メディアグランプリ

時間も労力もかけずに簡単に幸せになれる方法を夫婦で1年間試してみた結果


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:杉本陽子(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
楽に幸せになれる方法があるよ、と言われたらどう感じるだろうか。
「楽して10キロ痩せられる! 〇〇ダイエット!」みたいに怪しさ100%じゃないだろうか。
もしくは、「法に触れる白い粉か何か……?」と思うかもしれない。
 
私が言っているのは、そういう怪しい何かではない。
 
“Three good things”
 
と言うと、ピンとくる人はいるかもしれない。
 
「毎日夜寝る前に今日起こった3つの良かったことを書き出す」
 
たったこれだけである。
 
ポジティブ心理学の提唱者、ペンシルベニア大学のセリグマン教授が提案した自己啓発手法の一種で、これを毎日一週間続けるだけで、幸福度が増大し、抑うつ度が減少するという研究結果があるらしいのである。
 
さらに私の興味を引いたのは、他の様々な幸福度が上がるアクティビティとの比較であった。
 
「幸福度が上がるアクティビティ」というのは、例えば自然の中を散歩するとか、美味しいものを食べるとか、音楽を聴くとか、好きな人と一緒に過ごすとか、そういった類のものである。
 
その記事には、ある興味深いグラフがあった。縦軸が幸福増大度、横軸がそのアクティビティにかける時間や労力のコストである。様々なアクティビティの中で「最も労力がかからずに幸福度が増大するもの」が“Three good things”だったのである。
 
ちゃんとした調査による研究なのだから「これは信頼できる!」と思ったし、そんなに簡単に幸せになれるのならやらなきゃ損! と思った。
 
しかし、私は根っからの三日坊主なのである。「毎晩寝る前に何かを書き出す」というのが続いた試しがない。こりゃ困った。
 
こういう場合は、誰かを巻き込むのが一番である。幸い、この方法は「絶対に書かなくてはならない」というものではなくて、誰かに口頭で伝えるだけでもいいらしい。
 
そこで私は、夫に「毎日夜寝る前に今日起こった3つの良かったことを聞いてもらう」ことにした。ただ、自分の良かったことだけ聞いてもらうのも不自然である。そこで私が話すだけではなく、夫も3つ良かったことを話してもらうことにした。
 
そうと決まれば吉日。さっそく「なぜこれをやるといいのか?」ということについてざっと説明して、「今日起こった3つの良いこと」を夫に聞いてもらった。
 
良いことと言っても本当に些細なことである。今日もごはんが美味しかったこと。仕事の今日のタスクを無事終えられたこと。今日は天気が良くて気持ちよかったこと。そんなことだったと思う。
 
そして、「はい、じゃああなたの今日よかったことはなあに?」と夫に振ってみた。
 
「そうだなあ、何があるかなあ……」と少々困惑気味の夫。そりゃそうである。でも逃しはしない。好奇心たっぷりの目で「なあに?」と訴えてみる。
 
「そうだなあ……仕事を今日もがんばれたことと……久々に吉野家の牛丼をランチで食べて美味しかったことと……陽子が作ってくれた夕食が美味しかったことかな」
 
ほんとにひとつひとつひねり出すように答えてくれた。最後の一つは格別に嬉しかった。
 
夫は無理やり言わされているようで幸福度が上がっているようには見えなかったが、とりあえず1週間は続けてみることにした。
 
3つ挙げるのが簡単な時もあれば、なかなか3つ目が挙げられなくて、うーん……と考えるときもあった。そういう時は、パートナーがやってくれたことに対する感謝を述べたりしてみた。
 
暗黙でどちらかの役割となっている家事に対しても、感謝を言葉にして伝えると、ちゃんと見てもらえているんだな、感謝してくれてるんだなと、とても嬉しくなる。
 
また。敢えて相手への感謝を言葉にすることで、自分の中にも相手への感謝の気持ちがより明確に湧いてくるような感覚もあった。
 
ぎこちないながらも、続けてみて8日目の晩を迎えた。
 
その日私は敢えて、自分から“Three good things”を言い出さずに、夫に「おやすみ」と言ってみた。
 
そうすると「えっ、今日はやらないの?」という言葉が夫から返ってきた。
 
どうやら“Three good things”は夫の中でも習慣化してしまったようである。こうなればしめたものである。これを言わなければ1日が終わった気がしない、というように二人の中ですっかり“寝る前の儀式”として定着してしまっていた。
 
そうして1年が経った。夫が飲み過ぎて寝落ちしてしまった数日を除けば、ほぼ毎日“Three good things”を続け得られている。
 
1年間続けてみてどうなったか。
 
一言でいうと、幸福度は始める前よりも明らかに増大したと感じている。
 
「良いことに目を向ける」という癖がついたのだと思う。明らかな変化としては、夫の仕事の愚痴が減った。これは私にとってもありがたいことだ。
 
また、おそらく一人で良いことを書き出すだけでも効果はあるのに、夫婦でやることによって、関係を良好にする相乗効果もあったのかもしれない。
 
夫は毎晩遅く帰ってきて、ほとんど会話らしい会話ができなかったのだが、“Three good things”をやることによって、相手がどんな1日を過ごしたか、ダイジェストを聞くことができている。ほんの1分間ほどという短い時間だが、夫婦のコミュニケーションを濃密にしてくれるとても良い効果があると思った。
 
パートナーやお子さんなど、ご家族と一緒にやってみるのは大変お勧めである。また、SNSなどを使って周りを巻き込んでやってみるのも意外な相乗効果が生まれたりして、より幸せが増大するかもしれない。
 
時間も労力もかけずに簡単に幸せになれるという前評判は本当だった。
やって損はないと断言できる。寝る前の1分間、ぜひお試しあれ!
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



関連記事