体の不調を治してもらいに整体に行ったら、心の不調が治った話
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記事:hikari(ライティング・ゼミ冬休み集中コース)
「中国推拿?何それ?」
それが、近所の整体院のHPをはじめて見た感想だった。
長年の不定愁訴で悩んでいた私は、西洋医学以外の治療法を模索していた。知り合いからの紹介で、近所の整体院を受診することになったのだが、何やら怪しい感じがする。
「ちょっと不思議な整体だけど、私の友達も子宮筋腫が治ったと驚いていたのよ。本当にすごいんだから!ここぞという時は、私もいつもお世話になっているの」
と、強くおすすめされたのだ。
「ちょっと行ってみたい気もするなぁ。値段も安くないし……、本当に大丈夫かな?」
と、半信半疑で向かった。
絶対にダマされないぞ! と意気込み、整体院に足を踏み入れた。
すると、どうだろう。先生のお顔を見た途端に、さっきまであんなに疑っていたのが嘘のように和らいだ。
良い意味で、間の抜けたような表情と空気感を放っている。見た目で判断するのはどうかと思うが、「仏様」のような、ただならぬオーラを感じ、つい拝みたくなった程だ。
そして、問診が始まった。困っている症状や、これまでの病歴を訴えた。
先生は、穏やかな表情で「うんうん」とメモをとられている。
先生の優しさオーラに一気に心が緩んだ私は、普段は直接、言葉にして伝えないことを、口走っていた。
「今まで、様々な治療法を試してきたけれど、どうにも治らないんです。実は東洋医学も整体もこれまでたくさん受けてきました。でも、お金と時間がかかっただけで、治らなかったんです。もう私を治せる方法はないんじゃないかと思っています」と。
すると先生は、嫌な顔ひとつせずに
「あぁ、それは健康な自分を忘れて、不健康な自分が当たり前になっているからですよ」とにっこり。
「?!」
まだよく理解できていない私に、先生は続けて言った。
「人は当たり前と思っている方向に戻っていこうとします。いま現在の体調不良は、今の年齢のあなたの普通の状態ではなく、ただ単に調子が悪くなっているだけで、本来は健康なんです。そっちを当たり前にしていくと、不調は段々と和らいでいきますよ」と。
そう言われてハッとした。先生の言われる事は真実味こそないが、心に刺さった。
確かに、長年の不調から不健康な自分が当たり前になっていたのだ。
「信じられない話かもしれないけれど、メンタル面もとっても大事なんですよ」とにっこり。
そして、マッサージのような施術をしてもらいながら、不思議なカウンセリングは続く。
「では、体調不良をまだ持っておきたい理由があるとすれば、何だと思いますか? 体調不良があることで、好都合なことです」
先生の問いかけに、考えてみる。
「……、しいて言うなら、パート先を辞める理由として好都合かもしれません。ただ辞めますと言うよりも、体調不良という理由があれば、罪悪感も少ないです」
と口にし、自分でも驚いた。そんな事を思っていたなど、考えたこともなかったのだ。
先生は微笑みながらこう言った。
「次からは体調不良を理由として使わず、違う方法で伝えることをやってみるといいですよ。そうすれば、体調不良を持っておく必要がなくなってきますから」
「嫌なことにNOと、言っても良いんですよ。そして、やりたいことにYESと言うことも大事ですよ」
あっという間の1時間だった。
心も軽くなった私は、心なしか体の不調も良くなっている気がした。
先生の不思議なカウンセリングのおかげで、今まで考えてみたこともなかった角度から物事を考えだしている自分がいた。
自分の人生を振り返ってみると、人から頼まれると、どうも「NO」が言えないでいた。
その「NO」が言えない代わりに、体調不良を使って「NO」と言っていたのだ。
帰宅してから、更に考えてみた。
「他に体調不良を使ってNOと言っていたことは何だろう?」
・しんどくて休みたい時でも、頼まれると断れない。
・友達からの誘いに、乗り気でなくても断れない。
・職場で嫌なことがあっても、平気なフリをしてしまう。
・怒っていても、怒っていることをオモテに出さない
・お店で商品をすすめられると、つい買ってしまう
・甘えたいときも、甘えたいと言えない。
・メールの返信も適当に返せない、無視できない
・オシャレをしたいけれど、私なんか……と思ってしまう。
etc
書き出していくと、論点こそズレてきたが、たくさん出てきた。
それのリストを改めて読んでみると、愕然とした。
こんなにも、我慢をして自分を抑えていたのか、と。
そりゃあ、しんどい訳だ。訳の分からない不定愁訴も治らないはずだ。
それからと言うものの、私はメンタル面の勉強をはじめた。
体だけを治そうと必死になっていた過去の私は、もうここにはいない。
まさか、心の方が重度な不調だったとは、思いもしなかった。
心の不調も同時にケアしていくことで、体の不調も不思議と和らいできたのだ。
困っている人がいらっしゃれば、私も自信をもってオススメしようじゃないか、
「ここの整体院、とってもオススメよ」と。
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