仮想空間を楽しめれば、家族のつながりはきっと強くなる
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:アキ・ミヤジ(ライティング・ゼミ日曜コース)
「今晩は、夫と息子とゲームをする約束なの」
病棟の廊下から、女性の声が聞こえてきた。
姿が見えずとも、彼女が笑顔でいることが容易に想像できる。
そんな弾むような声だった。
声を耳にしたのは、新型コロナウイルス感染者が増えていた「第4波」の最中、手術後のリハビリのため入院していたときのことだ。
院内感染をふせぐため、病院は面会を中止していた。
家族とも面会はできなかった。
患者を守るためとはいえ、病院としては心苦しい決断であったことだろう。
面会できないのだから家族と対面では会えないはずだ。
どうやって家族とゲームを楽しむつもりなのだろう?
聞き耳を立てていると、どうやら任天堂Switchの人気ゲーム『あつまれどうぶつの森』をプレィするようだった。
『あつまれどうぶつの森』には、インターネットを経由して複数人のプレイヤーと遊べる機能が備わっている。
さらに、スマートフォンのアプリを併用して、文字や音声でのコミュニケーションもできる。
直接顔を合わせなくても、ゲームの世界で互いに言葉を交わし、ゲームをリアルタイムで一緒に楽しむことができる。
だから、面会できず、離ればなれな状況でも、家族と楽しくコミュニケーションをとることができるのだ。
この女性の嬉しそうな声を耳にして、私はふと感じたことがあった。
家族をつないでいるのは「楽しい時間のシェア」ではないだろうか、と。
家族での旅行や外食、記念日の思い出。
毎朝毎晩の食卓、休日のスポーツ、ペットの飼育。
特別なできごとから日常的なことまで、さまざまな楽しい時間を家族とシェアしてきた。
シェアしてきた楽しい時間の塊が、家族なのではないだろうか。
そう考えると、共に過ごす時間が家族にとって大事だと感じるのも理解ができる。
これまで家族でシェアしてきたことは、一緒に居なければシェアできないことばかりだからだ。
一緒に居なくても、楽しさをシェアできることはある。
今日一日のできごとや、読んだ本、観た映画といった楽しかったこと。
そんな話題を、スマートフォンの文字メッセージや音声通話、ビデオ通話を使って話し、楽しさを伝えることはできる。
けれども、「楽しかった」という過去のことしか話にはできない。
「楽しい!」と感じた時間をリアルタイムではシェアできない。
想像力を働かせて時間のギャップを埋めようとすることはできるかもしれない。
けれども大概は、同じ時間を共に過ごしたほうがわかりやすいものだ。
だから、楽しい時間をシェアするには、どうしても同じ場所で同じ時間を過ごさなければならなかった。
ところが、インターネット通信をもちいてゲームの世界に集まり、同時にゲームをプレィできるようになったことで、たとえ離ればなれでも、楽しい時間を家族でシェアできるようになった。
このことを、「あつまれどうぶつの森」を楽しみにしていた入院患者の姿が教えてくれた。
ゲームの世界は「仮想空間」だ。
そんな仮の世界、空間で人と人とがコミュニケーションをとることに何のメリットがあるのか、これまで私はまったくイメージできていなかった。
ところが、入院とコロナで病院に隔離されてしまい、家族と面会できなくなったことで、仮想空間でのコミュニケーションのメリットを強く感じることができた。
通信でのゲームという遊びは、仮想空間での遠隔コミュニケーションの一例に過ぎないだろう。
今後、ゲーム以外の仮想空間を介した遠隔コミュニケーションツールはどんどん進化して、人と人とが楽しい時間をシェアできるコンテンツがどんどん増えていくのではないかと思う。
事実、FacebookがMeta(メタ)と社名変更までして仮想空間に関するビジネスに注力することをアピールしている。
今後かなりの成長が期待されている分野であるに違いない。
仮想空間が普及することによって、家族でシェアできる楽しい時間の選択肢が増えると思うと、楽しみでならない。
もちろん、たとえ仮想空間が普及したとしても、現実世界で楽しい時間をシェアすることが家族にとって大事なことには変わりない。
けれども、家族と楽しい時間をシェアするために、仮想空間での遠隔コミュニケーションを選択肢として加えておくことで、不意に家族が離ればなれになる状況になっても、家族はしっかりつながっていられる。
離ればなれではなくとも、家族独自の楽しみが発見でき、これまで以上に家族とのつながりを強くすることも、できるかもしれない。
新型コロナウイルスの感染者数が減り、会社への出勤時間が増え、家族と一緒にいられる時間がまた少なくなってきた人も少なくはないだろう。
ここはひとつ、家族で楽しい時間をシェアする手段の一つとして「仮想空間」の活用を考えてみてはどうだろうか。
***
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