甘いものが世界を征服する
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:いはみどり(ライティング・ゼミ日曜コース)
特に理由は無いのに、急に不安が押し寄せて眠れなくなる時がある。
どうしてだろう。
もしその原因が、目に見えるものならすぐに解決できたんだと思う。
そんなふうにモヤモヤしながら布団の中に潜っていると、昔母がこんなことを言っていたのを思い出した。
「眠れない時はホットミルクを飲むといいよ」
本当は夜飲む時、「砂糖は入れないほうがいいんだけど今日だけは特別ね」っと言いながら作ってくれたホットミルク。あの時の優しい味はいつまでたっても忘れることができない。
おもむろに布団の中から出てキッチンへと向かう。最近買った大きなマグカップに、コトコトコトっとミルクを注いで、特別な時にしか使わない三温糖を小さじいっぱい。レンジで2分。
ピー、ピー、ピー。
レンジから熱々のカップを取り出すと、モクモクと立ち上がる湯気、そして甘い香りが私のもとに届いた。
あちち!
ふうふうしながらミルクを口の中に流し込む。
喉元からどんどん体内をつたって行き、体を芯まで温めてくれた。
「あ~……」自然と声が漏れた。ミルクの温かさとほんのりした甘さ。不思議なことに、さっきまで感じていた原因不明のもやもやは、すでにどこかへ行ってしまったようだ。 私はホットミルクの魔法にかかった。
そういえば以前働いていた会社で「甘い香りは心を和ませるから、商談の時にお菓子を持っていったほうがいい」と、聞いたことがある。
この言葉は科学的な実験でも証明されていた。オクラホマ大学のロバート教授は、ショッピングモールで人の親切さを図る心理実験を行った。すれ違いざまにペンを落としたり、両替を頼んだりしてどれほどの人が親切な対応してくれるか確かめたものだ。結果、協力者は全体の2割ほどにとどまったが、お菓子を売る店舗の前で実験を行った時だけ、協力者の数が激増した。なんと5割もの人が協力を申し出てくれたそうだ。
この結果から、ロバート教授は「甘い香りは人の心を優しくする」と結論づけた。
これは、自分が眠れない時だけではなく、人間関係のコミュニケーションでも使えるかもしれない。
例えば、家族と喧嘩をする時。
基本的に喧嘩と言うものはお互い頭に血が上り、白熱した戦いを繰り広げていることが多い。しかし、目の前にプリンがあったらどうだろう。
食べると幸せになるということで有名なプリン。
だからこそ、冷蔵庫の中のプリンを誰が食べたかと言うことで言い争いになる描写は、よくドラマやアニメのシーンで採用される。そんな幸せの象徴、プリンを2人で食べながら喧嘩をするシーンを想像することができない。
ここであることを思いつく。
「喧嘩をするときは、プリンを食べながら喧嘩をしよう。」
そうすることで優しく、相手を思いやりながら話し合いをすることができる。これを、事前の約束として決めておけば、喧嘩がヒートアップする光景は想像出来ない。なんていい考えなんだろう。我ながら名案だ。
空気が悪くなった瞬間に「ちょっと待って!」っと言いながらコンビニに走る姿は少し面白い。
そんなことを、ホットミルクをずずっとすすりながら考えていた。
しかし、ホットミルクの凄さは甘さだけではないと思う。ホットミルクの“ホット”の部分だ。
少し考えてみてほしい。長い休みがあると、「南国のリゾートに行きたい」「温泉に行きたい」そんなことをよく口にすると思う。また、疲れを取りたい時も「スパや岩盤浴に行きたい」と思うことも多い。
これらの共通点は「温かい」ということだ。
人は暖かいものに触れると、疲労感から解放されるだけではなく、精神的に癒されたり落ち着いたりすることができる。南国に住む人はなんだか陽気でハッピーなイメージだ。暖かさは体を健康にするだけではなく心も元気にしてくれる。近年、健康ブームなどから注目されている「温活」はメンタルケアの面から見ても効果的だと思う。
もちろん、一概に冷たいものが悪いと言うわけではない。
体温かくなるとリラックスして眠くなってしまう。
しかし、これが仕事中に起こってしまったら大変だ。そんなときには冷たいものを飲んだり食べたりすると気持ちがしゃきっとして目が冴える。「ここぞ!」っと言うときには冷たいものも、うまく活用するのが大切だ。よく仕事中の睡魔に耐えられなくなった時、氷をガリガリ食べていたが、とても効果的だった。
もし、あなたがモヤモヤした気持ちになった時は、ぜひこの話を思い出してほしい。
いつも頑張ってるから、たまにはほっとする時間を作ってあげてほしいな。
そんなことを考えながら、すっと目を閉じ幸せな夢の中へと旅立つ。
***
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