健康的な怒りのすすめ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:菅恒弘(ライティング・ゼミ日曜コース)
「あぁ、またやってしまった……」
私は短気が原因で、よくそう後悔することがある。
子どもも頃は負けん気も強かったこともあり、兄との兄弟ケンカも多かった。もちろん、そのほとんどは私から仕掛けたもの。小学校でも言い争いやケンカをよくしていた。怒りの感情をコントロールするのが苦手だった。
大人になってからはずいぶんと改善されたとは言え、やはりその性格はどこか奥底に残っている。
もちろん小学生の頃のようにケンカをするようなことはないが、なにかのタイミングでその性格が目を覚まして、ついつい余計な一言を言ってしまったり、必要以上に口調がキツくなってしまったり、不満げな表情・態度をしてしまったり。
かなり大人気ないと思いながらも、なかなか改善されない欠点の1つだ。
そんなことだから、社会人になっても失敗してしまったことは多々ある。
ついつい仕事で議論が白熱してしまい、口調がきつくなってしまったり、態度が威圧的になってしまったりすることがある。そして、いつものように後悔するのだ。
そんな怒りの感情は、世の中にも溢れている。
テレビやネットのニュースを見ると、怒りの感情をきっかけにした様々な事件が起きている。そして、ネット上では怒りの感情にあふれたコメントを見かけることが増えたように思う。ある言動に対して、多くの人の怒りの感情が集中する光景は、やはり怖さを感じてしまう。
そんな怖さもあり、自分の怒りの感情をどうしたものかと考えていたところ、友人に「アンガーマネジメント」というものを勧められた。
アメリカ発祥の怒りの感情とうまく付き合うための心理トレーニングだ。
基礎的な講座を受講したところ、怒りという感情がどういうものなのか、そして自分が怒りを感じるポイントとは、といったことを見つめ直す良いきっかけとなった。
その講座で紹介された怒りをコントロールする基礎的な方法が「6秒ルール」だ。怒りを感じてから反射的に反応するのではなく、6秒間やり過ごすというもの。怒りの感情は一過性のものらしく、最初の6秒間を過ぎれば冷静さを取り戻すことができるそうだ。
私もとりあえずは「6秒ルール」から取り組み始めたのだが、これがなかなか難しい。一瞬の怒りの感情に、ついつい反射的に反応してしまうのだ。たまにうまく思い出して6秒やり過ごしてみると、確かに効果がある。今後も地道に続けていくことで、少しは後悔することも減らせそうだ。
ただ、少し気になることもある。
それは怒りの感情の負の側面ばかりが注目されていることだ。
昔から怒りの感情は良くないものとされてきた。
私も小さいころには、親から「そんなことで怒らない!」と、よく叱られたものだ。現在でも学校や職場でも、怒りの感情は良くないも、負の感情という扱いだ。
もちろん、怒りをコントロールできずに、感情を爆発させてしまったり、さらにそれを他人に向けるような怒りは良くないものだ。
ただ、普段抑制されている分、ここでは怒りの感情をぶつけても大丈夫と思えるような場所を見つけると、そこをめがけて一気に怒りの感情が集中するように感じる。そう、ネット上の炎上のように。
こういった感情にまかせて他人にぶつける怒りや、炎上のように一気に吐き出される怒りは、本人も周りの人にも負の影響を与える、まさに不健康な怒りではないだろうか。
一方で、怒りには正の感情にもなり得るはずだ。
例えば何かにチャレンジして達成できなかったことに対する怒り。これはある意味、自分自身に向けられた怒りだ。この怒りは次のチャレンジへのパワーにもなる。そんな経験は、スポーツや勉強、仕事でも多くの人が経験しているはずだ。
社会への怒りも同様ではないか。社会に存在する不平等や矛盾への怒り。この怒りも、社会をかえていく大きな力になっているはずだ。
このような怒りは、一気に感情として溢れるような怒りではなく、じっくり長い時間継続するような怒りだ。
こういった怒りは、自分のパワーにもなり、社会にもプラスの影響を及ぼす、健康的な怒りと言えるのではないだろうか。
怒りの感情に対する負のイメージが強くなりすぎて、健康的な怒りまで抑制され、その反動でより大きな不健康の怒りを生み出している、そんな負の連鎖を生み出してしまっているのではないだろうか。怒りの感情を全て否定してしまうのは何か違うのではないかと考えてしまう。
そう、だから怒りの感情との上手な付き合い方を見つければ良いのだ。
不健康な怒りを上手にコントロールしながら、健康的な怒りで自分に、そして社会にパワーを与える。そんな怒り上手な大人になれたらなと考えている。
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