MacBook Airがつないでくれたもの
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:藤井郁弥(ライティング・ゼミ特講)
「zoomってアプリはどこにあるんやろか……」1ヶ月ぶりにPCを触っている。
夏のボーナスでオシャレにMacBookデビューをして意気揚々としていた。しかし、実際はネットサーフィンだけでしか使っていなかったため、それ以外のアプリを使ったことがなかったのだ。
そんな状態でほぼ勢いで購入したのだから、本当に考えずに行動していたと思う。
オンラインサロンにて「zoom」というテレビ電話アプリを使うことになり、必死にネットで調べてダウンロードをしていた。彼女との約束した時間は11時だった。「なんとかなるやろ〜」と思いギリギリまで他のことをやっていた。気がつくと15分前。
「まさかこんなにも情報登録があるなんて……」と焦りながら情報を登録したのだった。
なんとか時間に間に合い、zoom越しで「初めまして!」の挨拶をした。
オンラインサロンのことをよくわからないからこそ、気軽に話せる人がいたら心強いと思い、緊張しながらも、約1時間ほど、そのメンバーと話をした。内容は全く覚えていない。差し支えのないものだったと思う。
「真面目でしっかりした人だったな……」と、自分より年上ではないだろうかと思っていたが、年下だった。それが自分の初zoomの思い出だ。
それがきっかけだったのか、当時zoomをするときは、いつも彼女がいた。同じチームであったのも大きい。オンラインでやりとりを重ねていたため、実際に会ったとき「今日が、はじめましてなんやけどね……」とふと言葉が出たのを今でも覚えている。
当時、オンラインサロンのスレッドは、どんどんコンテンツが生まれては流れの繰り返しであり、通知がひっきりなしに飛んでくる。情報が濁流のようだった。
彼女もまたどんどんプロジェクトに参加をしており、プロジェクトリーダーとして前線に立ったり、リーダーを支える秘書のような立ち振る舞いが、鮮やかであった。
「仕事もできてなおかつ立ち振る舞いもかっこいいとは……」
Facebook越しから憧れていたと思う。また、彼女と一緒に行動すれば、自分も仕事のできるようになれるはずだ。という前向きな理由もあったからこそ、そのコミュニティに1年近く居た。
彼女もまたビジネスパートナーを探すことと、『価値の提供』という言葉を口癖のように言っていた。その姿がカッコ良かったのだ。例えるなら、北欧神話に出てくるワルキューレのようだった。
2018年10月27日、九州でイベントをすることになった。
行ったこともない場所であり、イベントの企画をチームメンバーとともにSlackでやりとりをしていた。約2ヶ月ほど毎週のようにzoomをして、「あーでもない、こーでもない……」と0→1のことをする。そして、サロンメンバーだけでなく、一般のお客様も参加するということで、「参加して良かった!」と言ってもらえるイベントにしなければならなかった。
イベント当日までずっと不安があった。いくらオンラインで会議を重ねていてもイベントはオフラインであり、リハーサルもなく、一発勝負なのだ。
どんなに準備を重ねても本番では何が起こるかわからない。Slackのやりとりや自分の言葉に責任を持てなくなり、コメントのやりとりが雑になっていた。自分はイベントリーダーだったことにも関わらずに。「自分はこの運営に必要なのだろうか……」周りがイベント慣れしている人ばかりであり、どんどん自己肯定感がなくなってきた。そんなときであった。
ふと彼女から電話がかかってきたのだ。Slackのやりとりがチグハグだったため、心配して電話をしてくれたのだ。
そういった違和感にも気が付き、ちょっとの時間だったが、抱えていることを吐き出した。
『まだまだできるよ!』と声をかけてくれたのだ。彼女も不安だったはずだ。九州に足を運んだこともなく一緒にイベントを立てて落ち込む姿を誰にも見せず、プロジェクトの見えないところを支えていたのだ。
イベントは大成功だった。彼女の働きかけ、イベントの進捗管理。それがなければ失敗に終わっていたと思う。そのきっかけもあり、オンラインサロンがなくなっても、定期的に近況報告でzoomをしている。
それだけでなく、6月の中旬。
熱量が意気投合して御前崎の日の出を見にいくという弾丸旅行も企画したのだった。当日の2週間前にzoomで話していたときに生まれ、実行に移したのである。
浜松から御前崎に向かう車内の中で、給付金の話になった。
「500円玉貯金と給付金を合わせてMacBook Proを購入するかな、そしたら今使っているMacBook Airを譲るね〜」と、冗談と思われていたかもしれないが、このときから託してみようと考えていた。
型が古くてもMacはそれなりに動く。下取りも考えていたが、現役SEがMacを使ったらお金以上の価値を生み出すのではないかという面白さの方が上回ったのだ。
「価値の提供……」彼女が教えてくれたことは、自分にもいい影響を与えてくれたのだ。
「どうしたら喜んでくれるだろう、価値を感じてくれるだろう……」と意識的に考えるようになったのは、サロンでの出来事がベースにある。
つい先日のこと、Twitterのリプライに「MacBook Airも支給するね!」とあいのてをしてみたときだった。すると、「どんとこいプロジェクト!」頼もしいリプが返ってきて、MacBook Airを譲って正解だったと思っている。
彼女はもっと遠くへ飛べるだろう。
理想を現実に変えるだろう。彼女の行く末が楽しみなのである。
MacBook Airがつないでくれたのは、かけがえのない繋がりだったに違いない。
***
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