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メディアグランプリ

スカッと爽やかに


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ふやま のぶえ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
タン!ゴロゴロ、カーン!
 
18mあまり先にあった10本の白いピンが一度にはじけた。
 
「ボウリングが、好きなんです」最近、某有名歌手が歌でも告白した。
 
なにを隠そう、自分もボウリングが大好きだ。
かれこれ20年以上のキャリアだがヘタの横好きで一向にスコアは伸びていない。それでも時間があれば週一回、夫と一緒に早朝ボウリングに行っている。ストレスの発散にはもってこいだ。
 
ボウリングにハマったのはいつからだったろうか。
振り子の動作でボールを握った腕を後ろにひき、前へとボールを転がす。うまくボールをレーンにリリース出来れば、「タン!」と軽い音がしてボールがレーンに着地しゴロゴロと勢いよく転がり出して丁度良い場所に当たれば「カーン!」と10本のピンがはじけてきれいにレーンがカラになる。いいストライクは音も気持ちいい。
 
まだ結婚前だった。
 
今の夫と付き合っていた頃、二人ともお酒を飲むという時間の過ごし方が出来なかった。
 
休日のデートをするというと美術館めぐりや公園の散歩をして過ごすことが多かった。付き合い始めこそ、昼間だけで済んだが次第に夜まで一緒にいるようになり、出来るだけ長く一日を二人で過ごすようになってきた。
 
バーなどに立ち寄って呑み明かす、という過ごし方が出来なかった私たちはカラオケやバッティングセンターなどに行って時間を共有していた。そのうちのひとつがボウリングだったのだ。
 
数少ない夜の過ごし方レパートリーのひとつとなったボウリングはお互い久しぶりで、適度に時間もかかり、男女差のハンデもあまり気にせず済んだので度々足を運ぶこととなった。
 
最初は1ゲームで十分だったが、あまりにもスコアがボロボロだと体力と時間があればあと1ゲームだけ! と2ゲームすることもあった。
 
自分も昔なんとなく職場の同僚とか高校生のテスト期間明けに友達とひまつぶしに遊んだくらいでちゃんとしたルールも良く分かっていなかったし、スコアの計算の仕方もさっぱり分からなかったが、既に自動でスコア計算してくれるシステムになっていたので気軽に遊ぶには申し分なかった。
 
紆余曲折(?)を経て結婚すると、しばらくはボウリングのことなど忘れていた。毎日約束しなくても一つ屋根の下にいるのだから。わざわざ24時間安心して一緒に過ごす場所を探さなくても良くなった。
 
このままカラオケもボウリングも足が遠のくかと思いきや、休日をどう過ごすのか持て余すようになると再びボウリングに目覚めてしまったのだ。丁度、近所にボウリング場があったし、天気に左右されることなく特にハードな運動でもない、中年夫婦には程よいひまつぶしなのだ。
 
それにたかが10本のピンが何故毎回うまく倒れないのかムキになった。2ゲームずつしていたのがいつのまにか4ゲームしていることもあった。そのうちスコアが悪い方がランチをおごるとか駆け引きの対象になり、ますますお互いスコアアップしたくなってきた。
 
たまたま週1回行くようになったボウリング場ではプロのボウラーがいて時々ボウリング教室を開催するという。さっそく夫婦で参加してみた。ボウリング人口が少ないからか上級者も初心者も一緒だ。だがプロから直接ボールの持ち方や投げ方、ピンが残った時のクリアの仕方(スペアの取り方)など一通り教わった。
 
底辺からの出発なので最初はコツを教わるとスコアがぐんとアップした。そうなるとますます楽しくなってくる。ついに安物とはいえマイボールとマイシューズを揃えるようになった。
 
ボウリング場備え付けのレンタルシューズは左右同じ作りだが本来は右きき左きき用がありシューズの裏が左右違うという事も初めて知った。ハウスボールではなく、自分用に新しくボールを購入して指を入れる穴を自分の指に合わせて開けてもらうと、もう少し重いボールを投げることが出来る。ボールがピンに力負けせずに済む。
 
ボールが転がるレーン上にはオイルが塗ってありボールが転がるとオイルがボールについて薄くなり段々と摩擦が減るとボールの曲りが強くなってくるから同じスピード、同じ位置に投げても3回までしか同じコースでストライクが取れないなど、目からうろこな知識が盛りだくさんだった。
 
ボウリング場によってレーンの長さや幅が違うと思っていたが目の錯覚で規格が決まっていて全部一律なのも知らなかった。
 
そう、いつの間にかレクリエーションではなくスポーツボウリングの世界に夫婦二人でハマっていった。レクリエーションではないボウリングはメンタルも必要だった。投げ方などに迷いが出ると途端にスコアが下がるのだ。レーンのコンディションを読み、自分の投球を信じて投げないとストライクもスペアも上手く取れないのだ。
 
意外と奥深いと思ったら人生にも例えられそうだと思った。登山や航海に例える人もいるがボウリングも十分いける。
 
まずはボールを投げるというアクションを起こさないとレーンのコンディションが分からない。投げながらストライクが取れるようにボールをコントロールしていくのだ。常にトライ&エラーだ。ボールを投げる位置を変えるか、自分の立ち位置を変えるのか、ボールそのものを変更するのか等々、方法はいくらでもある。
 
行動を起こし、結果を見て、あるいは経過をみながらベストの状態に持って行く。まさに人生と一緒だ。自分で行動を起こし、その結果をみてこのコースで攻めていくのか、進路変更するのか、ちょっとの修正でいいのか、試行錯誤していく。
 
人生の残りの時間はどのくらいあるかは分からないが「カーン!」と気持ちいい音をたくさん聞きたい。ぼてぼてのストライクよりもスピードがのった、10本のピンを一気にはじけ飛ばすストライクは音も気持ちが良いものだ。スカッと爽やかなストライクを目指してボウリング場に足を運んでみてはいかが?
 
全ての憂さをいっぺんにはじけ飛ばしてくれる。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-07-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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