メディアグランプリ

親父ギャグは夏の夕暮れの散歩のようなものである


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ザキタロー(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「焼酎はしょっちゅう飲むよ」
具志堅用高が言った言葉ではない。
今年の春頃、SNSで暇潰しをしていると、「親父ギャグ」のグループの投稿が目についた。友達がグループに参加しているようだ。
投稿を眺めていると、冒頭の言葉である。予期せぬところに、突然飛び込んできたので意外と笑えた。グループの参加申請をしてみた。グループ申請なるものは初めてだったので、少し緊張したが。
 
会員数は、なんと15000人規模のグループである。
日本武道館でコンサートを行うときの最大収容人数と同じくらいの「親父ギャグ」ファンである。
 
最近、聞かなくなったと思ったら、「親父ギャグ」は地下活動を続けていたのである。
 
ここはSNSの世界。グループの運営ルールはあるものの、空気をわかり合ったもの同士の世界である。みんな自由闊達に「親父ギャグ」をかっ飛ばしている。
低俗なもの、下ネタなど、たまに運営者サイドが注意を促すこともあるような状態である。
とはいえ、誹謗中傷があるわけではなく、純粋に楽しんでいる世界がここにある。
 
だが、巷で「親父ギャグ」を聞く機会、言う機会が減ってきた。私も50代だが、若い頃散々、上司の親父ギャグを聞かされてきた口である。私自身は、シャイなのであまり言わなかったが、たまには発する程度であった。嫌いではない。好きかもしれない。
 
確かに、社会の取り巻く環境は大きく変わってきた。
 
働き方改革、飲みニケーションの減少、男女雇用機会均等法施行、そして、コンプライアンスやハラスメントへの対応。
今の若い人には、当たり前だが、平成の初めには存在していないことばかり。
だんだん、社会全体がモラルのある場所へと変化していったのである。
 
洒落や駄洒落はコミュニケーションには欠かせないものだと思う。
だが、駄洒落など、面白くなければスルーすればいいのだが、「親父ギャグ」になるとそうわいかない。地位、役割のある人が、放つため、強制的に聞かざるを得ない、反応を返さないといけないという副産物が伴う。
 
最近のオヤジも、さすがにハラスメントは理解している。
仕事でミスって「アイムソーリー、安倍ソーリー」などと言って、部下を鬱に追い込むわけにはいかない。
人事部、家族、ましてや労働基準監督署から事情聴取となり、「いや、実は、親父ギャグがすべりまして」なんて言えるわけがない。たった一言の過ちで家族を路頭に迷わせられない世代なのである。
 
時代とともに衰退の一途をたどっている理由もわかると言えばわかる。
 
だが、炎上を覚悟して発言する。「親父ギャグ」は面白い。もっと、みんな活用しても良いのではと思う。
 
密かに良い兆候も感じている。
 
テレビの世界で「親父ギャグ」を目にする機会があった。
ドラマ「99.9%」。大好きなドラマである。
嵐の松本潤が、鮮やかに「親父ギャグ」をかっ飛ばしている。
ドラマとはいえ、「親父ギャグ」を演出に利用し、松潤に言わせているのである。
 
居酒屋で飯を食べる前に必ず「いただきマングース」「いただきマツコデラックス」等
言いながら、ドヤ顔で飯を食べるシーンがある。
ドラマとはいえ、ネットではかなり好評価を得ている。
でも、松潤だから評価を得ているのかもしれないが。
 
木村拓哉も意外と「親父ギャグ」を放っている。
オフにゴルフ練習場に行き、SNSにつぶやいていた。
「ふっちゃえ、OSAN」。某自動車会社のCMをもじった「親父ギャグ」。
「OSSAN」ではと、ツッコミが入るほどである。
 
スポーツの世界では、女子サッカー日本代表の元監督、佐々木則夫氏も好きらしい。
正月のインタビューで「金が新年(謹賀新年)ですから」。
澤選手も「いつものことですから」と失笑。
だが、女子サッカーを世界一に導いた手腕。これは「親父ギャグ」によるコミュニケーションの賜物ではないだろうか。
 
人気ドラマの演出、トップレベルのアイドル、世界最高峰のチーム。
みんな「親父ギャグ」を、こよなく愛し、活用しているではないか。
 
「親父ギャグ」にも明るい兆しがあるのである。
 
ライティングの作成に行き詰まり、夕方に散歩に出掛けた時にふと思った。
そうだ、「親父ギャグ」は、夏の夕暮れの散歩のようなものだ。
 
9月とはいえ、まだ、日中は暑い。当然、散歩は夕方に限る。
すると、どこから湧いてきたのか、さまざまな人が、ぶらぶら歩き始める。
川沿いなどに行くと、こんなに散歩愛好家がいるのかとびっくりするほどだ。
 
コロナ禍でもあり、家に閉じこもっていたので、涼しい時間帯の散歩は実に気持ちがいい。
みんな同じなのであろう、歩く姿が生き生きとしている。
すれ違う時も、お互い譲りあったり、会釈したり。マナーもとても良いので、更に気持ち良くなる。
 
「親父ギャグ」も似たようなものかもしれない。
 
「親父ギャグ」は、灼熱の暑さに襲われ行き場を失ったが、地下に閉じこもりSNS上で磨きをかけている。
そして、暑さが和らいだ時代に、「親父ギャグ」が地下から表に顔を出してくるのだろう。
しかも、お互い譲りあったり、会釈したりするように、聞き手を確り気遣いながら。
 
そして、「コミュニケーションを成立させるのは聞き手である。聞くものがいなければコミュニケーションは成立しない」
このドラッカーさんの言葉を噛み締めながら。
 
思いやりのある「親父ギャグ」。
これならば、世間も受け入れてくれるであろう。
世の中の2000万人は、オヤジなのである。この2000万人のオヤジが、元気を出して、明るく「親父ギャグ」を飛ばせば、若者は希望に溢れ、世の中は、もっと元気になるはずだ。
 
昭和ノスタルジーが若者にも受けていると聞く。
ぜひ、「親父ギャグ」をどんどん使って欲しい。
 
最後に空気を読まず、このコロナ禍での「親父ギャグ」を欲張って3つほど。
 
菅総理の優柔不断な一言
「オリンピックを観戦して感染が増えたのかな」
 
コロナがまん延しないための注意喚起。
「宴会に行って、ええんかい」
 
10代の若者から
「早期の予防注射をようぼうする」
 
お〜さむい、さむい。
 
 
 
 
***
 
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2021-09-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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