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私にとっての甘~いパワースポット


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記事:安部美紗(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
 
ケーキ屋さんは、確実に私の中でのパワースポットである。
なぜか?
単に、甘いものが好きだから、ということではない。(それもあるけど)
 
あのフルーツがたっぷりのった色とりどりのケーキを眺めるだけでも
幸せな気分になれるし、それ以上に、予約注文されたホールケーキが
飾られているのを見るのが大好きなのだ。
 
私がよく行くケーキ屋さんには、オーダーされたホールケーキたちが
専用のショーウインドウにぎっしりと並べられ、
オーダー主が受け取りに来るのを今か今かと待ちわびているようである。
 
ケーキに乗った、チョコペンで書かれたメッセージプレートを見ていると、
そのケーキの先のそれぞれの幸せそうな様子が垣間見えるのである。
 
例えばこのように。
 
真っ赤なイチゴがのったホールケーキのメッセージプレートには、
“○○ちゃん、5才お誕生日おめでとう”
これは一番オーソドックスなタイプ。
子供の成長を祝い、今夜はお家で誕生日パーティーなのだろう。
 
最近は、バースデーケーキも斬新だ。
隣のケーキは、お誕生日の子供が大好きだと思われるアニメキャラクターが
ドーンと描かれている。
あら、そのお隣も。
やっぱり子供たちに大人気の彌豆子ちゃん。
そのショーウインドウには竹を咥えた彌豆子ちゃんが3ホール。
最近のちびっこたちの好みの動向がリサーチできる。
そして、このケーキを見た子供たちの大喜びする顔が簡単に想像できる。
 
喜寿のお祝いと思しきケーキには77というカラフルなナンバーキャンドルが、ど真ん中に鎮座している。
うん。わかりやすい。
77本も普通のローソクをたてられたら、ケーキはまるで剣山だ。
きっと、今夜はこのケーキを囲んで、家族みんなでお祝いするのだろう。
実に楽しそうな雰囲気が伝わってくる。
 
“○○さん、長い間お疲れさまでした”
ふむふむ。きっとこれは、定年退職か何かのお祝いかしら?
こんな風に、お祝いして送り出してくれるなんて、
きっといい関係を築いていたのでしょうね。
 
“結婚32周年、おめでとう”
10周年、20周年、といったキリのいい数字でないところがミソである。
30周年でもない、35周年でもない32周年にお祝いをするということは、
きっとこのご夫婦は毎年のように結婚記念日をお祝いしていることが伝わってくる。
いいな。こんなご夫婦。
会ったこともなければ見たこともない、見ず知らずのご夫婦だけど、仲睦まじい姿がこのケーキの先にありありと見える。これからも、お幸せに。
 
手のひらサイズのちょっと小ぶりなホールのいちごタルト。
2人ぐらいで食べるのかしら?
チョコレートのメッセージボードには “いつもありがとう” の文字。
むむむ、これはどんなシチュエーションなのだろう?
素直に読み取れば、普段の感謝を表したちょっとしたお礼、といったところだろうか。
こんな、素敵なさりげない気配りができる人は素敵だ。
でも、素直じゃない私はこうも想像してみる。
何か、喧嘩でもしたのかしら、パートナーのご機嫌でも損ねてしまったのだろうか?
ご機嫌を取るために準備された、いちごたっぷりの可愛らしいケーキなのかしら?
勝手に心配して「頑張って! きっと仲直りできるよ」と応援する気持ちを勝手にケーキに乗せる。
本当に大きなお世話である(笑)
 
こうやって、ケーキを眺めてはその先にある笑顔を想像して勝手に楽しくなっている私。
いつまでもケーキ屋さんでニマニマしながら楽しんでいる姿は完全に、怪しい人である。
 
ケーキを買って帰るという行動は、大切な誰かをお祝いしたり、ねぎらったり、よりいい関係を築きたいと思ったり、時にはその関係を修復したいという思いからくるものなのではないだろうか。
 
そんな、相手のことを思う優しい空気が漂うからきっとケーキ屋さんにはいい気が流れ、ものすごいパワースポットなのだと思う。
その場にいるだけで、何だか幸せをお裾分けしてもらった気分になれる。
 
一人暮らしが長くなると、こんなホールケーキを買って帰ることも、ホールケーキを囲んで切り分ける機会もほとんどなくなった。
それでも、甘くカラフルなケーキには、私たちを幸せにする要素が詰まっている。
ちょっと元気がない時、仕事で嫌なことがあった時、ショーウインドウに並んだ様々なケーキを眺めながら幸せな気分を味わったら、自分のために1ピースのとっておきのケーキを買って帰るのもいいだろう。
 
ケーキ屋さんは私にとってのパワースポット。
辛いことがあっても、大丈夫。ケーキを買って帰って、また明日からも頑張ろう。
 
 
 
 
***
 
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2021-05-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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