メディアグランプリ

猫も杓子も、愛すべきは きつねダンス 


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:中尾 静恵(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
「きつねは何て鳴くんだ? 」
コンコン! ではなくて。
日本語に訳すとそんな感じになる歌が流れ始める。すると、頭にきつねの耳のカチューシャをつけたチアダンサーたちが、とびっきりの笑顔で弾けるように踊りだす。まず、これがとにかく可愛い。
と、同時に、何を言ってるのかわからない歌詞が飛び込んでくる。初めて聞くと 「???」 となるのだが、テンポが小気味よく、簡単なメロディーのおかげで、すんなりと耳から入ってくる。しかし、一度耳にすると、頭から離れない。チアダンサーの可愛いダンスも相まってか、毎日、いや、1日に何度見聞きしても飽きない中毒性だ。
一体何なんだ、これは……
 
 
チアダンサーの正体は、プロ野球 北海道日本ハムファイターズ (以降、日ハム) の専属チアリーダー、ファイターズガールだ。
今や、プロ野球の各球団には専属チアリーダーがいて、試合前や試合後、また試合中の合間にも、グラウンドに出てダンスを踊ったり、各球団思考を凝らした出し物をしたりと、ファンサービスたっぷりだ。また、各球団のマスコットキャラクターも一緒にグラウンドに出てきて、ダンスにバク転、それにお笑い芸人さながらのコントや芸を披露したりして、球場を盛り上げる。選手よりも存在感のあるマスコットもいるぐらいで、プロ野球界には、なくてはならない存在になっている。
もちろん、日ハムにもマスコットがいる。チームの本拠地が北海道なので、キタキツネの男の子、エゾリスの女の子のマスコットなのだ。
そう、それが 『きつね』 たる所以なのだ!
 
 
それならば、ファイターズガールたちがきつねの耳をつけてダンスを踊るのは、不思議でも何でもない。でも、なぜこんなに中毒性があるのだろう? そこには、謎めいた選曲と、誰にでも真似して踊れるダンスの振り付けにあった。
 
 
使用されている曲の原曲は、2013年に発売された曲で、ノルウェーのコメディーデュオの曲だった。発売当時は、全米シングルチャートを賑わせたほどの大ヒットだったらしい。
9年も前に大ヒットした曲がなぜ今、日本で? なのだが、日ハムの広報担当者が、マスコットにちなんで 『きつね』 を絡めた曲を探していたところ、この曲に出会ったそう。しばらくは世に出さず、温めに温めて、今年2022年シーズンから使用し始めた。
ファイターズガールたちが踊るダンスも、原曲のミュージックビデオのダンスをほぼ真似ているのだが、老若男女問わず誰でも踊れ、球場の観客席で座ったままでも踊れるように、とても簡単でキャッチーなダンスになっている。
さながら、幼稚園などで子供たちが踊っているような感じのダンスである。
 
お披露目当初は、あまりに衝撃的だったようで、観客もポカーンとしていたらしい。しかし、その中毒性がヤバい! とSNS上で話題になると、まるでコップの水が溢れるかのように一気に拡がりを見せた。日ハムや、日ハムが所属するパシフィックリーグ (通称パ・リーグ) の公式YouTubeチャンネルが、ダンスの動画を編集しては日々投稿するようになり、今では地上波でも話題に上るようになってきた。
 
 
そう、これが今、世間を賑わせ、話題沸騰の 『きつねダンス』 なのだ。
 
 
『きつねダンス』 の勢いは留まるところを知らない。
『きつねダンス』 が見られるのは、日ハムが本拠地である札幌ドームでの試合に限られるが、球場のあらゆるカメラが 『きつねダンス』 を踊る人々を追いかけている。
観客席にいる日ハムのファンの人々はもちろんのこと、日ハムと対戦している相手チームの選手やマスコット、はたまた対戦相手チームのファンの人々や、修学旅行でプロ野球観戦に訪れた制服を着た学生さんたち……
さらに、札幌のローカル放送局は、普段のテレビ中継では 『きつねダンス』 はCM中となり見られないのだが、CMを入れずに 『きつねダンス』 を生放送するという神対応ぶり!
 
さらに驚いたのが、SNSでよく見る 『踊ってみた動画』 に 『きつねダンス』 が登場していたのだ!
それも、有名な俳優さんたちが踊っているではないか!
もはや、感動すら覚える。 『きつねダンス』 は多くの人に愛されているのだ!
 
 
ご承知のとおり、プロ野球は勝負の世界、勝ってなんぼである。だが、ただ単に勝ち負けを決めるだけの試合では、時間もお金も使って見ようという人は、オールドファンなどのごくごく一部の人に限られてしまう。それでは、新しいファンを増やすことはできず、野球界全体の低迷にも繋がってしまう。そこには、勝負以外の何か必ず必要なのだ。
 
『きつねダンス』 には、それがある。人々を魅了する何かがある。
野球に興味がなかった人も、そもそも野球のルールすら知らない人も、もしかしたら 『きつねダンス』 は知っているかもしれない。それがきっかけとなって、プロ野球中継を見たり、球場に足を運んだりする人が増えるかもしれない。
日ハムと言えば、今シーズンから監督に就任した、BIGBOSSこと新庄剛志監督が、ド派手なパフォーマンスや発言で、シーズン前はひときわ注目を浴びていた。野球は知らないが、BIGBOSSは知っているという若者もいるぐらいだ。
 
 
そのBIGBOSSが掲げた、今シーズンのチームスローガン 『ファンは宝物』
『きつねダンス』 は、チームにとってもファンにとっても、宝物になったことだろう。
 
 
残念ながら、今、日ハムは、戦績は振るわず最下位。だが、BIGBOSSの影響か、選手たちは楽しそうに野球をし、 『きつねダンス』 を踊っている。間違いなく、話題性では全球団トップを独走している。
そんなチームがあってもいいじゃないか。
 
私は、日ハムファンでもなく、BIGBOSSファンでもない。だが、なぜか毎日、日ハムの試合結果が気になり、 『きつねダンス』 が話題にならないか、テレビニュースをはしごする。
テレビで見られても見られなくても、必ずYouTubeで 『きつねダンス』 を堪能してから、眠りにつくルーティン。すっかり中毒者になった。
 
ぜひ 『きつねダンス』 で検索を。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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