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僕はまだ若いんだから


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:安居潤(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
 
「水泳でオリンピックに出たい」
「芸能人になってレギュラー番組を持ちたい」
「自分のお店を持ちたい」
 
小学校の「将来の夢」の作文には、世の中について何も知らないがゆえの、眩しすぎる僕の夢が並ぶ。書いた時にどれだけ熱量があったかは覚えていない。ただし、作文で決められた枠からはみ出すほど、やりたいこと・なりたいものが溢れていたようだ。夢を言葉にして公開することに抵抗がなかった僕の文章は、今見返したら青すぎる。
 
小さい時は、努力をすれば何にでもなれるような気がしていた。それは誰かと比べて圧倒的に自分が優れていた、という自信からくるものではなかった。努力をしていけば大抵の夢は叶うものだ、というあまりにも楽観的な自信からくるものだった。
 
「そんなことできるわけないじゃん」
と僕の夢に水を差すような大人も周りにいなかった。
「いいね~、夢がたくさんあって。頑張って!」
と大人たちがむしろ背中を押してくれたような印象すらある。
 
年を重ねるにつれて、世の中を知ったような気になっていく。そして、思春期を通して、人と比較をすることを学んだ。同じ環境で育ってきたはずなのに、「こいつには勝てない」と思わせる人達と出会うようにもなる。
「この分野で僕はすごくないかも」と現実の厳しさを思い知る。誰かと比べた結果で、自分の夢を決めていくようになったのもこの時期からだった。
 
「もう高校生なんだからちゃんと現実を見なさい」
周りからそう言われることはなかった。中学生の時には、小学生の青さは抜け、自分のできることとできないことの線引きができていた。だから、そんなことをわざわざ言われなくても、線で引かれた自分の枠の中にあるやりたいことを探していた。
 
そして、どんな夢を持っていれば、周りの人を安心させることができるか、わかるようになってきた。たとえその時に青い夢を持っていたとしても、僕は恥ずかしくてそれを周りには伝えられなかったと思う。それくらい、思春期は人を変える。
 
きっと、ポテンシャルのある人なら、「まだ高校生なんだから」と言われるのかもしれない。でも、僕はどちらかというと「もう高校生なんだから」と言われるタイプだった。
 
だからこそ、取り柄のない僕は、学校において唯一横並びで評価される勉強を頑張った。学校では、飛び抜けた能力がない限り、学業のみが数値として評価される。高校生の僕は、その画一的な評価を得ることで、自分のアイデンティティを保とうとしていた。
 
大学に入り、就活生にもなると、小学生の時に見えていた世界とはまるで違う世界を知る。就活で面接を受ける企業は、小学生の僕には想像すらしえないような企業だ。見える世界が広がったから、やりたいことが広がったとも当然言える。でも、就活で語る夢に青さはない。自分の心に引かれた線の中に収まっていた夢だ。
 
レールに敷かれた人生を全力で走ってきた僕が持つ夢は、現実的なものだった。人に言っても、恥ずかしくないような夢だった。それについて言われる「いいね」は、小学生の時に言われたそれとは違う。現実的で地に足がついていて安心感を与えるがゆえの「いいね」だったようにも感じた。
 
僕はまだ小学生の時のように、現実を知らないまま青い夢を追いかけたいのだろうか。それは違う。大人になって知った世界はもちろん面白い。昔見えていた景色よりも今の景色の方が好きだ。
 
それなのになぜ、それなのになぜ、あの時は良かったと言ってしまいそうになるのだろうか。
 
あの時は枠を知らなかった。自分はここまでができて、ここからはできないという枠を持ち合わせていなかった。あの時は作文の枠をはみ出してしまうくらいの、やりたいことを抱えていた。世間知らずだった。
 
自分の中に枠を持つことは、成熟して大人になったとも言えるのかもしれない。健全な成長をしてきたのかもしれない。それでも僕は、自分自身に枠を持ち合わせていない大人になっていきたいのだと思う。
 
大人になるにつれて、人に話して恥ずかしいと感じる夢は、自分の中にある枠を超えた夢だった。「僕にこれはできない」と思いながら、夢を語ることはできない。いつしか僕はそういった夢を見なくなっていた。やる前からできないと決めつけていた。自分にとって、手を伸ばせばいつかは届くような目標が、いつしか僕の夢にすり替わっていた。
 
努力をすればどんな夢でも叶う。なんてことは思わない。できないことの方が多いとも思う。だけど、僕は自分の人生で、夢を見る可能性を潰したくないのだと思う。自分の枠の外にあることにもチャレンジしたい。人に話して恥ずかしいという感情になる夢は、僕にとって枠の外をチャレンジしているサインだ。
 
「僕はまだ若いんだから」
 
とずっと自分に向けて言いながら、自分自身の枠を超えていける大人になっていきたい。そして、そもそも枠なんて存在してなかったと、大人になって笑いたい。
 
 
 
 
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2019-06-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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