オリンピックを観戦しに行って改めて思ったこと。
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記事:ココヒロ(ライティング・ゼミ日曜コース)
「頑張れ!頑張れ!」私は、思わず立ち上がってそう叫んでしまった。ここは、静岡にある、2020東京オリンピックの自転車競技の会場である。オリンピック競技のチケットを運よく手に入れることができたものの、コロナ禍の中で見に行くのをどうしよかと最後まで迷ったのだが、貴重な体験でもあるし、この機会を逃したら、もう二度と自国開催のオリンピックを観戦するチャンスはないので、結局、静岡まで足を運ぶことにしたのだった。
私が観戦した日は、日本人選手も出場はしていたのだが、メダル候補の選手ではなかったので惜しくも予選で敗退してしまった。それでも、敗者復活戦などで勝ち上がる時に先にゴールを決めた瞬間には、会場全体からとても大きな声援が送られていた。
やはりオリンピックには、熱いものがある。もしこれが決勝戦だったら、そこで日本人選手が金メダルを獲得していたなら、会場の天井が吹き飛びそうになるくらい、応援のボルテージは最高潮のものになっていただろうなと、そんなことを想像してしまった。
オリンピックの主役は何と言ってもやっぱり選手である。それは間違いない。このオリンピックに出場するために、世界中の選手が一生懸命に努力してきたからこその、この舞台である。私が観戦した自転車競技はプロの選手も参加しているので、オリンピックだけを考えて競技をしていることはないのかもしれないが、それでも、4年に一度のこの大会に賭ける思いは変わらないように感じられた。その意気込みというか、真剣な姿を見ているだけでも観戦しにきた価値は十分にあったと思う。
でも、そのオリンピック会場を見回してみて、ふと感じたことがあった。それは、「平和」な世の中で本当に良かったなということ。
当たり前のことではあるが、今が平和な世の中でなかったら、こんな素晴らしい大会も行うことができなかった。今回の東京オリンピックは世界中がコロナ禍の真っ只中で、開催するべきかそうでないかだけでも、世論の意見は割れていたと思うし、私もどちらかというと、こんな時にオリンピックをわざわざ開催しなくてもいいのではないか? というのが本音だった。
だが、実際にオリンピック会場を訪れてみて、「ああ、やっぱり開催して良かったな」と実感したのだ。確かにコロナの感染リスクはあったと思うし、大変な時期だったことは事実だ。でも、こうやってオリンピックが開催されるということは、大前提として「平和」な世の中が存在しているということの証しなのだ。
もうひとつ今回のオリンピック観戦でもっと感動したことがある。それは、ボランティアの方々の存在である。ヤフーのニュースなどでオリンピックのボランティアの方々に関する記事をいくつか読んではいたものの、実際にその姿を見るまでは、ここまでボランティアの方々の姿勢が素晴らしいとは思ってもいなかった。
ヤフーなどの記事によると、外国人の選手や記者などが、ボランティアの方々へのコメントとして、「私にとっては日本人のボランティアスタッフが、本当の金メダルだった」とか、「日本人ボランティアの方々のあの姿にはとても感動した」といったようなものがたくさん載っていたのだが、これは記事だし、外国人の方もリップサービスが少しは入っているんじゃないか? コロナ禍でのオリンピックの開催だし、少しでも前向きな雰囲気を伝えたかったのでは? などと、勝手に思ったりもしていた。
そのような私の考えは、実際にボランティアの方々に出会った瞬間、吹き飛んでしまったのだ。
ボランティアの方々の接客は、本当に気持ちが良かった。「こちらへどうぞ」と手を差し伸べてくれたり、「いってらっしゃい」と笑顔で手を振ってくれたりと、いたれりつくせりの上に、丁寧で優しい気持ちがこちらまで伝わってくる。暑い夏の日差しの中、会場へ来た人々に嫌な思いをさせることなく、快適に過ごしてもらおうという気持ちが伝ってきた。
また、それが一人や二人ではない。競技会場にはたくさんのボランティアの方々がいて、その一人一人が笑顔を絶やさず、熱心にボランティアをしているのだ。そんな光景を見た私は、「ボランティアの方々は本当にすごいなあ」と思いながら、ただただ頭が下がる思いだった。
まさしくこれぞ日本人のおもてなし精神だ。滝川クリステルさんが言っていた「お・も・て・な・し」という言葉は、決して大袈裟な表現ではなかったのだ。日本政府も、きっとこの東京オリンピックで、その日本人の良さを世界中にアピールしたかったに違いない。
もちろん、競技の方も素晴らしかった。オリンピックならではの雰囲気を体験できたことも本当に良かった。表彰台に登っていた選手は、本当に嬉しそうで輝いて見えた。観戦していた人々もとても楽しそうに見えた。
だが、そうやって、オリンピックに感動することができ、表彰台に登った外国人の選手に惜しみない拍手を送り、また、多くのボランティアの方々の姿に感激することができたのも、すべては、今が「平和」であるからだ。
会場からの帰りの送迎バスの中で、私は、この平和な世の中がいつまでも続きますようにと、改めてそう思った。
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