クレーンゲームはお金と時間を無駄にしていると言えるのか?
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:岡部みほ(ライティング・ゼミ4月コース)
子どもたちが寝静まった夜、私はひとり、ミニカーの数を数えていた。
150を過ぎたあたりでもう飽きて、200弱、ってことでいいか、と思って数えるのをやめた。
私の大好きな趣味を語る上で、その数は結構重要だった。
正確にいうと、私が数えたいのは、モノの数ではなく、それが我が家へやってきた過程と挑戦の数だ。
もちろん全てではないが、おそらく半分以上が、ある趣味により、定価以下、もしくは定価を大きく超えた金額で得た戦利品なのである。
お察しの方もいるだろうか?
察してしまったあなたはきっと、ぬいぐるみや玩具、お菓子がアクリル板の中でキラキラとたたずんでいるあの場所に、一度は足を踏み入れたことのある仲間かもしれない……
そう、私の趣味は、クレーンゲームだ。
”スーパーや玩具屋さんで買った方が安い”
”わざわざお金出してまでそれは買わない”
アクリル板の中に入っているものは、大抵そういったモノなのに、なぜかわざわざお金を払って、挑戦したくなるという、魔法の力があるから不思議である。
もしかしたら、クレーンゲームやゲームセンターに、
「お金の無駄」
「時間の無駄」
「いらないものが増えて邪魔」
など、マイナスなイメージがある方も多いかもしれない。
私も、堅実派な姉に、ゲームにお金を使うということを苦笑されたりして、悩んだ時期もあった。
だけど今は、正々堂々と、ゲームセンターへ行く。
だってそれは私にとって、数学もしくは物理の難題を解くことと一緒だから。
あの複雑な問いが解けたときの達成感を味わいに、ゲームセンターへ足を運ぶのである。
クレーンゲームは、数学や物理に始まり、コミュニケーション能力や空間認識力を鍛えるにはもってこいの遊びなのである。
一体なんのことを言っているんだ? と皆さんの頭にはてなマークが浮かんでいる頃なので、具体的に書いていこうと思う。
クレーンゲームは、ただ闇雲に動かしても、商品はゲットできない(時々運が味方して取れちゃうこともあるけれど)。
例えばぬいぐるみだったら、
・部分ごとの重さ
(頭は重いから持ちあがりづらい? 足は軽いから動きそう? 『想像力』)
・引っかかる場所
(持ち上がらなくても、足や手を少しずつ取り出し口方向に引っ張って行けるかも。 タグに引っ掛けたら一発ゲットも? 『発想力』)
・商品の角度や位置
(アームとの兼ね合いも大きい。変になったら早めに諦めて店員さんに初期位置に戻してもらうのもあり。 『コミュニケーション能力』)
そしてそのゲーム機の
・アームの強さ
(そもそも力が弱すぎるのは、早々に撤退。 『判断力』)
・アーム下降時のくせ(まっすぐ降りる? 左右にどれくらい回転しながら降りる? 『計算力』)
・シールド(商品が落ちる穴を囲っている板)の高さ
(低ければ低いほど獲得の可能性は上がる。 『空間認知能力』)
このように、ほんの数十秒の間に、たくさんの潜在能力を一気に大放出することになるのだ。
台の見極めから始まり、100円を入れる前までの段階でも十分楽しめるレベルだ。
そして、「この台なら行けるかも! アームさえ強ければ、引っぱって行って最後は反動で落とせるかも?」という仮定を立て、いざ100円を入れたときの高揚感と言ったら……!!!
そこから、その台の癖を探りつつ、仮定通りに動く部分と、そうでない部分を見極め、獲得までの道筋を微調整して行く、というわけである。
正直な話私は、そのモノが欲しいわけでもないし、時間を持て余しているわけでもない。もちろん、有り余る富を持っているわけでもない。
だけど私は、問題を解きたくて解きたくて仕方ないのだ。
モノが取れたときの感動、というよりは、推測し、仮説を立て、計算をして、思った通りにコトが運んだときの、感動と高揚感を味わいに行くのである。
ちなみに、大抵ゲームセンターに行く時は子どもを二人連れている。
洋服の買い物の時は、お腹すいた〜ジュース飲みたい〜早く帰ろ〜を連呼しているが、この時ばかりは非常に協力的だ。
そう、なぜなら自分の大好きなおもちゃが手に入るかもしれないからだ。
息子の大好きなおもちゃであるトミカは、比較的単価が安いため、そう苦労せずに取れることが多いのである。
果たしてこれが教育にいいのか悪いのか……それはわからない(いや、よくはないか!)けれど、私の技術向上のため、子どもたちには付き合っていただこうと思う。
どうか、身近にゲーマーの方がいたら、頭ごなしに「無駄!」と言わず、そこから何かが、モノだけじゃない、何かが得られているのかもしれないなと温かく見守っていただけると幸いだ。
そしてもしショッピングモールでゲームセンターの横を通りかかったら、チラッと、覗いてみることオススメする。
え、これ取れそうじゃん。
あなたのその『直感力』、試してみてもいいかもしれない。
***
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