40代、切腹(ハラキリ)「ぼっち」について考える。
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:マスマ・マキ(ライティング・ゼミ8月)
満開の桜の下で、義母は言いました。
「大人になってからの友達なんて、無理に作ることないわよ」
今年の2月末、私は初めての「入院と手術」を経験しました。
当初、腹腔鏡手術の予定が、結果的に「切腹(開腹)」になり、6時間というなかなかの大手術を終え、療養のために仕事を2ヶ月ほど休みました。
社会人になってから、こんなに休むことも初めてなので、思い切り読書や映画を楽しもうとするも、「皆が仕事している時に、私だけダラダラするなんて申し訳ない……」というナゾの罪悪感から、職場のブログを更新したり、リハビリも兼ねて断捨離をしていました。
「リハビリと断捨離」という、一見前向きな日々ですが、「切腹」による身体への負担は想像以上でした。寝る・起き上がる・立つ・歩く、これまで当たり前だったことが出来ないし、「動かし方を忘れる」のです! 恐るべし「ハラキリ」。
「いつになったら、これまで通りの生活に戻れるのかしらん」
心身が弱っている時、人は余計なことを考えます。
「仕事に復帰できなかったらどうしよう」にはじまり、「パートナーと毎日楽しく暮らしているけれど、どちらか先に『旅立つ』日が来るのだな」とか。「両親も旅立ってしまったら……」と切腹したのは自分なのに、おくる側になっていきます。
仕事や家のことばかりで、友達と連絡をとっていなかった私は焦りました。
「ぼっちになってからどうしよう!」
友達は遠方に住んでいたり、近くにいてもコロナで会えずじまい……入院・手術のことは医療関係に勤める友達に留め、家族と職場にしか話していませんでした。
うっかりネットで調べれば、最近は40代で友達がいない・疎遠になったという「ぼっちのお悩み」が増えているというのです。これは大変! 今から行動を起こさねばと思うものの「大人になってからの友達、どうやって作るんだっけ??」と、更に不安になりました。
4月に入ったある日のこと、義母からLINEで「明日お天気良さそうなので、お花見どうですか?」とお誘いが。
義母はとてもアクティブな人で、ジムに通い、フラダンスを習い、更にはウクレレにも挑戦し、コロナ前は旅行にもしょっちゅう行っていたので、きっと友達も多いはず。
さらには孫達の送り迎えから、料理も手際よく、何でも作れて美味しい……という
「リア充パイセン、且つスーパー主婦」なのです。
車で迎えに来てもらい、お花見穴場スポットの某所にて、ブルーシートを敷き、テイクアウトのお弁当を食べました。久々に色んな話をする中で、リア充パイセンへ、例のタイムリーなお悩み「大人になってからの友達の作り方」を相談してみましたら……冒頭のセリフ。
理由はこうです
「ジムや習い事で出会う人に誘われて、ランチ位は行くけど親友ってほどではないわよ。人の悪口やねたみとか、むしろ女同士のめんどくさいことに巻き込まれることもあるから、そういう人とは距離を置いてるの」と、予想外のお言葉!
思い出しました。
子供のころ家が転勤族で、高校までに5回引っ越しました。小学校1・2年生までは平和だったものの、3年生ともなると、女子には一定数「群れたがる性質」と「それ以外を差別する性質」が生まれるのです。
「同じものを持ち・同じ遊びをし・同じものを好きでいる=だから友達」
私はこれが本当に、ほんっとーーーっに嫌でした。
学生のころは「学校」という狭い世界で、勉強や運動や、友達つき合いや恋愛など、皆同じような階段をのぼり、悩みを抱えるので「共感」し合えることが大事だったのだと、今では解ります。
とはいえ、
ただでさえ珍しがられる転校生、「平和な学校生活を送るべく、受け入れてもらわなければ」という生存戦略のため、興味のない部活に入ってみたり、嫌いなアイドルでも好きなフリをするとか、「自分にウソをつきながら」の生活は中学まで続きました。
高校から新しい土地でスタート出来たのをキッカケに、さらに単身で北海道の大学へ進むにつれ、自分の好きなコトやモノがみつかってくると、居心地の良い人も判るようになり「ウソをつかない自分」で、友達ができるようになりました。
社会に出てからは「つき合う人間は、自分で選べる」ようになります。職場の人間関係や、子供がいればママ友との関係や、ご近所さんなど、様々な理由で叶わないこともありますが、少なくとも自分で選択できる「自由度が高く」なります。
学校のような縛りがない分、独り遊びの楽しさも覚えましたし、むしろ独りの時間がないとおかしくなる様に(苦笑)……とはいえ、決して「すべて独りで平気」なのではなく。
独りの時間があるからこそ、気持ちにゆとりができて、人に優しくできる。
独り暮らしの寂しさや大変さを経験するからこそ、親のありがたみに気付く。
病気になってみて、健康や毎日の生活が尊いと思える……
「無理に作る事ないわよ」
確かにそうだなと思いました。
40代ともなると、仕事をしていればそれなりのポジションを任されるし、身体のメンテナンスも必要です。恋人のいる・いない、結婚してる・してない、子供がいる・いない、更に親の介護も始まれば、疎遠になっていくかもしれません。
それでも出会えたり続く関係には、仕事や年齢や属性に関係なく、お互いのスタンスを理解して接することができる「思いやり」が必要なのだと気づいたのです。
お花見のあと何人かの友達が、久々に連絡をくれて、思い切って入院・手術の話をすると「そうだったんだ! 実は私も……」と驚きの報告が次々と(笑)
そこから一気に「今度会おう」という感じにもならず、また明日からお互い頑張ろうね、という距離感が私には心地良いのです。
趣味や運動や勉強……同じくらい「ぼっち」になった時の備えもしていこうと思いました。
このゼミも、毎日アタマを使って、ギリギリ言いながらMac Bookに向かってたら、寂しがってるヒマは無さそうです。
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