メディアグランプリ

目に見えないエネルギーを感じる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:伊藤慎悟(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
 
 
私は、個人で経営コンサルタントを生業にしています。
12年前に開業してから、毎年300件くらいの経営相談を行っているので、単純計算だと3,600件くらいの経営者の相談に乗ったことになります。同じ経営者の方と繰り返し相談することもあるので、低く見積もっても2,500人くらいの経営者の方と直接相談をしたのだろうと思います。
 
そんな私が多くの経営者の方と合って感じていることは、その人が「本当にその事業、仕事をやりたいと思っているかどうか」です。
心からそう思っている人からは、言葉や雰囲気にエネルギーのようなものを感じます。
 
逆にそう思ってない人からは、どんなに口でいいことに言っても、言葉や雰囲気にエネルギーは感じません。
その人が本当にその事業をやりたいと思っているかどうかは、その仕事や行為に興味関心があるようなものではないかと思います。
 
人は本当に嫌なことは長続きしません。その事業の中の業務そのものに、自分の興味関心になることが内在し、そこにいつも関われることに喜びや楽しみがあるのではないかと思います。
 
多くの方は自覚がなかったりしますが、「〇〇さんは、なんでことの仕事を始めたのですか?」「〇〇さんは、なんでこの仕事を続けることが出来たと思いますか?」という質問をすると、少し考えてから「なんとなく〇〇かなあ」と答えてくれます。
 
自分がやっている事業が、自身の興味関心と重なっている方は、仕事に関する向上心も湧き、そこに時間やお金を使っていくことで、更に成長することが出来ます。
 
「本当に好きな人には叶わない」という話をたまに聞くことがありますが、それと同じことだと思います。
 
ただ、その「好きなこと」というのは、「ケーキが好きな人が、ケーキ屋さんになりたい」というようなことではなく、「ケーキを作る過程」や、「ケーキ屋の経営」など、その仕事を細かく分けた時の「作業」や「一場面」など、どこかに興味関心があるようなイメージです。そこが好きな理由はその人にしか分かりませんが、その人の心が満足するような充実感や達成感を感じるのだと思います。
 
私が出会ったある柔道整復師の先生は、子どもの頃から柔道をやっていて、ケガをした時などに接骨院の柔道整復師の先生にお世話になっていたそうです。だから柔道をやめた後、柔道整復師を目指すのは自然な流れだったとのこと。順調に柔道整復師になって、数年間勤めて後に、自分の接骨院を開業して順調にやっています。その先生が私にこんな話してくれたことがありました。
それは、「以前から気づいていたのだけど、僕は施術が好きではないんです。ただ開業して経営者になってから、人を雇って動かすことは面白いと気づきました」と言われていました。
 
またある不動産屋を営む経営者の方は、おじいさまが個人で不動産を所有して貸していたそうです。そんな環境もあり、子どもの頃、おじいさまと近所を散歩していると、「○○、この家、どう思う?」「この家は、こうすると借りたいという人もいて、喜んでもらえると思うんだけどな」といった話をよく聞かされたそうです。
そんな経験をしてきたからか、不動産の売買や仲介が仕事となった今でも、自分が関わることで、土地や家、建物の価値が変わり、喜ばれたりすることが楽しくてたまらないと話してくれました。
 
またある建築会社の後継者も、家業を継ぐために大学の建築科に行かせてもらったけど、僕は設計が好きでなかった。それより修行のために入った大手建築会社でやっていた現場監督の仕事のほうが好きだったと話していました。
 
それぞれに、自分の興味関心があるところに、自分自身を活かすポイントがあると思います。
 
これから創業するという方は、自分がやりたくて事業を起こすので、自分が興味関心持てないようなことを事業にしていけないと思います。もし単に儲かるからとか、人に勧められたから程度で開業してしまうと、なかなか仕事の内容自体に興味関心が持てないですし、自らも「これがどうしてもやりたい」というエネルギーも沸いてきません。経営者自身がどんな気持ちで働いているというかは、従業員やお客様にも伝わってしまうと思います。
 
後継者の方などは、必ずしも自分が始めたわけでないので、やっている仕事が好きでない方もいるでしょうね。親や従業員の期待に応えるため、責任感から継いでいる方も多いことでしょう。そんな方でも、事業そのものというよりは、業務の中でやっていることに注目できると、先程の現場監督が好きな後継者のように、意外と自分の興味関心が持てることがあるかもしれません。
 
私自身も創業者ですが、この仕事が好きというよりは、「もっと上手く出来るようになりたい」といったスキルアップが目的だったので、好きかどうかも分からない状態で経営コンサルタントの仕事をしている時期がありました。
それがある時、「私は人の生い立ちや歴史について話を聞くことが好きだ」ということに気付くことができてか気持ちが楽になりました。
 
そんな私の経験をある印刷会社の後継者で「印刷の仕事が好きなでない」と言っていた方に話していたら、話の途中で彼が「僕も」と呟きました。
それを聞いて「あなたもそうなら、印刷屋さんという仕事は私の仕事とも似ているんじゃないのかな。依頼者の想いや考えをよく聞いて、しっかり受け止め、印刷物として表現してあげるのがあなたの仕事なんじゃないの?」と話したら、彼の表情が大きく変わったことがありました。
 
自分はこの仕事のどこが好きなのか、どこに興味関心を持っているか、そこにより探究心も持って取り組めると、他人との違いが出来て、その人ならではの事業や仕事に成長発展していくように思います。
 
私自身は経営相談を行う際に、そんなことを聞きながら、一人ひとりの違いに興味関心を持ちながら話を聞いています。
そうすると、「この人はそれで、今、こんな仕事をしているのか、こういうものを作っているのか」ということが理解できるようになり、事業や仕事というより、その人自身のストーリーが感じることが出来て、私の心が喜ぶ感覚があります。
おかげで長続きしています。
 
 
 
 
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2020-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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