メディアグランプリ

引き寄せの法則はありがたいが、あまり来すぎてもえらい目に合う。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:青梅博子(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
「ねえ、火縄銃に興味がありませんか」
私がワインバーのカウンター越しに、お客様に赤ワインを手渡したと同時に、そういわれて、めんくらった。
「鉄砲隊の人数が足りてないので、募集中なんですよ」
現代日常を普通に暮らしていて、なかなか、かけられることのない類のお誘いである。
ここは関ケ原ではないし、織田軍の鉄砲隊の募集をしているということもないはずだ。私は耳を疑い数度聞き返した。
彼女は、日本武術の保存協会に所属しており、ワインバーのマスターとバイトの私との会話の中で、私が乗馬ができることを聞きつけ、流鏑馬や足軽としても使えそうな人材として、目をつけてくれたらしかった。
 
こんなふうに、最近、あんなことがやりたいな、こんなことがしてみたいなあと思っていると、そういう話題がどんどん「こんにちはー」とやってくるようになった。
 
そもそもは、あまり自由の利かない職種の会社員を真面目に十年間続けている間に、仕事を辞めないとできない「やってみたいと思えること」がおよそ200を超えたので、体力と実行力のあるうちに始めないと間に合わないなあと、すべてを満喫するために会社を辞め、フリーランスになったのが今年の3月末。
 
そして、やってみたいことに片っ端から手をつけてみることにした。
日本各地に旅行に行き、コミュニティに入り、新しく仕事をはじめ、やってみたいけど知らない技術はどんどん学ぶことにした。会いたかったけど、なかなか会えない人のところは積極的に自分から出向いて行った。
今までは5時に起きたら、そのまま出勤だったけど、働く時間を自由に設定できるようになったので、5時に起きたら3キロ走るようにした。なぜなら、やりたいことをやるためには、健康と体力を維持することが、第一の命題だったからだ。早起きがしんどくなってきたら、早起きを推奨するコミュニティに入って、仲間と共に早起きをできるようにした。
天狼院ライティングゼミをはじめたのも、Facebookの広告でずっと気になっていたからだった。
 
興味をもって、やってみたいなーと思っていると、それにまつわる情報がじゃんじゃん入ってくるようになった。いままでは「仕事があるから、やりたくてもどうせ無理だし」と思って、関心がむきかけても封じていたのを全開放したため、縛りのなくなった潜在意識くんが積極的に情報収集をはじめたうえ、自分からも情報がありそうな場所に突撃していくようにしたから、精度はどんどんあがっていく。巷で言われている「引き寄せの法則」がフル稼働して縦横無尽に連結している状態になったのだ。
 
こうして、どんじゃか降ってくる情報を一切精査せず、嬉しい楽しいとあれもこれもやっちゃおうと、いままでの鬱憤を晴らすように、あちこち無軌道無計画に手を付けて回ったのがいけなかった。
いや、いけなくはない。ないのだが、冷静に考えてみよう。
やりたいことが複数あったとしても、私の身体は1つなのだ。
ゆえに、1度に達成可能な案件は1つなのである。簡単な物理の法則だ。
なのに、いまいち頭の弱い私は、楽しさと開放感が先走って、思うがままにあちこち手を出してしまった。
するとどうなるか。
やりかけのことが終わらぬまま、次のことにも手を出して、まんまと身体が回らなくなってしまったのだった。頬袋に限界までドングリを詰め込んだリスが,、さらに追加を詰め込んでほっぺを破裂させちゃうようなものである。
はたから見て、ただの馬鹿だ。
 
先の鉄砲隊のお誘いも、歴史好き、武器甲冑・武道に興味がある私が、断るはずもなく、その後、まんまと鉄砲隊に入り、居合と流鏑馬をやるながれになってしまい、スカウト一週間後には、先生から模擬刀をレンタルし、明治神宮で鎧の着付けをしていたのだった。
あまりにも怒涛の展開だったが、それだけをやっていたなら問題はなかった。
しかして、この間、別のイベントや頼まれごと、そして明日の御飯のためのお仕事が複数同時進行しており、すべてを無理やり一段落させたところで、私の脳と身体は数多の情報を処理できずオーバーヒートして寝込んでしまったのだった。(20時間ぶっつづけで睡眠をとったら復活したが、一日丸々使い物にならなかった)
好奇心旺盛なのも、アクティブなのも悪くはないと思うが、私は一番肝心なことを忘却していたのだ。
アラフィフは20代の回復力と体力を、どうがんばっても持ち合わせてないこと。人間はみな一律、加齢によって能力が減衰するということを、である。
つまり、自分の活動限界を心得ながら、楽しくやりなさいよということを忘れるなってことである。
私の尊敬する漫画家の「不二涼介」さんという方がいらっしゃるのだが、かの方がインタビューでこうおっしゃっていた。
「疲れないようにすることが一番大事です、疲れていることを自慢するのではなく、疲れていないことを誇ってください、疲れる「前に」休息をとるようにして、身体を大事に、筋トレをして、椅子とベッドのマットレスはできるだけ高いものを買ってください」
寝込んだ布団の中でこの記事を読んで、私はさらにこの方への尊敬を深めた。
倒れると何が起こるかというと、約束が果たせなくなり、計画がとん挫し、自分がつらいだけでなく、私を含めた計画を立ててくれていた、すべての人に迷惑がかかるのだ。
私のせいで楽しくない思いをする人があってはならないのである。
 
引き寄せは有難くて嬉しいけど、ふってきたものは上手に取捨選択していかないといけないということ。全部強欲につかんでしまうと、最終的にまわせなくてつぶれちゃうので自分の限界ぎりぎりてはなく、余裕をもって休息を考慮に入れて計画をたてること。
今回は、このことを学んで猛省しているところである。
反省しながら英気を養って、また順番に楽しいことをこなしていこうと思う。
そして、この楽しさをいろんな人と分かち合えたら、周りの人がいつも笑顔でいてくれたら、それは本当に最高だと思うのだ。
 
 
 
 
***
 
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2022-11-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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