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ヒール靴問題は、アルコールに似ている


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ふくろう(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
会社からの帰り道、小指に激痛が走った。どうやら久しぶりに履いたパンプスが原因のようだった。初めは靴擦れしただけかと思ったが、次の日も靴を履こうとしただけで小指が痛む。その日はスニーカーで出勤することにした。
 
私の勤めている会社は、基本的に勤務時間も自由のフルフレックス、そして服装に関しても規制は全くない。スーツでびしっと決めている人もいれば、キャラクターTシャツを着ている人……と様々だ。
なので、今話題になっている「職場におけるヒール靴の強要」という#KuToo問題ももちろんない。ただ単純に私が個人的にヒール靴が好きだから履いていたら、足を痛めてしまったという情けない話だった。おそらくその靴が足に合っていなかったのだろう。完全なる自己責任だ。
 
さらに次の日からも、スニーカーを履いて出勤することにした。ヒール靴を履いて少し身長が高くなった自分で仕事場に向かうのは、仕事モードに切り替わるような気がして嫌いじゃなかった。ヒールがないペタンコ靴だと、何となく弱気になってしまうような変な気持ちにもなった。
スニーカー生活に慣れ始めた2週間ほどの現在。その快適さになれてしまった。電車が揺れたときにぐらつくことも減った気がするし、帰り道すこし遠回りして帰ってみようかな……と歩く距離が増えることも負担に思わなくなった。スニーカー生活万歳である。
 
最初は「今日は何となくラフな格好だね」とか、「雰囲気変わったね」といわれたが、すぐに何も言われなくなった。ただ単に変化を言葉にしただけで、そこにマイナスの意味もプラスの意味もなかったのだろう。
周りはほとんど気にしていないんだな、と実感した。
 
だが、たまにはヒールを履きたい日も出てくる。ヒールの方が似合うようなワンピースもあるし、少し背が高くなった自分で望みたい勝負の日もある。それは、決して外的なルールによって締め付けられた結果ではなく、自発的なもの。ある種、個人的なジンクスのような感じだ。
なので、完全にスニーカー生活に移行したわけではなく、パンプスを履くときもある。
 
最近似たようなことがほかでもあったな、と何となく思い返した。そうだ、お酒だ。
 
私はもともとお酒が強くない。カクテルやサワーなどそんなに強くないお酒でも、1缶飲めば顔がかなり赤くなる。意識はしっかりしているので、全く飲めないというほどではないが、周りには心配されるくらいには赤くなってしまう。
それでも、普段は話せないような話もポロッと本音が出てくるような飲み会が好きだったし、お酒の味も好きだったので社会人になってからは基本的に飲むようにしていた。もちろんこれも「アルハラ」を受けたわけではなく、自発的に。
 
しかし、最近お酒を全く飲まずに参加する飲み会も増えてきた。特に何か大きな事件があったわけではないが、「とりあえずビールで」と周りにあわせてビールを頼み、ちょびちょびごまかしながら飲むのをやめてみた。「私はウーロン茶で」と普通に注文するのだ。
最初は「今日このあと仕事あるの? 」とか「あれ、お酒飲めないんだっけ? 」とか、なんらかの突っ込みを受けるようなことはあったが、それは決して非難の意味ではなくて単純に会話のつなぎとして発せられた言葉だろうと受け止めるようになった。
 
もともと強かったわけではないので、お酒を飲むのをやめたら、みんなの話を以前よりもきちんと聞けるようになった気がするし帰り道の足取りも軽くなった。
だが、お酒を飲みたい気分の時もあるので、そんな時は変わらず飲むし、今ではその日の状況で決めている。
 
この状況。なんとなく、パンプスもお酒も似ているな、と思う。パンプスを履くのか、お酒を飲むのか。パンプスのヒールは何cmのものにするのか、お酒のアルコールは何%のものを飲むのか。
0か1かではなく、その日その日の気分で決めればいいし、選んだ先の選択もグラデーションだ。
 
本来、どれか一つが正解というわけではなく、どれもが自分が選びたいものを選べれば正解であるはずである。
 
最近は、“女性の生きづらさ“に注目が集まりやすい。それはこれまでの男性社会だったところから、女性の社会進出が本格的になってきて、まさに今移り変わりの過程であることを意味すると思う。しかし、”女性の生きづらさ“は決して、”女性だけの生きづらさ“ではないよなとも思う。
 
“性別らしさ”を求められるのは、女性だけではなく男性も同じだ。男性は、お酒が飲めたほうがいいとされるのは今も根強く残っている。
 
私には弟がいる。弟も私と同じようにお酒が弱い。私は、「飲みたいときには飲むし、飲みたくないときは飲まない」という選択ができるようになった、ということを書いたが、弟はいまだに「顔を赤くしながら基本的には飲む」生活を送っている。
「一杯目はビールで」以外はやはり言いづらいらしい。
 
女性の生きづらさは、今深刻な問題として大きく注目されている。発信力のある人も多く、問題がSNSなどでも広がりやすいように感じる。
一方で、男性の生きづらさもまだまだ存在しているはずだ。
 
男性、女性、ヒールありなし、アルコールありなし、どれも極論で決め込むのではなく、「どの選択をとっても、それは個人の自由じゃない? 」という平和な時代が来ることを願う。
「反ヒール」でも「反アルコール」でもなく、「気分で選んでいいよ」という考えが広がればいい。
 
正解が決められる世の中ではなく、自分の快適を選べる世の中になることを願い、私は今日もなんとなくの気分で、履く靴を選ぶ。
 
 
 
 
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2019-06-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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