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「あの子が欲しい!」と思った時。運命の子と出会える、もう一つの方法


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記事:ヘルズキッチン(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
「ペット欲しいなあ」
そう思った時にまずどこへ行くだろうか?
ペットショップ? 人によってはネットで購入ということも考えるだろう。ペットショップで出会って、目が合っちゃって、運命を感じた。値段も頑張れば範囲内だし、可愛いから飼いたい。
その気持ちも良くわかる。
 
 
ただ、その前に、保護犬猫との出会いも一度考えて欲しい。
 
 
私は保護犬を飼っている。愛護センターで毎週行われる抽選会で出会った、ぬいぐるみのような雑種の子犬で、今は9歳になる大切な家族の一員。
 
 
保護犬って言われても、どこに行けばいいか、どうやっていいかわからないし、病気とか問題あるのが多いんじゃない? 面倒なのは嫌だ。そういう声もとても良く理解できる。
保護犬猫は、ボランティア団体が各地で譲渡会を定期的に行っている。いまではインターネットですぐに検索できる上、その子たちの写真や特徴なども掲載していたりする。
 
 
でも、躊躇しますよね?
 
 
子犬・猫は飼い始めれば、10年前後ほどあなたと毎日生活を共にする。まさに家族同然。そんな家族を、「CMで見たから」「モデルのあの子が飼ってるから」というイメージ優先で種類、ブランド、可愛いという見た目だけで購入する。ちょっとイメージして欲しい。例えば、結婚する相手と同じだと考えてみた場合どうだろうか。
 
 
むかし流行った結婚の条件で3高というのを覚えているだろうか?
高学歴、高身長、高収入。あの時、それだけで結婚した人たちは、こういった要素は表層的で、毎日の生活となった時、これだけでは成立しないことに気づく人もあっただろう。
 
 
「でも、じゃあ何を基準にすればいいかわからない。柴犬とか、トイプードルとかの性質を調べただけじゃダメなの?」というのも正論だ。
 
 
ただなぜ、こんなにしつこく言うのか。
ちょっとペットショップで売られている子犬の現状を説明しよう。
 
 
子犬はお母さんの元を離れて自立するのに、最低8週間かかる。それなのに、よちよち子犬のほうが売れるとわかっているペットショップは8週間も満たないうちに親から引き離し、ショップのこうこうと眩しいショーウィンドウに入れ込む。そうすると何が起こるか。精神的に追いやられた子犬は、大人になっても社会性が無く、むだ吠え、噛みつき、情緒不安定な子になる。マンションで買う場合だと近隣に迷惑がかかるとのことで、そういった子は結局、捨てられるか保健所に引き取られる。
 
 
猫の場合はどうだろう。最近は空前の猫ブーム。インスタで耳が垂れた猫が流行れば、皆こぞってそれを求めたがる。猫は掛け合わせの歴史が犬よりも浅いため、近親での掛け合わせをせざるを得なく、DNA異常の子猫が生まれる可能性が高くなる。結果的にのちのち奇病などで、病院のお世話になる確率が高い。
 
 
また犬と猫の決定的な違いだが、犬は1年に定期的なサイクルで生まれるが、猫は太陽の日照時間で計算されて生まれる。ブリーダーは早くたくさん産ませたいので、妊娠した親猫を蛍光灯の元に長い間置くことで、少しでも早く産ませるようにするのだ。一部の悪徳業者だろうが、犬猫が、金銭でやり取りされるということがどれだけ残酷かわかるだろう。
 
 
今さらだが、ペットショップはあくまでビジネスで、生命を売って儲けているからなのだ。全てが悪いわけでは無いが、この空前のペットブームの下、多くの業者がこういったことをやり続けているのだ。
 
 
私の保護犬ビートは、沖縄の保護センターから引き取った。なぜ沖縄かというと、殺処分が日本でワーストだったことがあるからだ。週に何匹もの犬猫が殺されるという現状がとても耐えられなくて、一匹でも救いたい、そんな気持ちで譲渡会に見学に行ったのだ。
 
 
その前に、譲渡会では、2時間ほどの講義を受けなければならない。
めんどくさいって?はい、とても面倒くさい。ただ、これが数十年の家族の命を預かるという意味でとても役に立ったのだ。
なぜなら、気に入らなければ捨てる、返品に来る、虐待をする者もいるし、飼える環境の家かどうか後日確認する審査までしてでも、「本当に飼いたいのか?」と試されるからだ。
 
 

そのあと、譲渡会が始まる。たくさんの犬の中でもビートはとてもポジティブでみんなに挨拶して回るようなそんな純真無垢な明るい子だった。もちろん、老犬や病気の犬もいる。気持ちとしては引き受けたいが、私の生活レベルではその子たちは難しく、この小熊のような愛くるしいビートこそ運命の出会いだった。保健所の皆さんは、それぞれのこの特徴を熟知しているので、まずは自分のライフスタイルに合うだろう子の相談に乗ってくれる。
そして結果的に、ビートを引き取ることにした。
 
 
愛護センターや、ボランティアの譲渡会では、売るためではないので、無理矢理押し付けることはない。犬の特徴をよく知っており、あなたの事情に合わせて、推薦してくれるし、病気など持っていればそれを具体的に教えてくれ、救える家族に引き取ってもらうようにしている。そしてその子たちがどうやってここまできたかのストーリーを語ってくれることもある。いまでは、保護犬つながりの友人たちがたくさんおり、旅に出る時にはお互い預けあったりして、人間同士の豊かな繋がりにもなってきている。

 
 
長い間一緒に住む家族だ。ペットショップで一瞬出会った子を見た目と値段で判断して購入することと、譲渡会などでその子のバックグラウンドを聞いた上で、引き取ると「出愛い」という違う感情が湧き出てきた。
ペットショップで出会った子に「あの子が欲しい」と思ったら、保護犬猫という選択肢があるということを思い出して、一度立ち止まって考えて欲しい。
 
 
 
 
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2019-08-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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