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メディアグランプリ

スマートウォッチを買ったら人生が変わった話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:高橋敬大(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「このスマートウォッチのおかげで痩せたんですよね」
どこのインチキ通販の体験談だよ! と小馬鹿にしながら電車内の会話につい耳を澄ます。
「レコーディングダイエットって言うんでしたっけ? 記録していくと体重や健康に意識が向きやすくなって結果的に痩せるってやつ。最初は僕も嘘だと思ってたんですけどね」
そう話す彼につい視線が向く。同世代、30代前半だろうか。決してイケメンという訳ではない。ただ清潔な見た目と締まった体、そして爽やかで自信に満ちた顔が印象的だ。
それに対して眼の前の窓ガラスに映るのは手すりにすがりつくように立っている体型の崩れたくたびれた男。彼とは比較するまでもない。別の生き物と言われても納得してしまう。
「先輩も知ってると思いますけど僕、ちょっと前までひどかったじゃないですか?」
「たしかにな。見違えたよ!」
耳を疑った。どうせ元々太りにくい体質とか、今でもフットサルなんかをやっているのだと思っていた。
「ただレコーディングダイエットってのはわかるけどスマートウォッチのおかげっていうのはさすがに言い過ぎなんじゃないか?」
「いやいやそんなことはないですよ! だって…」
そこで二人は電車を降りてしまった。
 
言い訳するわけじゃないが、僕だって学生時代は恵まれていた。気のいい仲間達に頼りになる先輩、そして就職して数年経って僕の前から姿を消した彼女。そこそこの会社に就職して、そこそこの金も貰っている。その代わりなのか口を開けば愚痴しか出てこない同僚と感情論だけで判断する上司、当然あれからずっとおひとりさまだ。
口では立派なことを言っても行動は伴わない。忙しさも手伝ってか、そんな自分に昔からの仲間達も距離を置いていった。増えるのは愚痴と無駄な肉だけ。金はないわけじゃないが余裕がある訳でもない。
改めて自分の姿を見る。自信のない表情とたるんだ体。
見た目に気を遣わなくなったのはいつからだろう。
この歳になれば体重が増えるのは当たり前。
見た目を気にしたところで意味なんてない。
仕事なんて生きていくためにしょうがなくやるもの。
そうやって諦めて、頭でっかちになって自分で行動をしないのを正当化していた。
でもあの同世代の彼は自分が無くした自信と引き締まった体を持っていた。
彼と自分は何が違うんだ! 彼のように自信を持ちたい! 自分を変えたい!
だけど何をすればいい。
 
「スマートウォッチ」
「レコーディングダイエット」
2つのキーワードが頭に浮かぶ。すぐにスマホで検索する。
スマートウォッチとは、スマホと連携して各種の「通知」を腕元で受けることができること、「ライフログ」と言われる歩数などの健康モニタリングができるものらしい。
いくつものサイトと機種がヒットしてしまいどう決めたらいいのかもわからない。幸い、フローチャートで自分にあったスマートウォッチを診断できるサイトを見つけそこで決めることにする。
僕に合うスマートウォッチは…ガーミン。そんなメーカー聞いたことないな。そこそこ歴史のある計測機器メーカーっていうなら大丈夫だろう。
スマートウォッチなのに普通の腕時計みたいな見た目ってのは悪くない。ちょうど旧世代と新世代の境目の自分にはちょうどいいかもしれない。
 
新しいタブを開き、もう一つのキーワード、レコーディングダイエットも検索する。
レコーディングダイエットとは一言で言うと「記録することによって自分を把握し見つめ直すことによって痩せる」ダイエットだ。
この手軽さから始めることは簡単だが、記録することはなかなか面倒で成果が出る前に挫折する人が多いらしい。
そうか。だから着けているだけで「ライフログ」という記録を残してくれるスマートウォッチと結びつく訳だ。
 
思わぬ出費ではある。たった2つの言葉だけを頼りに彼のようになれるかはわからない。でもこれで少しでも自分を変えられるなら安いもんだ。と思い込む。
もうここまで来たら勢いだ! 購入ボタンを押す。
 
時代は進んだもので通販にもかかわらず翌日にはガーミンのスマートウォッチが左手に輝いていた。
腕時計としての出来も良く満足度は高い。期待値も上がる。
クイックスタートガイドを読みながらスマホにアプリをダウンロード、スマホとBluetoothでペアリング…と初期設定すら楽しくなってくる。
ペアリングしたスマホには自分の心拍数が表示される。このスマートウォッチには光学式心拍計というものを搭載している。これは着けるだけで心拍数がわかる優れものだ。
 
これで武器は手に入った。
 
あれから一ヶ月経った。
彼が言っていたことが少しづつわかってきた。
今日歩いた歩数を始めとして睡眠の量と質、心拍数からわかるカロリー消費数、そしてなんと自分がどれだけストレスを感じているか! など、数値やグラフとなってアプリに表示される。もちろん自分で入力する必要はない。自分の日々の記録を意識してしまうのは当然とも言える。朝の出勤中、電車で昨日のデータを確認するのが楽しみでしょうがない。
 
ただデータを確認できるだけじゃない。目標を達成したときにはしっかりと通知をくれて僕を喜ばせてくれるし、仕事で根を詰めすぎて視界が狭くなった時には「深呼吸をしましょう」とアドバイスをくれる。
日々の目標を達成するのが楽しくて、あえて階段を使ったり一駅分歩いて帰ることも増えた。
必要以上に歩くのがあれだけ嫌だったのに今は楽しくて仕方ない。ウォーキング中に色々なアイデアが浮かぶことも少なくない。
そして僅かではあるが、確実に体重は減ってきている。
 
前よりも運動をするようになったので機能的で動きやすいジャストサイズの服を選ぶようになった。汗をかいたまま人に会えないので、見た目にも服装にも気を遣うようになった。このスマートウォッチはいかにもというデザインではないのでどんな服装でもサマになることも気に入っている。
 
通知機能のおかげで大事な連絡も逃すことはなくなった。着信履歴を見てもあとでいいやと思ううちに忘れてしまい、それが原因でトラブルになったこともある僕のためにある機能と言っても過言ではない。
 
あれだけ嫌だった仕事がなぜか楽しくなってきた。
 
「なんかお前顔つきが変わったな」
上司にそう言われたのはガーミンのスマートウォッチがサマになってきたそんな時期だった。
 
 
 
 
***
 
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2019-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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