社長に当たれ! 石を投げて微笑む私
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:Y.M.H(ライティング・ゼミ平日コース)
「石を投げれば社長にあたるんじゃないか?」
実際に石を投げても社長「その人」に当たるとはさすがに思わない。
けれど、もしも街中で石を投げたら、どこかの会社の看板や広告物、お店のガラスに当たる可能性が高い。それほど街中には会社や商店、事務所が多い。
電車から窓の外を見ていたり、改札を出てお店や会社の看板が気に成りだすといつも考える。「このお店の商品と、その商品のパッケージを作っている工場もあるなぁ。パンフレットをデザインする会社や印刷する会社も。あっ! 宣伝する会社だってある」
とにかく思いつくすべての会社や工場に社長がいるわけで「やっぱり石を投げれば社長に当たるよね」と思うと自然と顔が緩む。顔が緩むのは、なんなくホッとするからだ。
「それにしても日本人はすごいなぁ……」
それとも資本主義というシステムがすごいのか?
どちらも凄いしどちらが欠けてもダメなんだろうなとは思う。
忘れがちだけれど日本には法人と呼ばれる会社の社長の他にも、お店や事務所を自ら開業して商売を営む個人事業主がたくさんいて、個人とはいえみんな立派な社長さんだ。
従業員に「おやじさん」とか「おかみさん」と呼ばれる個人商店のトップもいるだろうし、自らの腕を頼りに独立しているなら「親方」や「大将」だったり、おしゃれなカフェとか雑貨店なら「マスター」とか「オーナー」と呼ばれている社長もいる。
知人は僧侶というか仙人のような風貌から「天長」と呼ばれているが……。
きっと他にもたくさんの呼び名があって、日々頑張って商売をしている社長がいるはずだ。
そう考えると子供の頃から普段の生活の中でも「社長さん」にたくさん会っていた。
床屋のおじさん、通りの角にある肉屋のおじさんとか。自分が得意なことや好きなこと、できることをするための場所を作って、そこで毎日お客さんの笑顔のために仕事をしている。
その社長さん達に開業までの経緯や開業後の「あれやこれやの話」を聞くと、みんな何かしら違った物語を聞かせてくれる。
そんな話の中でも共通していることがある。
話をし始めると決まって「もともと人より特別優れた技術や才能があったわけじゃないよ。最初はアイディアなんてのも無かったし自分にうんと自信が有ったわけでもないから」と。
そのうち「ただね、どうしてもやりたかった。やるしかなかったんだよ。自分のやりたいようにやりたくて、気づいたらもう何かしらやっていたなあ。自信? だからそんなの有るわけない。まぁ根拠の無い自信ならあったかもね」と言う。
「なんだやっぱり自信が有ったんじゃないですか」と笑うと「根拠が無いんだから人が言う自信とは違うんだよ。あんただってそうだろ?」と返される。
確かに。
自分のやりたいことを自分の手で実現させるためには自分自身で始めるしかない。
私もそう考えて行動していた。だから街に溢れる看板や広告は、それに気づいちゃった人が世の中には結構多いんだよと教えてくれているような気がしてホッとするのだ。今日も頑張っている人が大勢いるんだよと。
「どうしてもやりたかった。やるしかなかったんだよ」
こういう話をする経営者はたいてい創業社長が多い。
何もないところに自分の仕事場を作るのが創業社長だけれど、事業継承をした2代目社長や株主が選んだ社長の中にも「どうしてもアレをやりたい! やるしかないだろ!!」と、改革をしたり新規事業を立ち上げて、まったく新しい会社に変身させてしまう経営者もいる。
今は最低資本金が1000万円だの300万円だのと、お金をたくさん用意しなければ会社が作れないという時代ではなくなった。起業のハードルが低くなり、自分で会社を立ち上げたい、開業したいと思った人は直ぐにスタートできる。素晴らしい!
「独立しても上手くいくのか、成功するのか……」とても心配だしそこんとこが知りたいんだという気持ちは痛いほど分かる。でも、多くの創業者は「根拠の無い自信」を頼りに初めの一歩を踏み出している。
じゃあ「根拠の無い自信」をできる限り確かな自信に近づける方法はあるのか?
良い方法が有れば私も知りたいが、社長さんたちの言葉の中にヒントが隠れているような気がする。
「どうしてもやりたい。やるしかなかった」という強い気持ち。情熱と言うらしい。
「自分のやりたいようにやりたくて」という夢。創造力というらしい。
「気づいたらもう何かしらやっていた」という行動力。
まるで悪戯をしてしまった子供の言い訳のようで面白いけれど、大事なのは自分の中から湧き上がってくる気持ちを疑わないことなのかもしれない。
「自信は不安の積み重ね」以前読んだ女性経営者の本に書いてあった。
出所不明の根拠無き自信でも、素直な気持ちに従って行動することで自信は後から付いてくるのかもしれない。
明日も石を投げたら当たりそうな看板が増えるかも……
そう考えるとまた顔が緩んでしまう。
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