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リーマン・ショックを抜け出したのは


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記事:成田貴子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
平成18年5月に義父が亡くなって、2年経った平成20年9月、アメリカの投資銀行のリーマン・ブラザーズ・ホールディングが経営破たんし、世界規模の金融危機が発生した。
いわゆるリーマン・ショックだ。
アパート賃貸業を営む我が家でもリーマン・ショックの影響をうけ大打撃をこうむった。
 
世間に疎い私は、始め世間の言うサラリーマンの問題だと思っていた。
平成18年に義父が亡くなってからもずっと、満室で運営し9月の時点でアパート経営に問題がなかったからだ。
義父が生きていた時は、問題があればすぐに彼が指示し、私たちが実働隊となって解決する。経営のノウハウまでは分からなくても指示してさえいてくれたら、運営でできていた。
なので、司令官のいなくなってからも船は、その指示にしたがってゆらゆらと航行を続けうまく回っていた。
義父が亡くなってしばらくたってからなんとなく、「このままでは、いけない」と思い、ネットで検索して大家さんのサイトを見つけ勉強だけはしていたが、アンテナは、内ばかりに向いて外には向いてはいなかった。
 
そんな中、ネットで知り合ったサイト運営者が「名古屋の大家さんの会と懇親会があるのできませんか?」と誘ってくれた。
それが、名古屋大家塾との出会いだった。
何をしている会なのか?わからなかったが大家と名の付くからには勉強になるだろうと入会し、勉強会にも出席。
初めて、名刺交換したのもこの懇親会だった。
 
何度か、勉強会に出席していたある日。
なんだか、おかしいなと思い始めたのはいつ頃だったか。
徐々に退室が増えていき、徐々に空室が目立ち始め、退室はするのに入居照会が全くないまま、あっという間に48%もの部屋が空室になっていった。
さすがに「おかしい」じゃすまないと思いだしたが、どうすればよいのか途方に暮れ、勉強会で客付けをどうしたらよいかと聞きまわっていた。
物件の持ち主である旦那たちも運営自体私に任せきりで、勉強会も「行ってきたら?」と他人事だったが、さすがに「まずい」と家族会議を行った。
そこで、いくつか問題が持ち上がった。
それは、
1.家賃を下げるか?
2.リフォームをするか?
3.リノベーションをするか?
4.資金はどうするか?
5.募集をどのようにしていくか?
の5つ。
 
48%の空室。このまま家賃を下げたらさらに収入が激減する。
リフォームやリノベーションをする費用も貯金を切り崩し、ローン返済をしている今、そんな余裕は全くない。
では、資金をどう調達するか?
不動産仲介会社も1日に来客が全くない日が続いている中、入居付けはどうしたらできるか?
家族会議では、大家塾で勉強したノウハウを共有し熟考し最終的に出来ることをすべて実行しようと決定した。
 
まず、リフォーム、リノベーションをすることを決めた。
近隣の大家は、収入が激減していたので修繕を全くしないまま募集していた。
だが、きれいにしないと集客は見込めないと考えた。
また、その当時まで日本では、白い部屋が主流だった為、見に来る人にはどの部屋を見ても同じに見える。そこで、まだマイナーだったアクセントクロスを取り入れた。
見る人に印象に残すため、モデルルームを作ることも決めた。
空室になっている部屋の欠点を考え、改修。
1DK、2DKが多くある中、1LDK、2LDKにリノベーションすることも決めた。
期限は、転勤などで人の移動が決まる繁忙期(12月から3月)までに工事を終わらせる。
工務店には、無理を言って超特急で進めてもらった。
 
次に、資金をどうするか? だが、幸い日本政策金融公庫で、リーマン・ショックで打撃を受けている企業を救済するプランが出ていたので、返済は、まず利息だけ払い半年後、返済を開始することを約束し、すべての費用を借りることにした。
義父が日本政策金融公庫と取引をしたことがあったことも、借りる審査に役に立った。
 
そして、最大の課題、家賃の値下げ。
この決断は、かなり勇気がいった。
空室が多いので収入はかなり少ない。
また、ローンも残っているにさらに融資してもらっている。
だが、入居が決まらないと返済もできない。
ジレンマに陥りながら、苦渋の決断で家賃御値下げを決めた。
 
これらをすべて3か月で決断実行した結果。
なんと、繁忙期に空室が3%となったのだ。
リーマン・ショックを抜け出したのは、素早い決断と実行が決め手だった。
この決断が出来なかった近隣大家は、2年ほど空室に悩まされ続けた。
未だにまだ決断できない大家は残っている。
 
あれから、11年。
リーマン・ショックで得た教訓を生かし、努力を続けている。
新しい挑戦も忘れない。
 
だから、今も私たちは高い入居率を維持し続けているのだ。
 
 
 
 
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2019-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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