オセロが黒から白に変わる時
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:三森弥生(ライティング・ゼミ平日コース)
「知ってる、知ってる!」
今の私は、私の気持ちを知っているよ!
一日に何回も、私が私に語りかけている言葉。
「知っている」と言い続けたおかげで、生き返った。
昔の私は生きていなかった。
息をしているから生きているんだけど、私が何者なのかを知らないで過ごしてきた。
魂はどこかに置き去りにしていた。
私は、どうしたい?
私は、何をしたいのかな?
このような問いかけをすることがなく、五十年生きてきた。
日々それなりに楽しいこともあり、時には気分が落ち込むこともあり、気持ちのアップダウンを繰り返し返した20代。
楽しいことはない。
この先、いいことが起こるなんてあり得ない。
何をしていても、心の底から楽しめなかった。
私には価値がない。
私なんか、消えてなくなってしまえばいい。
振返ってみると、うつうつとしていて超ネガティブ性格だったと思う。
とにかく、自信がなかった。
自信がないから、いつも人の顔色を気にしていた。
どうしたら、人の邪魔にならないでいられるかが大事だった。
だから、食べること一つをとっても、食べたいものを言うことができなかった。
ある日、友達と行った店のランチメニューはパスタとオムライスの2種類。
いつも最初に考えることは一つ。
「友人は、何を食べるのかな?」
同じメニューにした方がお店の人の手間が省けるかな。
そういえば、この前見た雑誌にゴージャスなオムレツが載っていておいしそうだった。今日はオムレツにしてみようかな。
その時、友人が言った。
「ここのパスタ、美味しいんだよね。私、パスタにする」
「じゃあ、私もパスタにする」
注文は、あっという間にオムレツからパスタに変わってしまった。
パスタの湯で加減がちょうどよく、歯ごたえがあって、トマトソースは甘すぎず酸っぱ過ぎず、いい味で満足のランチだった。
でも、隣の人が食べているケチャップがのったオムライスがとてもおいしそうに見えた。オムライスに未練が残った。次回は、オムライスを食べることにしよう。
それなのに、口からは違うことを言っていた。
「今日もお腹いっぱい、おいしいものが食べられて良かったね」
日々のくらしの中で考えていることとやることが違うことは多かった。そのせいか、いつも未消化な気持ちがあって、満足感をどこかに忘れてきているようだった。
だから、生きづらかった。
かっこよく生きている人がうらやましかった。
活き活きしている人になりたかった。
そんなある日のこと、チャンスを掴んだ。
3ヶ月間のオンラインプログラムが発売されるという。
なんでも、それを視聴しワークに取り組むことで未来が更新され続けるという、私にとっては魅力的なメソッドだった。
尊敬していた先輩の紹介でもあったので、
「やりたい!」
と、私の中で、スイッチがオンになった。
開始後は、毎日、音声を視聴するのが楽しくてしょうがなかった。
進捗状況をグループのコミュニティに投稿していく。
ニックネームで投稿ができることと顔が見えないことが私には良かった。恥ずかしさがなく、気持ちを正直に投稿することができた。
毎日感じたことを書きこんでいく。不安を書いてもいいし、楽しかったことを書いてもいい。
自分の気持ちを素直に認める作業がとても良かったと思う。
今、私が何を感じているかを意識した。意識し続けていくと、感じることがうまくなっていった。
感じた気持ちは、大切に取り扱った。すると、次第に自分を認めることが上手になっていった。つまり、自信が持てるようになった。
そして3年後。
私は、生まれ変わった。
今、毎日の中に幸せがたくさんある
カフェに行って、食べたいものがわかるし、それを注文することができる。
おいしいご飯が食べられて幸せ。
夫が大好き、こども達が成長してくれていて幸せ。
消えてなくなりたいと思っていたほどの私だったが、自信がつき、自信を持って自分を愛している。
私は何を感じてもいいし、何を選んでもいいと分かった時には嬉しかった。他の人には当り前のことかもしれないが、私にとっては画期的なことだった。
好きの連鎖が始まってからは、私が私をどんどんと好きになっていく。生きづらかった出来事さえも愛おしくなっていった。それは、まるでオセロをひっくり返したかのようだった。過去の事実は変わらないけど、私の見方が変わるからネガティブで黒いコマだったものが、白いコマに変わっていく。すると、多幸感が湧き上がるようになったのだ。
「知ってる、知ってる!」
私が私を認めるという、たった10秒でできる習慣が私を蘇らせてくれた。
これから先、何があっても私は大丈夫だと思っている。
この習慣は佐藤由美子さんによって『10秒スイッチ』と名付けられ、日本各地に広がり始めている。
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