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理想の子育てを考えて気づいたこと


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記事:結珠(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「もし、子育てをするならどんな育て方をしたいか」
 
28歳にもなると、周りも結婚や子育てをしているという話もちらほら聞こえてきている。
一端に結婚願望もある私はそんな話を聞くと、ふと、そんな妄想してみることがある。
 
「実際に結婚もしてないのに、そんなこと考えてどうする」
 
「本当の子育ては、そんな妄想どおりに行くほど簡単ではないから無駄だ」
 
なんて声も聞こえてきそうだ。
 
しかし、子供がいようがいまいが、「もし、子育てをするならどんな育て方をしたいか」と考える事は決して無駄ではない。
むしろ、その思考方法は自分自身の生き方を考える上でとても意義深い意味を持つように私は思うのだ。
 
もし、あなたが人生の選択肢に迷ったり、自分のやりたいことが見つからない時にはこの思考方法は自分が本当にやりたかったことを思い出すきっかけになる。
 
そのきっかけを得る前まで、私は自分の人生の方向性に悩んでいた時期だった。
仕事はしていたがその仕事をずっと続ける意欲も無く、自分のやりたいことや目指す事は何なのか分からずに日々を過ごしていた。
 
そんな折、愛知に旅行に行った際に中学の同級生と久しぶりに会うことになった。
その同級生はもう結婚しており、子供も3歳になっていた。
 
久しぶりの話に花をさかせながら、子育てについて話題が及んだ。
 
「そういえば、子育てはどう?」
と聞いてみると、
「大変だけど、無事に育ってくれるように頑張ってるよ」
と答えが返ってきた。
 
そこで、何気なく
「子供にどんな風に育ってほしいの?」と聞いた。
 
「うーん、あんまり望みは無いけど」
 
「逆に子供がいたら、どんな子に育ってほしいの?」
 
そう聞かれた時に、私は初めて具体的にもし自分が子育てするとしたらと考えてみた。
 
そうすると、私の中に子育てをするときの理想が2つ思い浮かんだ。
 
まず、1つ目は「若い頃から海外と関わる経験をしてほしい」ということだった。
 
その思いの根源となる出来事は大学生の頃の留学の思い出に遡る。
「どうやったら、こんな優秀な育ち方ができたんだろうか」
交換留学の制度で、国立台湾大学に留学していた時期だ。私はよくそう思うことがあった。
周りは東京大学や早稲田大学といった名だたる大学からの留学生も多く、頭が良い事はさることながら、幼い頃から外国語に触れてきてた経験のある学生も多かった。
特に、正規生として台湾の大学に4年間を過ごす選択をした学生に対しては陰ながらとてつもなく羨望の眼差しを向けていた。
 
「こんな育ち方が出来たらな」
 
反して、私は留学以前に外国語を本格的に学んだり海外に留学した経験もなく、大学も国公立といえど偏差値は高いと言えず、周りの経歴の輝かしい経歴や地頭の良さに比べたら、少なからず見劣りを感じたりしていた。
その時感じた思いから、私は「自分の子供には、こんな若いうちから海外に行く経験をさせたい」と感じるようになっていた。
 
もう1つは「充分に褒められて、認められている事を感じて成長してほしい」だ。
 
三つ子の魂百までというように、子供の頃に周りから何と言われてきたか、どう思われてきたかは大人になっても大きく子供に影響する。
特に親や周りから褒められて、自分を認められてきた人と否定されてきた人では愛情の捉え方も与え方にも違いが出て来るという。
私自身も特段褒められずに育ったわけではないが、時折、自分自身を認められずに自己否定感を感じることがある。
そんなときに、自己肯定感の高く、成功している人の多くに子供の頃から褒められたり周りから認められている事が多いと感じていた。
 
そして、「子供ができたら、小さなことでも褒めてあげたり、安心して認められる環境にしてあげよう」と考えついた。
 
そして、この話を子育て中の同級生に話したときにふと気づいた。
 
待てよ。
これはもしかして、私がしたかった育ち方ではないか。
自分の理想の子育てを考えていたがよく考えると、それは自分がしたかったことやこれまで出来なかった事だということに気付かされた。
 
「子供には、若いうちから海外と関わる経験をさせたい」ということは、私が海外との関わりを持っていたいという思いが映し出されている。
「子供を褒めて、認めてあげる育て方をしたい」も、本当は自分が認められたくて、褒められたいことの現れなのだと気づいた。
自分の本心とかやりたいこと、なりたい自分を考えるのは自分の中の子供だ。
そして、客観的にその子供の考えを判断し、応援したり、たしなめたりする理性が自分の中の親だ。
自分の理想の子育てを考える事は、その自分の中の子供とどう接するかということの裏返しである。
 
つまり、その理想の子育ては、本当は自分がしたかったことや、なりたかった自分への望みなのではないか。
 
私達は、誰でもいくつになったとしても心の中に子供の自分を持っているのだ。
大人になるにつれ、周りの価値観や評価に合わせて、自分の思いや言いたいことを押し殺してきてしまっただけで、その自分の中の子供は本当に自分のしたかったことをずっと訴えかけている。
 
今、あなたが子育て中でもそうでない人でも、もし自分が本当に望んでいることが分からなかったり、進むべき道が見えない人は、自分の理想の子育てを具体的に想像してみてほしい。
それは、本当は自分の本心という子供にしてあげるべきことなのかもしれない。
 
 
 
 
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2019-08-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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