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メディアグランプリ

自信は指先のキラキラから


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:加藤万季(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
生まれて初めて、ネイルサロンでジェルネイルをしてきた。
ことの始まりは、大手IT企業が主催のカンファレンスに招待されたこと。
 
招待客は、名の通った企業の社長さんや、第一線で活躍されている社会活動家、アナウンサー、教育家、そして一流企業でバリバリ活躍されている方たち。
テーマは「未来を、共に創ろう」。これからの日本をどうしたらより良くしていけるのか?
第一線で活躍する人たち130名で集まり、半日議論するというもの。
正直、少し気後れしていた。場違いだったらどうしよう?
 
ふと自分の手元を見ると、割れて不恰好なくすんだ爪に、生え際がササクレだった指先。
人前に出すのが恥ずかしい。
 
「指先がキレイだったら名刺交換するときに、少しは自信を持ってご挨拶できるかしら?」
ふと思いつきジェルネイルをサロンでやってもらうことにした。
初めての体験、サロンはネットで検索し、こじんまりしたお店に決めた。
大手チェーンじゃない方が、親身になって相談にのってくれると考えたからだ。
 
去年、子どもの参観日にキレイにジェルネイルしている人を見かけて、いいなと思い紹介してもらったのに、結局尻込みして行かなかった。
なんか、柄ではないのである。化粧でさえ毎朝5分程度なのに、マニキュアだなんてこそばゆい。自分で塗ってみたこともあるのだけど、家事をしていると1日もたずにすぐ剥がれている。最近は忙しくて、家でのんびり塗る時間もないし、すぐ剥がれるものに時間をかけるのも莫迦らしい。
そう告げた私に
「でもジェルネイルは全然剥がれないのよ」そう言って、彼女は誇らしげに華やかな爪を見せてくれた。
 
「初めてジェルネイルをされるんですね、どういった感じがお好みですか?」
この道10年のベテランだという店長さんが、見本に塗ったたくさんのチップを見せてくれる。
「このブルーグレイがキレイだと思うんだけど」
「うーん、確かに色はいいんですが、ブルーとかの寒色よりも、ピンク系の方が明るく見えますよ。華やかな場所に行かれるなら、色は明るい方が絶対いいです。ジェルネイルが初めてなら、グラデーションにして先端を濃く、根元を透明にすると、爪が伸びて来た時に違和感を感じにくいからオススメです」
「へーそうなんだ」
爪が伸びるのは当たり前なのに、言われるまで考えていなかった。塗ったところとそうでないところ、色がハッキリ分かれてたら確かに格好悪いかも。
 
少し考えて、おススメされた綺麗なベージュピンクのグラデーションに、小さな金色の粒々をつけてもらうことになった。
 
消毒薬を染み込ませた脱脂綿で、指先を拭いていく。割れて欠けている爪をどうするか聞かれ、折れてしまっていた右手の中指と親指の爪を長くしてもらうことにした。
厚紙を指に合わせて切り少し丸め、折れた爪の下に差し込む、耳かきが平らになったような細い棒で、白い砂のようなものに液体を少しだけ混ぜ、爪の上から厚紙に載せていく。
 
そのままそっと、LEDライトが光る小さい箱に30秒ほど入れると、すぐに固まった。
ヤスリで丁寧に削り、爪を作っていく。
 
直径2ミリくらいの細長い、ゆっくり回転する電動ヤスリで、爪のまわりの固いところ、生え際の皮膚を削り取っていく。
自分の爪をこんなに丁寧に、時間をかけて手入れしたことはなかった。
 
形を整えてもらうだけで、なんだか嬉しい。
 
サラサラした透明な液を塗られたので何かと聞くと
「脱脂液です。油分を取ると爪とネイルの密着度が上がって、剥がれにくくなるんですよ」とのこと。
 
次に、土台になるベースコートを塗ってはライトに当てることを繰り返す。
自分でマニキュアを塗ったときは、乾くまで時間がかかってイライラしたが、ジェルネイルはライトに当てるとすぐに固まって、触っても全く問題ないのが嬉しい。
2回3回と塗り固める度に爪がしっかりしてきて、長さを出した爪も元から長い爪と見た目が同じになった。
 
土台が出来上がり、いよいよ色をつけ始める。幅が5ミリほどの平たい筆で、少量ずつ丁寧に爪にジェルを塗ってゆく、最初は先の方だけピンクベージュ、途中から透明を混ぜる。一筆塗ったら小さく切ったペーパータオルで筆を拭い、透明な液を増やしていく、5本塗れたところでまたライトに当てた。色がついただけでも、とっても可愛い。まるで自分の指ではないみたいだ。
 
さらに、根元に金色の小さい粒を大小一つずつ、縦に並べてつけてもらった。本当に小さな、1ミリにも満たない粒だけど、アクセントになってキリッとする。
「いかがですか?」
「うん、とても素敵!」
思わず顔がほころんで、力を込めてそう言うと、店員さんも笑顔になった。
 
これで終わりかと思いきや
「ではこれで仕上げを塗りますね」
透明なぽてっとした液体を、これでもかと筆に乗せて、ぷっくりとさせていく。
5本塗ったらまた固めて、根元に乗せた粒々が平らになるまで、何度も塗っては固める。
樹脂を固めているのだけど、ジェルみたいに艶々になる。
そうか、だからジェルネイルって言うのかな。
最終的に爪はぷっくり厚みが出て、透明の部分が光を反射してとても華やかになった。
 
光の当たり具合で指先がキラキラ光る。なんだか自慢して見せびらかしたい。
指先に自信がなくて、人前に出したくなかったのが嘘みたいだ。
 
カンファレンスでどうだったか?ジェルネイルが強い味方になって、堂々と名刺交換を行った。
それどころか、全員の前で積極的に発言し、著名な方にたくさん話しかけられた。
指先の、ほんの小さな面積のキラキラが、私の心にもキラキラした自信を与えてくれたようだ。
 
あれから4ヶ月、ジェルネイルの魅力に囚われた私は、今日もネイルサロンで丁寧にジェルを塗ってもらう。新しい色を一筆塗ってもらう度に、また自分に力がわいてくるのを感じるから。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-06-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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