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自分を肯定したければ、これをするがよい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:高橋 共子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
このラインはまずい。
越えてしまったら、大変なことになる。
越えてしまったとき何が起きるかを考えると、もう居ても立っても居られない。
いやいや、やっぱりこれ以上は進めない……。
 
4ヶ月前の2020年4月。
ちょうどコロナで暇を持て余しそうだし、以前から気になっていた「天狼院ライティング・ゼミ」に申し込んだ。
 
課題は毎週2,000字の文章提出。
テーマは自由だ。
 
毎日毎日アンテナを張って、感じて、悩んで、模索して、書きまくった。
2,000字の課題を15回、つまり全部で3万字を書ききった。
 
そして私は、「書くこと」に対して一つの確固たる定義を持つに至った。
 
「書くことは、フォレストアドベンチャーである」のだということに。
 
フォレストアドベンチャー。
調べてもらえばわかるが、大きな森の中にある自然型アスレチック施設だ。
 
命綱をつけて地上10メートルほどの高さに渡された樹木間のワイヤーを空中散歩する。
 
私は福岡の糸島にあるこの施設で体験したが、初めはとんでもない恐怖だった。
なにせ地上10メートルの高さ、命綱はあるものの、ワイヤーにぶら下がって思い切り勢いをつけて向こう岸へ飛び込むのである。
 
当然「万が一落ちたら」という恐怖がよぎるし、人生初めての体験だ。
高所恐怖症の私は、鳥肌がたち、足がすくんだ。
 
私にこのラインは、越えられない……。
 
しかし、仲間たちが次々と叫んだり笑いながら向こう岸へダイブしていく。
 
残るは私一人。
 
もう、いくしかない。
 
高所恐怖症で、こういった類のアスレチックはもっとも避けてきた私である。
人生で未だかつて使ったことのない種類の勇気を出した。
私はロープに全体重をかけ、両目をぎゅっとつぶって、思い切り仲間のいる向こう岸へ、思い切り飛び込んでみた。
 
するとどうだろう。
 
初めの0.03秒くらいで頭を真っ黒に埋め尽くした恐怖心が、一瞬でかき消された。
 
「き、気持ちいい……! 私、飛べたんだ。高所恐怖症だったけど。勇気を出して踏み出してみたら、こっちにこられた。みんなのいる場所に。思い切り飛び込んだその先に、こんな気持ちが待ってたなんて……」
 
どうしたら面白い文章で人の心を動かせるのか。
ライティング・ゼミでは、たくさんの考え方やスキルを教わった。
しかし、最終的にもっとも大切だと私が感じたのは、「自分にしか伝えられないこと」つまり著者のオリジナリティをしっかり表現できているか、である。
 
早起きは三文の得。
人には優しくせよ。
夢を持つことが大切だ。
 
例えばこんな感じの、その辺に転がっていそうな誰でも書ける一般論を2,000字で述べても、人は興味を持ってくれない。
 
そうじゃなくて、私にしか書けないメッセージ。
私だから、表現できること。
いったい、なんだろう。
 
これほどまでに自分と向き合って言葉にしたのは、人生で初めてだった。
 
あまり誰にも話したことのなかった家族に対する思い、
仕事を通じて感じていた強烈な劣等感、
普段なら表現することなくやり過ごしていた心のモヤモヤ。
 
どんなことも自分のネタにして、まるで1つのドキュメンタリーを描くように、丁寧に想いを乗せて、言葉を紡いだ。
 
そうして2,000字のライティング課題を毎週提出することを継続した結果、森の中に飛び込んだのと同じように、1つの場所にたどり着いた。
 
私の生き方は、これいいのだと。
私の感じた想いは、ありのままを表現していいのだと。
そしてそれに真摯に向き合って紡いだ言葉には、必ず他者からの真摯なフィードバックがある。
そしてそれが、おまけとして、誰かの心を打つ。
場合によっては、「あなたの文章のおかげで、私もチャレンジしてみようと思う」と、その人の人生に影響を与えることが、往々にしてあるのだと。
 
糸島で体験した、足がすくむ恐怖を乗り越えて飛び込んだ森の中。
恐怖を乗り越えて得られた気持ちよさ。
向こう岸で、仲間が笑顔で待っていてくれた喜び。
 
ライティングを通して、「こんなこと書いてもいいのか」「読んでくれる人はいるのか」「どんな風に思われるだろう」という自分の恐怖を飛び越えて表現したその先にあったものは、フォレストアドベンチャーと同じだった。
 
足がすくむくらいの恐怖、「自分を丸裸にして表現する」の壁を越えて初めた人間だけがたどり着ける、向こう岸なのだ。
 
高所恐怖症人間にとってのフォレストアドベンチャーも、初めてのライティングも。
恐怖を乗り越えて自分を表現するには、大きな勇気がいる。
でも、その先に得られるものの大きさを知った私は、これからどんな高さでも、恐怖でも、チャレンジしていこうと思える。
 
ライティング・ゼミよ、ありがとう。
 
 
 
 
***

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2020-08-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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