メディアグランプリ

ノートを使って自分の苦手を探ってみた話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事: 星永俊太郎(超通信講座)
 
 
会社で参加必須のオンライン研修の案内があり、開催の何日も前から憂鬱だった。
 
なぜならグループワークがあるからだ。
 
コロナの影響により集合研修ができなくなり、オンライン研修が始まった直後は、ただただ講師の話すことを聞く座学での研修が多かったように思うが、少し経つと研修も進化し、グループワークが可能となってしまった。
 
集合研修の時代から苦手だったが、オンラインになっても変わらない。
 
これまでにも何回かあったが、様々な部署から一度もあったことのないメンバーばかり集まり、研修中に何回かグループワークが実施される。そのたびに、ドキドキしながら、話す順番が回って来るのをまっている。「ああ、次わたしの番だ」と。
 
人見知りで、緊張する性質の私は、知らない人が集まる場でうまくしゃべれる自信がなく、大人しく、息をひそめているのが私の人生での定番だった。
 
 
 
研修当日。相変わらず憂鬱な気分ではあった。
 
しかし、事前準備をしておけば多少はましな気分になるかもしれない、と事前配布資料に目を通し、自分の意見をメモしておく。
 
今回の研修では事前に司会進行役・発表役は決められており、最初は私が司会進行役だった。どういう順番で発表してもらい、何分話してもらい、何分をまとめに使うかも考えておいた。
 
少しは気が楽になったものの、まだモヤモヤしている。
そうだ、何がそんなに嫌なのか深堀りしてみよう。
 
最近、自分の考えが浅いような気がして、もっと考えを深めるためにはどうしたらいいのか? 悩んだ結果、「質問」「問い」についての本を読んでみた。問うこと、質問することが考えを深めるのに必要なことかもしれない。
 
・『問いこそが答えだ 正しく問う力が仕事と人生の視界を開く』ハル・グレガーセン 光文社
・『Q思考 シンプルな問いで本質をつかむ思考法』ウォーレン・バーガー著 ダイヤモンド社
・『質問は人生を変える 「本音」と「本気」を引き出す力』マツダミヒロ きずな出版
 
さっそくノートを開いて、今の気持ちを素直に書き留める。
 
「研修が憂鬱だ」
 
自分自身に質問してみる。
 
「研修がなんで嫌なの?」
「グループワークが嫌」
 
まあ、想定通りだよね。
 
「グループワークがなんで嫌なの?」
「知らない人と討論っていうか話し合いをするのが嫌」
 
そうだよね。知らない人としゃべるの気づまりだよね。でもここで終わったら何の深堀にもなってないので、さらに問いかける。
 
「なんで知らない人と討論するのが嫌なの?」
「こいつバカだなーとか、こいつダメなやつだなーと思われたら嫌だから」
 
えっ?
 
「バカだなーとか、ダメなやつだなーって思われたらなんで嫌なの?」
「恥ずかしい……」
「なんで?」
「ちゃんとしてないといけない、できる人じゃないといけないって思ってるから……」
 
なんと、そんなこと考えてたんだ……知らなかった。
 
最初は人見知りで知らない人と話すがの恥ずかしいし気づまりだから嫌なんだ、くらいしか考えてなかったから「討論で一緒になる人なんか、どうせもう二度と会わないし、お互いに研修が終わったらどんな人だったかも思い出せないんだから気にせず話したらいいよ」って励ますつもりだった。
 
全然違ってた。そんなこと考えてたんだ。
 
でも、「ダメな奴じゃだめだ、ちゃんとしてないとダメだ」って考えてる限り、世の中にはすごい人、頭のいい人なんて山のようにいるんだから、私は常に息をひそめて発言もせず生きていかないといけない。
 
自分の知らない世界は、圧倒的に存在するし、むしろ自分が知ってる世界のが微々たるものだ。
 
それなのに「自分には知らない世界があって、こんな狭い世界しか知らない自分の考えなんて浅はかで恥ずかしい」なんて考えたら、何も考えられないし、何も話せなくなってしまう。
 
むしろ「自分の知ってる世界はここだけだ。この中で考えられることは何だ? それをしっかり考えろ。そして、世界を少しでも広げるために日々努力をしよう」って自分の世界が狭いのを認めたうえで、考え、広げるって方が健全なんじゃないかな。それが「今の自分」できる精一杯のことなんじゃないかな。
 
そして世界を広げるために、人と出会う、議論する、本を読む、映画を見る、自然に触れる、旅行に行く、なんでもいいから新しい世界に触れることで自分の知ってる世界を広げていけばいい。
 
今の自分にできることは、自分のできる範囲で考えたことを話すことなんだから、恥ずかしがらずに話せばいいんだ。逆に言えばそれしかできないんだから。
 
 
 
 
そして研修が始まり、グループワークの時間が来た。司会進行役は事前に決められており、最初は私が司会進行役だ。
 
「では私が進行役です。グループワークは〇分ですので、一人当たり〇分づつで発言お願いします。それで残りの時間はまとめをみんなでしましょうか」
 
事前準備と、自分の恐れと向き合ったことで、落ち着いてスムーズに進行することができた。グループみんなで意見を出し合い、まとめの時間も活発に意見交換ができ、笑いもおこり、無事に司会進行役でのグループワークを終えることができた。
 
ふー終わった。気づくと脇汗がすごいことになっていた! 緊張したんだろうな。
 
緊張はしてもいいから、事前準備を含め、自分のいまできる精一杯のことをしたならば、なにも恥ずかしがることはないってわかった研修であった。
 
それに、参加者の方々、みんなだいたい同じようなレベルの発言をされていたので、そんなに過度に心配する必要はなかったんだな、というのも一つの気づきだった。
 
 
 
 
苦手なことがある場合、自分は何を苦手に思ってるのか? 表面上の理由と心の奥底での理由は違うかもしれない。本当の理由を知らないまま、励ましたり、対策をとってもなんの解決にもならない。
 
みなさんも、できれば静かな場所で時間を取って、ノートを開いて、「なんで苦手なの?」ってやさしく問いかけてあげてください。意外な思いに気が付けるかもしれませんから。
 
 
 
 
***

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2021-07-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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