女性が女性アイドルを好きなのって変ですか?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:タナカシオリ(ライティング・ゼミ日曜コース)
「なんで女性なのに女性アイドルが好きなの?」何度この質問をされたであろうか。
私が某女性アイドルグループのファンだと言うと、必ずといってよいほどこの質問をされる。
彼女たちの好きなところは、それこそたくさん答えられるけど、彼女たちを好きな理由を答えることは難しい。「好きに理由なんかいらない」と言いたいけれど、アイドルファンじゃない人からみれば、同性のアイドルが好きってことはたいそう不思議なことらしい。
だから、ちゃんと考えてみた。女性の私が、なぜ同じ女性のアイドルを好きなのか。
そもそもアイドルファンでない世間の多くは、アイドルファンが言う「アイドルの〇〇君or〇〇ちゃんが好き」を「恋愛対象としてアイドルの〇〇君or〇〇ちゃんが好き」と思ってはいないだろうか。いわゆる理想の彼氏、彼女としての立ち位置にアイドルがくると。そのイメージがあるから、「なんで同性のアイドルが好きなの?」ということになるのだろう。
確かに「ガチ恋勢」といわれる、本気でアイドルに恋している人たちもいる。
しかし、私がアイドルに恋をしているかと問われると、何か違う気がするのだ。握手するときは緊張して手が汗ばんじゃうし、(ライブで)会える前の日はワクワクして肌の手入れも頑張る。それこそ、デートの前の日並みに。いや、それ以上かも。
だけど、彼女たちを恋愛対象としてみているわけじゃない。
私にとってアイドルは、恋人ではなく、憧れの戦士なのだ。
以前、「女性が女性アイドルを応援する心理は、幼いときに美少女戦士のアニメにハマる感覚と似ている」というようなことを、書いていたサイトがあった。その記事を読んだとき「超わかる!!」とすごく共感した。そうなのだ。私にとってアイドルの立ち位置は、恋人ではなく、あくまで憧れのかっこいい存在なのだ。
多くの人は、幼いとき、悪と戦うヒーローやヒロインたちをみて、「かっこいい」と思ったことだろう。自分が傷ついても、人々の平和を守る彼・彼女らの姿は、幼いながらも胸に響くものがあっただろう。
大人になった現在、超人的な力で世界を滅ぼそうとする悪者は、ファンタジーだとしても、妬みや劣等感など、自分の心を壊そうとする悪いものは、現実に多くあることがわかった。
しかし、そんなものに負けず、ステージという戦場で、キラキラと輝いているのがアイドルなのだ。
アイドルの仕事は、華やかで簡単そうな仕事。そんな風に思っている人がいたら、それは大きな間違いだ。
まず、すごく体力がいる。約2時間ものライブを歌いながら踊り続けて、それが一日2公演なんて日がザラにある。何回かアイドルがやっている筋トレを試したことがあったけど、まったくついていけなかった。
次に、精神力が、尋常じゃないくらいいる。アイドルのメンタルは、ひょっとして鋼鉄製なのではないかと、私は思っている。
私が好きなアイドルグループは、ひとりひとりにメンバーカラ―があって、ライブのとき、ファンは推しのメンバーカラ―のサイリウムを振る仕組みになっている。
ということは、ステージでパフォーマンスをしているときに、「自分のファンはどれくらい来ているか」とか、「どの子が一番人気なのか」とか、それらが一目瞭然なのだ。
そんなの普通の精神状態だったら、絶対無理でしょ! 私だったら、自分の人気が、そんな形で目に見えてわかったら、次のステージに立つのが、嫌で、怖くて、しかたないと思う。
だけど、そんな気持ちを乗り越えて、笑顔でパフォーマンスをするのがアイドルだ。
人気がわかるだけじゃない。かわいくないとか、太ったとか見た目についても色々言われてしまうのが、アイドルの宿命だ。彼女たちの多くは10代なのに、そんな多感な時期に、見た目についてアレコレ言われてどれだけ傷つくだろうか。
でも、それらの言葉もバネにして、アイドルはみんなどんどん綺麗になっていく。
同じ女性として、それらがどんなに大変なことかわかるからこそ、彼女たちをすごさがあわかる。そして、尊敬してしまう。
自分の心の中の黒い感情、世間からの悪意、それらと彼女たちは戦っている。
歌、ダンス、ルックス、キャラ、自分がもっているすべてを武器にして、戦っている。
そして、日々進化している。
これを戦士といわずして、何というのか。
朝、会社に行くのが憂鬱なとき、嫌なことがあったとき、疲れたとき……。頑張っている彼女たちをみると、元気になる。私ももうちょっと頑張ろうと思える。ありきたりな言葉だが、アイドルを応援していると元気がもらえるのだ。
それは私が、彼女たちの戦う強さに、勇気をもらっているからだろう。
アイドルは、ただかわいいだけの女の子じゃない。
強く、たくましい、女の子なのだ。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/event/103274
天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。