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メディアグランプリ

「黄色い魔法の粉」をかける帰省したらついつい食べてしまうあのラーメンの話。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:門脇 めぐみ(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
 
「東京に来たからにはやっぱりあの店に行かなきゃじゃない?」
 
九州の佐賀に移住をして早5年。
未だに東京に帰るとついつい食べに行ってしまうラーメン屋さんがある。
魚介とんこつ系ラーメンだ。
 
九州人には魚介とんこつ系ラーメン、と言っただけで変な顔をされる。
 
「は? 魚介なの? とんこつなの?」
 
中には半ば驚きを通り越してちょっと怒っているんじゃないかという勢いで言われることもある。
 
魚介とんこつ系は魚介とんこつ系なんです。
魚介だけでもとんこつだけでもないんです!
 
そう言ったところで全然通用しない。
 
そのせいなのか、私の好きなそのラーメン屋は未だに九州には上陸していない。
 
関東に帰省した時にしか食べられないのだ。
 
その店にはシンプルな中華そばや坦々麺、少し辛いタイプなど何種類かのラーメンの種類がある。
私はその中でも、大定番のつけめんが好きだ。
 
こってりとした、とんこつだしに加えて魚介のだしが効いている。
濃厚かつ深い味わいだ。
正直、そんなにラーメンが好きなわけではないが、どういう訳だか私はこのつけめんが大好きなのだ。
ついつい、帰省するたびに食べに行ってしまう。
私が唯一ひとりでも食べに入るラーメン屋はこの店だけだ。
 
「富士宮やきそばか!」
と言いたくなるような少し太めのもっちりした麺が特徴的だ。
コシと弾力がある麺だ。
それでいて、しっかりと濃厚なつゆが麺に絡みつく絶妙さ。
このもっちりさがたまらない。
ボリューム的にも満足感が出るのはこの麺のおかげだと思う。
 
たっぷりのネギも魚介とんこつの濃厚なスープによく合う。
チャーシューも美味しいのだ。
ほどほどの厚みとしっかりした肉感が良い。
煮卵もいつもトロトロ半熟でいい塩梅だ。
 
だが、このラーメンの一番のポイントは「黄色い魔法の粉」にある。
 
濃厚なスープとしっかりした麺を食べ進めていくと、
途中で壁にぶち当たるのだ。
 
最初はこの旨味を永遠に食べ続けられるような気がするのだが、そうはいかない。
 
どんなに可愛いアイドルでも
どんなにカッコいいスターでも
ずーっと見続けたらやっぱり飽きるのだ。
 
さらに、インパクトが強く強烈であればあるほど、
どこかでくどくなってしまったりする。
これはもはや定めだ。
 
アイドルに飽きるように、スターに飽きるように、
どんなにおいしいラーメンにも飽きるタイミングが必ずやってくる。
 
そんな時に、「黄色い魔法の粉」が現れるのだ。
 
それは見飽きた可愛いアイドルが突然あざやかな艶っぽい一面を見せるような。
見飽きた二枚目すぎるスターが見せるあどけない少年のような素朴な一面を見せるような。
 
そんな驚きが「黄色い魔法の粉」によって魚介とんこつラーメンにもたらされるのだ!
 
「黄色い魔法の粉」をスープにふりかける。
ゆずの香りが、ふんわりと香る。
とたんに、こってり濃厚なスープがさわやかに変身する。
 
考案した人は天才なんじゃないかと思う。
 
「黄色い魔法の粉」=ゆずパウダーは止まった箸のスピードをさらに上げてくれる。
 
1杯のラーメンがこの「黄色い魔法の粉」によって鮮やかに生まれ変わり別の顔を見せてくれるのだ。
香り高いゆずの粉が甘酸っぱさとともに新たな旨味を加えてくれる。
ここからは完食までまっしぐらだ。
 
ご馳走様でした!
 
いやいや、そうはいかない。
まだ、このラーメンにはもう1つの楽しみが残っている。
 
スープ割りがあるのだ。
 
この店では最後までスープが楽しめるよう魚介だしをスープに足すことができる。
これがまたおいしい。
 
もうお腹いっぱい!
いつもそう言いながらもスープをきっちりきれいに飲み干してしまう。
大満足なラーメンだ。
 
そして、最後にどうしても伝えたいことがある。
それは、このラーメンの価格だ。
 
これだけ、こだわりの詰まったラーメンだ。
今やラーメン戦国時代と言われる時代。
ラーメンの相場はうなぎのぼりだ。
1000円を越えるラーメンがずらりとならぶ。
 
ところが……。
 
なんとこの店ではシンプルなつけめん並盛が650円なのだ。
チャーシュー、のり、メンマ、煮卵の全部が乗った得製つけめんにしても並盛850円だ。
 
物価が上がり続けるこのご時世。
私がこの記事を書いている喫茶店ではコーヒーが1杯770円だ。
 
こんな時代に、品質を維持しながらも価格を維持し続けるこの企業努力。
なんと涙ぐましいのだろうか。
 
この店のコンセプトは「毎日食べられる美味しいつけめん」だそうだ。
毎日食べても飽きることがない。
何度でも食べたくなるつけめんを目指している。
このゆるぐことのない信念がラーメンの味にも価格にも反映されているのではないだろうか。
 
そんなことを思いながら久しぶりの東京で魚介とんこつつけめんを完食した。
関東に住む人はもちろん、九州から、北海道から全国津々浦々から関東に来た人にはぜひ、この「黄色い魔法の粉」を使ったつけめんを食べてもらいたい。
鈴のつく有名なあのお店のつけめんだ。
きっと大満足できるに違いない。
 
 
 
 
***
 
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2019-12-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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