器用貧乏で終わるか、マルチ・ポテンシャライトとして生きるか
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:ゆみエール(ライティング・ライブ大阪会場)
私にはコンプレックスがあります。今となっては、「コンプレックスがあった」と言ってもいいのかも知れません。私のコンプクレックスは、「器用貧乏」ということでした。
器用貧乏を言い換えれば、飽き性、ひとつのことが長続きしないということです。趣味はもちろん、仕事もそうです。働くのが嫌と言うわけでないですが、同じ仕事を長くしていると面白みを感じなくなってしまうのです。好奇心旺盛で、刺激を求める性格にも起因しているのかも知れません。
自分の器用貧乏に気がついたのは、社会人になってからでした。新卒で入った会社は、メーカーでした。社交的な性格を買われて、てっきり営業事務に配属されるのであろうと思っていた私の期待は、見事に裏切られ、配属されたのは経理部でした。もちろん、適性検査の結果、経理適任者と判断されたのでしょう。特に不満はなかったけれど、2年で辞めました。そして、ちょうど地元大阪で開催された「花と緑の博覧会」のコンパニオンという全然違う職業を体験しました。半年で終わったその博覧会の後は、選挙事務所でバイトして、金融関係の会社に就職しました。選挙事務所も、金融関係の会社も小さな規模でしたから、経理の知識があって、接客マナーが備わっていて、物おじしない私の性格は重宝されて、何でも屋のごとく、いろいろな雑務がまわってきました。結婚後は、マンションの広告を作る会社に少しの期間在職して、20年間覆面調査員という仕事をしました。現在は、幼児教室で講師をしています。また、研修講師の友人の会社の手伝いもしています。このように私は、いろいろな仕事をしてきました。専門職はありません。採用面接の都度思います。履歴書に、どう書けばいいのだろうか。多種多彩な経歴は、プラスにとられるのか、マイナスにとられるのかということが、気になるところでした。唯一長く続いた覆面調査員ですが、これは登録制の仕事で、案件ごとに自分で「受ける」「受けない」を選べるのです。そして、調査を依頼される会社の業種はさまざまで、シュッピングセンター、パチンコ店にゲームセンター、美容整形、鉄道など、いろいろな施設や店舗に行って調査を行いました。これは、私の好奇心を大いに満たしてくれましたし、遠く離れた地方や、行ったことのない土地に行けることも刺激的でした。
仕事に限らず、趣味も多彩です。カメラ、手相、ガーデニング、懸賞、手芸など、数年ごとに熱中するものが変わります。カメラでは、サークルに所属していましたし、お教室に通ってもいました。小さな賞は2つ取ったことがあります。ガーデニングは、ベランダで寄せ植えをしました。季節ごとに花を入れ替えて、数シーズンは楽しみました。懸賞は、1ケ月で100枚以上のハガキを出して、当選品が月に10数個は届きました。家族に一番喜ばれた当選品は、当時流行っていたゲーム機Wiiです。それ以外にも高級牛肉や伊勢海老など、自分では買えない食材もちょいちょい届きました。手芸では、幼稚園児や小学生が使うレッスンバッグを作ってオークションで販売していたことがあります。
そして、現在は、このライティング講座を始め、話し方講座、コーチング講座を受けています。先日は、タロット占いも習得しました。自分でも、自分がどこに向かっているのかわかりません。
ここに書き連ねた通り、私は自分の好奇心の赴くまま、やりたいことをやって、辞めたくなると辞めて、また何か新しいことを始めるという人生を送っています。それはそれで楽しいのですが、ふと思うわけです。
「私は器用貧乏で、何かのプロだと胸を張って言えることがない」と。
そして、何かひとつのことをずっと続けていて、その道のプロと呼ばれる人のことをうらやましく思い、器用貧乏をコンプレックスに感じていたのです。
そんな私を救ってくれた言葉と最近出会いました。「マルチ・ポテンシャライト」という言葉です。息子の友達が、文化祭のステージで、TEDでのスピーチを真似て「ぼくは、マルチ・ポテンシャライトだ」と語っていたのです。それを見て、私はマルチ・ポテンシャライトについて調べました。
本家本元のTEDで語るエイミー・ワプニックのスピーチを聞きました。「ひとつのことを続けられない」「天職を見つけられない」ことについて語られていました。そういう人が一定数いるのだと。
まるで、私のことを言っているようでした。そう、私もマルチ・ポテンシャライトなのです。
確かに、「器用貧乏」とも言います。ある人は、器用貧乏のことを、「オールラウンドプレーヤー」と言ってくれました。何かのプロフェッショナルではないけれど、小規模な職場では、私はオールラウンドプレーヤーです。何でも平均的に卒なくできますから、とても重宝されます。
実はこの記事を書きながらも考えています。この先ライティングを続けるかどうか。ライティングのプロになりたいとは思っていないのです。きっと今までなら、「あぁ、またちょっとやって気が済んで、器用貧乏の種を増やすだけで終わってしまった。プロになるまで続けられなかった」と悔やんでいたことでしょう。でも、マルチ・ポテンシャライトという言葉と出会ってからは、「好奇心の赴くままやりたいことをやって、気が済めば辞めて、また新しいことを始める。それが私。それが私の個性」と言えます。ひとつのことをやり続けられる人のことをすばらしいと思うし、尊敬するし憧れます。でも、私はそうはなれない。マルチ・ポテンシャライトである自分に胸を張って、これからも好奇心の赴くまま、いろいろなことにチャレンジしていこうと思います。
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