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不惑とは?


 
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記事:図司 貴一 (ライティング・ゼミ日曜コース)
 
論語の有名な章句に以下のようなものがある。
 
子曰く、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。その後も、五十、六十、七十と続いていく。
 
これは世界で1番短い自叙伝とも言われている。孔子が70歳となった時に人生を振り返り弟子達に自分の人格、心の形成の過程を説明したものと言われている。
孔子は15歳で学問を志し、30歳で独り立ちし、40歳で迷うことがなくなったと言っている。この章句から40代を表す「不惑」という言葉がうまれた。
 
自分は今年の11月で46歳となる。孔子の自叙伝的にいうと不惑6年目。6年目にも関わらす今だ惑いや迷いなくならない。日々、子供のこと、家族のこと、仕事のこと、キャリアのこと、惑うことは多い。
 
孔子は不惑にはエゴをなくすことが大切だと言っている。孔子の言葉にするとエゴとは「意と必と固と我」
意とは思い込みが激しいこと、必とはゴリ押しすること、固とは頑固なこと、我とは自己中なこと。
「意と必と固と我」とはまとめると私利私欲に執着する心。西郷隆盛も「意なく、必なく、固なく、我なしと」いう論語の言葉を生涯大切にしていたという。
 
当然、論語が大好きな自分としては40代で不惑となりたい。ただ私利私欲を捨てるのはかなり難しい。いや、自分には情けないが無理だと思う。どうすれば良いのだろうと考え続けた。もうこれ自体が一番大きな惑いだ。考え続けた結果、ふとある有名な人が書いていた言葉を湧いて出た。「論語の中に全て答えがある」。
そうだ、論語を読もう。512句ある章句を見て答えを探し続けた。すると、ある章句が目に留まった。
 
「これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」
 
この意味は知るよりも好むよりも楽しむ境地が最上という意味だ。これこそ自分にフィットする。答えが見つかった気がする。私利私欲をなくすのは自分は難しい。でも惑を楽しむことはできるのでは。
きっと自分にとって不惑は惑わないことではなく惑を楽しむことだ、「楽惑」だ。
 
人生はえっ!ということの惑いの連続である。えっ!と惑うのは自分の思った通りの出来事じゃないことが起こっているからである。自分の思った通りでないどうなるかわからないということを楽しいと思うこと。昨年くらいからこの惑を楽しむ練習を始めた。まずは小さいことから。
 
仕事で部下に書類の郵送をお願いしていた。当然、その日中に送ってくれていると思っていたのだが、送付してくれていなかった。当然、えっ!なんで?と思った。そこで一呼吸置いて、惑を楽しむモードにはいって、まずは部下の状況を想像する。
 
「部下も他にやることがあったのだ。自分なりに優先順位をつけて明日への仕事にまわしたのだ」
 
次に自分の反省点と成長の種を見つける。
 
「部下が分かってくれていると思って、自分がきちんと伝えなかったことが悪い。自分のさらなる成長の種が新たに見つかった。部下に感謝しよう」
 
次に部下の成長の種をフィードバック
 
「この経験から優先順位を確認するという学びを得たよな」
 
ちょっと惑う状況でも楽しむことで確実に惑は減少した。小さな惑を楽しむことを繰り返すうちに手ごたえを感じた。とにかく楽しもう。自分は不惑に近づいてる。
その後、ルーティンワークで忙しい時期に上司から新たに2つの大きな仕事を依頼された。「えっ!なんで?」でも自分は惑を楽しむ境地に近づいている。上司には「大丈夫です、任せてください」と返事した。
 
新たな仕事が2つ。惑惑だ。ワクワク。楽しむ境地でワクワクしながら依頼された仕事に没頭した。集中することで、惑わない状態にかなり近づいた。新たな2つの仕事も良い成果を出すことができた。
でも、ある日集中しすぎて娘を保育園に迎えにいくのがかなり遅れてしまった。やってしまった。仕事と家庭のバランスは難しい。こんな状況のことも論語は教えてくれている。
 
「過ぎたるは及ばざるがごとし」
 
論語の中に全て答えがある。その通りだ。楽惑が惑惑ワクワクになった。これは楽が過ぎたのだ。
妻からはしっかり怒られました。不惑6年目。楽惑を極める道はまだまだであるが、日々を楽しんでいる。
 
 
 
 
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2019-09-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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