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プロレスがタピオカだとどうして断言できるのか?


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記事:篁五郎(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
世の中にはブームというのがある。今でいえばタピオカだ。タピオカ入りのドリンクがあちこちで売られている。私の地元でもタピオカドリンクを売っているお店があるが、どこも行列だらけ。完全なるブームといえる。
 
もう一つ、ブームが起きている。それはプロレスだ。試合のチケットは完売続き。来年の1月4日と5日二日連続東京ドームで興行を打つほどの人気だ。プロレスと聞くとアントニオ猪木やジャイアント馬場といった屈強な男が血みどろの戦いをしているというイメージが強いが、現在のブームは当時とは色合いが違う。
 
今の人気レスラーは見た目は爽やかなイケメンだらけ。鍛え上げた肉体はいわゆるアンコ型と呼ばれる体系ではない。腹筋はシックスパックに割れて胸筋は大きく膨らんでいるアスリート体型。肉体でも魅せてくれている。そのおかげが現在会場に詰め掛けているファンの4割は女子だという。
 
そういえばタピオカもブームを引っ張っているのは女性だ。女子高生からOLまで幅広い年代の女子がたくさんのお店に並んでタピオカ入りのドリンクを楽しんでいる。現在、原宿には20軒以上のタピオカドリンクのお店があるという。
 
タピオカブームのきっかけは若者のフラペチーノ離れらしい。フラペチーノといえばスタバが思い出されるが、長年若者のドリンクといえばスタバのフラペチーノだった。スタバも季節の限定フラペチーノを販売するなどをしていたが、飽きがきたという。そこにぽっかりとタピオカドリンクが入り込んでブームが起きたそうだ。
 
タピオカドリンクがブームになったのには他にも理由がある。発祥の地は台湾だが、LCCの就航がきっかけで近年多くの高校が修学旅行に行っている。そこでタピオカドリンクを味わった女子高生が飛びついたらしい。2013年にタピオカミルクティー発祥の店である春水堂が日本に進出したことも大きいといえる。
 
そんなタピオカドリンクとプロレスには大きな共通点がある。それは先ほど述べた現在ブームになっている点だけではない。それをこれから説明しよう。
 
プロレスは力道山がアメリカから日本に持ち込んで始まったことがきっかけ。日本流にアレンジして大人気となった。タピオカドリンクも台湾から日本に持ち込まれた点が同じである。
 
それだけでなく、かつてブームになったという点も共通している。プロレスは国民的スポーツから何度かブームを繰り返していたが、平成の最初の頃もブームが起きた。当時は新日本プロレスと全日本プロレスの二つの団体が人気で東京ドーム以外に大阪の京セラドームや福岡のヤフオクドームで試合をして一回で5万人を集めるほど大人気。アメリカで人気だったNWOも輸入してこちらも人気を呼び、Tシャツが1億枚も売れたという。当時の人気プロレスラー蝶野正洋、武藤敬司、橋本真也の闘魂三銃士に三沢光晴、小橋建太、川田利明、田上明の四天王の名前は一度は聞いたことある人が多いだろう。
 
しかしプロレスは総合格闘技ブームによって低迷期を迎える。総合格闘技に参戦したプロレスラーが結果を残せずプロレスラーは強いという幻想が消えたことが大きな理由だ。新日本プロレスはドーム大会を開いても大赤字で倒産の危機にまで追い込まれる。そこであきらめることなく頑張ってきたのが棚橋弘至やスイーツ真壁こと真壁刀義だ。彼らは徹底したファンサービスと地道な営業を続けてきてブームを下地を作り、2012年にブシロードが親会社となってから広報の仕掛けを変えたことがきっかけに平成の終わりに再び蘇ったのだ。
 
実はタピオカも平成の最初のころにタピオカにココナッツミルクを入れて食べるスイーツが流行。当時はタイ料理がブームでエスニック料理店でデザートとして振る舞われた。また、台湾の点心も女性に人気でごま団子とともにココナッツミルクのタピオカがデザートの定番だった。
 
そしてタピオカもプロレス同様別のスイーツの流行によって一度は日本から姿を消した。ティラミスやナタデココ、パンナコッタが流行。すっかり忘れ去られた存在となった。
 
だが、先述したようにLCCの就航で台湾の定番であったタピオカドリンクを味わった女性が飛びつきブームが再燃した。現在のブームを引っ張っているのは平成の初期の人気を知らない若い世代。当時の先入観を持たずに楽しんでいる。
 
プロレスも現在の人気は女性が会場に来たおかげなのは記した通り。プロレス女子なる言葉が生まれている。こちらも平成初期のブームを知らない世代が中心で今活躍しているイケメンレスラーを応援しに来ているのだ。
 
ここまでいえばプロレスとタピオカは同じだとわかるだろう。平成の初期にブームが起きて、終わりに人気が再燃して令和まで続いている点。最初に起きたブームを知らない女性が人気をけん引していること。これが共通点である。ここまで同じならばプロレスはタピオカと言ってもいいかもしれない。
 
さあ、平成の最後から令和に乗り遅れないようタピオカを飲みながらプロレス会場に足を運んでみよう。
 
 
 
 
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2019-06-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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