メディアグランプリ

「世界に通用する子供の育て方」は私の背中をおしてくれた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:もちこ(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
「なんだか救われたーっ!!」
 
読み終わった時に心底そう思った。
「世界に通用する子供の育て方」は、子育ての本と思いきや、親自身が幸せになる方法が書かれている本だった。
 
著者は、医学博士であり、臨床心理士だ。しかもニューヨークで、主席で大学を卒業し大学院で学んだ才女である。そのため、子育てに関するエビデンスがこれでもかというぐらいに書かれており、安心して読むことができる。
 
しかも、そんな才女である著者が猛烈に挫折したのが子育てだと赤裸々に語ってくれており、共感できるところがたくさんあったため、私は、ホッとした。
 
しかし、最初、私はこの本を読むのをためらっていた。
2人の娘が小さい頃は、本当に苦しかった。
 
子育て本は、たくさん読んだ。しかし、実践しても、うまくいかず、読めば読むほど苦しくなるばかりだった。
 
子育ては、孤独で失敗ばかりだし、自信はなかった。もちろん、今もない。
勉強ができたり、運動ができたりする他の子供達をみると、羨ましく思うと同時に、自分の子育ては、うまくできてないな、子供の強みを伸ばすような子育ては、できていないと思い知らされてきた。
 
子供が、元気ないと不安になるし、感情的になってしまうし、ママはわかってくれないとか、気持ちが落ち込むことばかり言うとか、子供からのマイナスのフィードバックも多くて、正直凹むことばかり。
 
きっとほかのお母さんは、そんなことないんだろうなと、思う毎日だった……。
 
やってもうまくいかない、どうして私は出来ないんだろうという無力感と、子供に対しての罪悪感で、いっぱいだった。
 
だから、もう子育て本を読むのは辞めようと決めたのだ。
 
子育ては楽しい! 楽しもう! なんて聞くたび、そんな風に思えなかった。
本当に、しんどかったし、楽しいと言えている人がいると、自分は良い母ではないと言われているみたいで、逃げたくなった。
そして、今、中3と小学6年生になって、ようやく、楽になりかけていたところに、また子育て本を読むのが怖かった。
 
自分がいかに子育てが出来ないかを思い知らされても、落ち込むだけ、そんな思いがあったのだ。
 
しかも、「世界に通用する子供の育て方」なんていう、キラキラしたタイトルで、わたしには関係ないなんて思ったのも事実。
 
ただ、関係なくても、子供達の未来を考えると、しんどいけど、少しは知っておいた方がよいかもしれない……、何より信頼できる友人が薦めている……、そんな気持ちで、読む決意をした。
 
そして、恐る恐る、読みはじめると、思っていたことと全く違ったのだ。
 
この本には、子供を幸せにするために、親自身が幸せになることが大事、
そのために、親も支援的な環境で成長することが大切ということが書かれていた。
 
支援的な環境とは、親自身が安心安全の場で、やればできると思えていて、自律しているという気持ちで満たされており、多様性が尊重される環境である。
 
そうなんだ! 子供が幸せになる為には、親である私自身も幸せにならないといけないんだ。
 
我慢ばかりでなくていいんだ。
 
自分のことを優先してもいいんだ。むしろ、した方が良いんだ!
一気に心が軽くなった。
 
そして、子育てが苦しかった理由が分かった気がした。
私の子育ては、生まれ育った土地ではないところで始まった。
公民館や、子育てサークルなどや月例の近い子供と遊ぶ場所には出かけて、ようやくママ友を作ることができた。
しかし、なかなか馴染むことができなかった。
小さな子供がいて、働きたいと行動している人は、周りのママ友にはいなかったし、働かなければいけないと同情されたり、私は働くのなんて無理と言われたりしたからだ。
また、娘は、周りの子供たちと比べると、感情の起伏が大きく、ママ友の視線が気になり、居心地もわるかった。
 
同じ価値観の人を求めて、働きだし、ようやく気の合うママ友ができた。
しかし、職場では居場所を見つけることができなかった。残業はできなかったし、急に休むことも多くて、周りの人に気を遣って疲れてしまっていたからだ。
 
上司にも母親にも、子供が小さいから、働かなくてもいいんじゃないと言われたことも辛かった。
 
1番理解して欲しいと思っていた夫も、仕事が忙しくあまり家におらず、ほぼワンオペ育児で、モヤモヤとした気持ちをずっと抱え込でいた。
そうなのだ、子育ての時、私には安心して自分のことを話せる場がなかったのだ。
そして、やればできるという気持ちに、とうていなれず毎日疲れていた。
 
だから、あんなにしんどかったんだ……と、ようやく理解できた。
 
今は、子供たちも大きくなり、職場にも恵まれ、価値観のあうママ友も友人もいる。
だから、ずいぶんと楽になっている。
 
しかし、まだ、子供より自分を優先することに、罪悪感は残っていた。
 
今回、思い切って、夫と子供に、来年ホノルルマラソンにチャレンジしたいと伝えてみた。3泊4日になることも……。
 
夫は、いいよと言ってくれたが、子供たちは反対した。
でも、最後は、いいよと言ってくれ、嬉しかった。
 
まず、来年ホノルルマラソンを走るところから、自分を優先してみようと思っている。
 
 
 
 
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2019-08-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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