したことは無いが、その日は自分の人生でかなり歴史的な日になった。
 
オギャアとこの世に生を受けて初めて、標準体重というものを下回ったのだ。
 
男女別で身長との計算式で決まっている、あれだ。別にここを特段以前から意識していたわけではなかった。会社で受けた健康診断の結果がきて、身長毎の標準体重が書いてあって、初めて発覚した。
 
産まれたときからまあまあのビッグベイビーで、あとお米1合分ぐらいで4000gの大台に乗るレベルだった。それからもずっと他の子より体が大きくて、自分基準のカテゴライズとして自分はずっと”デブ”だった。
 
というわけで、この結果は私に「もしかしたらここへきてついに私、”標準”に属されはじめるのか…!」というわずかばかりの自己肯定をもたらしてくれた。
 
実を言うと、見た目は全然変わっていない。ここは大きく価値観が分かれるところかもしれないが、私はそれでも全然よかった。私にとっての大事な事実は、全然変わらない見た目よりも、人から痩せたと言われることよりも、これまでのダイエットの散々なトライ&エラーの結果、自分の体重が減ったということ。そしてそれは同じ背丈ぐらいの、抜群のスタイルじゃないけどかわいらしく生きている、一般的な女の子の体重に近いということ…!
 

このとき、ふと気付いた。
私の自己評価はいつも、泣くも笑うも数字の結果からばっかりだった。
 
数字を元に主張したり、数字のデータから何が言えるか考えるのはすごく苦手だ。しかし、普段から数字自体はかなり頼りにしていないか? と気付いたんです。
 
例えば、私はセールスしかやったことがないのでどうしても仕事で扱う数字というと、
 
・目標数字達成したの、してないの?
・その代行作業はいくらになるの?
・今日何人としゃべったの?その行動量は足りてるの?
 
といった、思い出すだけで頭が痛い話になるのだが、
プライベートで出てくる数字であれば実はみんなが大好きなものが多い気がしている。
 
・あなたいくつなの?
・体重何キロなの?
・付き合って何年何ヶ月何日なの?
 
といった具合に。
 
もちろん、好きで気にしている数字ばかりではない。しかし、誰しも一喜一憂してしまう数字が何かあるのなら、それはどこか拠り所にしているのではないかと思う。
 
私の場合、体重だけでなく仕事に関しても一番自分が許された思いがするのは、課されている数字がクリア出来た時だ。直視出来ないぐらいに大嫌いな数字だけど、その意味では結局大好きなんじゃないのかと思ったのだ。
 

ただ、間違ってはいけないのが、数字自体には本当は意味がないということだ。
 
私は、自分を”デブ”だと思っていた。だから、ダイエットに成功したから、体重が減ったから自己肯定に繋がったわけではなかった。
自分が”標準値”だということがわかったから嬉しかったのだ。
 
極端な話、100万の結果で目標が80万なら喜べるけれど、150万の結果でも目標が200万だったら喜べない。基準がどこにあるかで意味(=で、それはどうなの? いいの悪いの?)が全然違ってくる。
 
「数字が嫌い! 難しい!」の正体はおそらく、「これってどうなんだっけ? いいんだっけ悪いんだっけ?」の基準を考えたり決めたりするのが、「嫌い! 難しい!」ということなのではないか。基準がなかったら、ただの羅列だ。
 
一度、新入社員の目標を考えるのを任されたことがあったが、その時は何のデータがあれば立てられるのかわからず迷宮入りした。いくつだったら良いのか悪いのかの基準をまず把握する。もしその基準が決まっていなかったら他のデータを使ってロジックを立て、基準を根拠づける、ここが本当に難しいところなのだ。ここは確かに難しい。しかし何も、取っつきからシャットダウンするような所以はないのだ。
 
普段からみんななんとなく、「19でしょ? まだ若いじゃない」とか「1年付き合ってたらもう安定だね!」といった、何気ない基準を数字に持っている。もちろん、各々の基準は異なる。しかし仕事ではなんとなくでは済まされず、他のデータを使ってロジックをたて、基準を根拠づけないといけない場面が往々にして出てくる。だから、「数字が嫌い! 難しい!」と感じる人が多くなる。しかし実際には、数字そのものには普段から拠り所にしているところは多いはずだ。
 
というわけで、数字と対峙する時は毛嫌いしないで、
・普段から拠り所にしている部分はあるはずなので、数字自体には心を閉ざさない
・いくつだったら良いのか悪いのかの基準をまず把握する
 
これが数字とお近づきになる第一歩なんじゃないかと思う。

 
 
 
 
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2019-05-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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