ケンソンというエネルギー泥棒
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記事:スミ咖(ライティング・ゼミ日曜コース)
「ほんといつも、お仕事頑張ってみえてすごいですよね!」「いえいえ。そんなことないです。私なんかより、すごい人いっぱいいますから」こんな会話をよく耳にすることは多い。日本人は、ほめられたことを素直に受け取ることが、少ないのではないだろうか。ほめられたら、「いえいえ、それほどでも」
と相手より下にさがる。これ謙遜だ。日本では、”自分ってこんなにがんばってて、すごいでしょ!!” とおおっぴらに言わないことが、美徳とされている。だからほめられることに慣れていないし、自動的に否定してしまうというか、素直に受け取れないことが多い。ほめられるとなんだか、くすぐったい感じがする。そしてそのまま受け取るのは、自意識過剰みたいな気持ちになるのかもしれない。
ほめられることは苦手でも、ほめることは多い。その時、きもちがヘトヘトになることがあった。いい加減素直になってよ! と。謙遜する人が、人からエネルギーを奪う”エネルギー泥棒”になっているのかもしれない。
半年ほど会ってないかった友達に会った。待ち合わせ場所にいた時、彼女の雰囲気が変わったことに気付いた。彼女はスラリ、スッキリとしていた。
「すごく痩せたよね!」と話すと、彼女は
「そんなことないよ~」と答える。いや……見るからに痩せたでしょ! と思い
「えっ!? ほんと痩せたよ! ダイエットしたの?」と聞く。
「全然そんなことないんだけど、3キロは痩せたかな。別にすごくないんだけどね」
3キロはすごいでしょ! ともう一度話す。
「ほんとすごいよ! 私全然痩せられないもん」また彼女が
「全然そんなことないよ!」と答えた。
ここで彼女が痩せたことに関する話は終了した。いや、私がそれ以上言うことなく、終了させた。もうこれ以上彼女の言葉に上乗せする元気がなくなった。
私は彼女が本当に痩せたと思ったし、その努力がすごいと思った。心から思った。だから褒めたし、どうしたらそんなにキレイになれるのか聞いた。この会話で彼女からどのようにすれば痩せられるのかを聞くことは出来なかった。そして私が素直に感じた彼女へのすごい! という言葉は受け取ってもらえなかった。受け取られなかったさみしさ以上に、私にはとんでもない疲労感が残った。
疲労感をもたらしたものの正体は、エネルギー泥棒というやつだ。人からのエネルギーを取るというのは、人を疲れさせるさせること。自分はダメ、できてないなど自分を下げる。その時、周りの人から、「そんなことないよ」という励まし、やさしい言葉をかけてもらう。自分だけに注目を向けようとする。そして、そのやさしさを受け取ろうとせず、もっと励まして欲しい。もっと自分のことを見て欲しい。どんどん、どんどん相手にやさしさを欲しがろうとする。そうして相手を疲れさせていく。エネルギー泥棒は、人からの注目を集めて、人に見てもらい、言葉をかけてもらうことで、自分を元気にする。
ほめる側としては、エネルギーを取られていくという疲労感を感じる。ほめたことを否定される。だから次のほめる言葉を探す。そしてまた否定される。こんなやりとりは疲れてしまう。1番スッキリまとまるのは「すごいね!」の言葉に「ありがとう!」と受け取ってもらえる、シンプルなやりとり。素直に受け取ってもらえれば、きもちよく終われる。
私と、友達とのやりとりでいうなら、ほめられたことを受け取らず、「そんなことない。私は全然すごくない」と自分を落とす。すると相手から「そんなことないよ! あなたはすごいよ!」と声を掛けられ、自分だけを見てもらっているというエネルギーをもらうことが出来るのだ。
ケンソンはテングにならないように。しっとりとした人間でいることを、よしとする日本ならではの習慣なんだと思う。だけど、ケンソンはほめてくれる言葉を否定することにもなる。それはやさしさを、ポイっと捨てることにもなるような気がする。自意識過剰になるかも……という恐れよりも、自分に関心を向けてくれ、ほめてくれたという相手の気持ちを受け取るということの方が、ステキな気がする。
自分にむけてもらった、やさしさを、ありがとうの気持ちで受け取る。そうすればほめられた自分を認めることにもなるし、ほめた人の気持ちも受け取ることができる。
いやいやそんな……と自分を下げることは相手の気持ちを捨てることにもなる。そしてさらに相手にほめられる言葉をちょうだい! というヤツ。エネルギー泥棒になってしまう。
ケンソンというエネルギー泥棒がひょっこり現れていませんか? 自分を乗っ取られて、自分自身がエネルギー泥棒になっていませんか?
ほめられたことを、素直に受け取って、お互いいいきもちになってみよう!
***
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