腰痛からおさらば!
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:伊藤 彰浩 (ライティング・ゼミ 超通信コース)
腰痛。
それは、便利さがもたらした弊害ともいえる。
アメリカでは多くの専門家が「座ることは新しい喫煙である」と主張している。
アメリカらしいオーバーな表現だが、間違ってはいない。
私自身も新型コロナの問題が世界中を騒がせた昨年から、家で過ごす時間が大幅に増えた。
在宅での時間が長くなれば、自ずと椅子に座っている時間も長くなる。
この記事を作成しているまさに今、椅子に座っている。
記事作成に没頭すればするほど、トータルでの座り時間は長くなる。
腰痛持ちにとっては実に悩ましい……。
座って働くオフィスワーカーは、活動的な職業に比べて腰痛・肩こりの発生率が多いことが分かっている。ある研究者は「座ることは、仕事で重たい物を持ち上げるのと同じ職業リスクである」と強く主張している。
机と椅子の組み合わせが標準的な現代の文化になり、食事も座って、仕事も座って、家でテレビを見るのも座って、など一日に換算すると一体何時間座っているのだろうか?
「座ることは新しい喫煙である」
と冒頭に述べたが、ここまで記事を読んでいただいて、私たち現代人はいかに「座る習慣」が多いのか、あらためて感じるのではないだろうか。
「腰痛からおさらば!」するために、最もコストパフォーマンスが良いのは「不必要な座る習慣を減らすこと」だ。
お金もかけず、腰痛予防のストレッチや体幹トレーニングなどの家トレも行わず、ライフスタイルを劇的に変えることなく、今日からすぐにできる腰痛改善方法が、何時間も座り続ける生活習慣からの脱却だ。
私は一般企業の方々に対して、腰痛予防の講演をさせていただくこともあるが、可能なら、スタンディングデスクへの切り替えを提案している。
座って仕事をするのではなく、立ちながら仕事をする。
最初は抵抗があるかもしれないが、意外とすぐに慣れるものだ。
ある企業では、実際にスタンディングデスクの導入を開始した結果、従業員の腰痛は激減した。
これは笑い話だが、腰痛は激減したが、ずっと立ちっぱなしのため終業時間になると「足がむくむ」という別の悩みが出てきた……。
最近の研究では、スタンディングデスクの継続利用が子どもの実行機能と記憶力を優位に向上させるということも報告されている。
職場で立つことが難しい場合は「可能な限り多く動くこと」から取り入れてみることをオススメしたい。
30分座ったら、2~3分は立って背伸びをしたり、歩くということから始めてみるのも良い。
デスクワークの時間が長く続くと、身体はどんどんなまっていっていく。
身体のなまりの典型的なサインとして、体の可動域が狭くなって筋肉や関節が硬くなる「硬化」が起きてしまう。
ずっと座っていると「うーん」と背伸びをしたくなるのも体の「硬化」が起きているサイン。
猫が体を「伸びー!」とする姿。
あれはまさに、凝り固まった筋肉を動かしている動作である。
長時間同じ姿勢でデスクワークをしていると、だんだんと背中や腰が丸くなり「猫背姿勢」になってしまう。
そうすると、体の前側にある胸やおなかの筋肉が縮んだ状態になってしまう。
筋肉が縮んで、動きに偏りが生じてしまうと、一部分の筋肉しか使われなくなり、それが部分疲労となって血流が悪くなっていく。
長時間座って腰が痛くなるのは、筋肉の血流不足から起きている。
慢性腰痛の方は、腰を温めると一時的に症状が楽になることが多い。
これは、筋肉を温めることで血流が改善されるからである。
長時間座り続けるのではなく、体を軽く動かしたり、縮んだ筋肉や凝り固まった関節を動かしたほうが血流の流れも良くなり、体のこわばりや歪みもリセットでき、そのことが腰痛予防にもつながる。
立っている時間は座っている時間よりカロリー消費も多く、1日を通しての運動量も増えるため、ダイエットを望む方であれば、日常生活の中で意識的に座る時間を減らすことから始めると良い。
立っていれば、左右に移動したり、体を軽く動かすこともできるため、1日のトータルでの運動量も上げていくことができる。
通勤電車の中ではどうだろう?
そう! 迷わず「立つ」という選択をしよう。
電車の座席は柔らかくできている。
最近では、鉄道事業者がより快適に車内で過ごしてもらうために「より座り心地の良い椅子へ」という文言を付けてアピールしている。
本当に便利な世の中になった。
便利さがもたらした弊害が「腰痛」だとするなら、腰痛撲滅のキーポイントは「不便さ」をつくり出すことなのかもしれない。
よし! 記事を書き終えたので立とう。
***
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