「大根足」を温活とアロママッサージで「魅せ脚」に変える方法
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:高橋 さやか(ライティング・ライブ東京会場)
「お前って、脚太いな」
デート中に男性から言われて、傷つかない女性はいないだろう。
傷つく言葉を言われた瞬間というのは、どのようなリアクションをとっていいか分からないものだ。曖昧な笑いで誤魔化すしかなかった。楽しいはずのデートだったのに、心の奥をえぐり取られたような気分だった。
この男性とは私が二十歳になる頃に、イベントコンパニオンのアルバイトで知り合った。容姿は俳優のようにイケメンで一流企業に勤めていた。
コンパニオンの制服はショートパンツだった。恥ずかしいと思って履いていたショートパンツから出た脚が太いと思われたから余計にショックだった。
彼にとっては軽い冗談だったのかもしれないが、女性の容姿をけなすなんてあり得ない。だからおつきあいに至らなかったが、脚が太いとからかわれたことだけが心のしこりとして残ってしまった。
元々胃下垂で食べても太る方ではなかったのに、常に足首周りが冷えていてむくみやすい。ほかの部分は痩せていたのに膝から下が太かった。
若かったからミニスカートばかり履いていたけど、生足で過ごした夕方には足首周りが冷えて、別人のように足がパンパンになってしまうのだ。
色が白いからまさに「大根足」だ。
ふくらはぎがカチカチでマッサージしようとすると指が入りづらい。そしてもみほぐそうとするとゴリゴリとした痛みがあるのだ。
そこで、ファッション雑誌のダイエット記事を読みあさり、整体に通ってケアをすることになった。
雑誌の記事や整体の先生によると、冷えからくるむくみを翌日に持ち越してしまうと、硬い脂肪となって残ってしまい太くなってしまうそうだ。
筋肉は動かさないと温まらないので適度な運動を勧められた。また、レッグウォーマーや靴下を履いて冷やさないということも大事だというアドバイスを受けた。
冷やさないだけで脚が細くなるのだったら、簡単かもしれない。
そこで冷えた体を温める「温活」を始めて、その日のむくみはその日のうちにケアをするように心がけた。
毎晩湯船に浸かってお風呂で足裏のツボを押し、足首を回してほぐした。
思い切って以前から気になっていた近所のスポーツクラブにも入会した。
エアロビクスなどのスタジオエクササイズやプールで思い切り動いた翌朝は、脚だけでなく心もすっきりしている。
立ち仕事でカチコチにこわばったふくらはぎが、程よい運動で温まりほぐれていくのはとても気持ちがよかった。
運動した日の翌朝の脚の軽さが病みつきになり、もう元のむくんで重たい足元には戻れなくなった。
20代最後の年にアロマセラピーに興味を持った。植物油に精油(エッセンシャルオイル)を加えたアロママッサージオイルは脚のむくみを解消すると知った。
アロマセラピーは植物の花びら・葉・樹脂・木部・果皮・種子などから抽出された100%天然の香り成分「精油(エッセンシャルオイル)」を用いて心・体・肌を健やかに保つという芳香療法だ。
ちなみにアロマオイルと呼んでいるものは100%天然の精油(エッセンシャルオイル)に合成香料、アルコール、植物オイルなどとブレンドされたオイルのことを指す。正しくは精油またはエッセンシャルオイルと呼ぶ。
グレープフルーツの精油には交感神経を刺激し、嗅ぐだけでダイエット効果があるという。また、血液やリンバの流れを促進し、体の中の不要な脂肪と水分を排出し、むくみやセルライト(皮膚にできる凸凹)のケアにも効果が高いとあった。
おなじみのグレープフルーツにそんな素晴らしい効能があるのかと、試す前からワクワクしてしまった。
さらに利尿と発汗を促しジンの香り付けに使われるジュニパーベリーとブレンドすると香りが良くなり相乗効果が期待できるらしい。
いい香りに触れながら「魅せ脚」に近づく。
こんなに楽しい香りお手入れ方法があるだろうか。
早速、アロマショップにグレープフルーツ・ジュニパーベリーの精油を買いに走った。
精油は100%天然の成分でとてもパワフルなため肌に直接塗布してはいけない。
精油を希釈するための植物油は体を温める効能のあるセサミオイルをすすめられた。
植物油に対しての濃度が濃いと体や皮膚に負担がかかってしまうため、精油の濃度は植物油に対して1%になるように希釈をする。
店員さんからは「植物油÷5=精油の1%濃度の滴数」という簡単な計算方法を教えてもらった。
購入したセサミオイルは100mlだったから、「セサミオイル100ml÷5=精油20滴」という計算方法になる。
ドキドキしながらセサミオイルに20滴の精油を入れて、1%濃度のマッサージオイルを作った。保存期間は約1ヶ月とのことだ。
精油のブレンドはグレープフルーツとジュニパーベリーをそれぞれ10滴を入れた。
お風呂上がりにウキウキしながらアキレス腱付近からオイルを塗布し、膝回りまで引き上げながらさするようにアロママッサージオイルを馴染ませていく。
冷えと疲れが特に溜まっているところは指でほぐした。
「なんていい香りなんだろう」
明るい香りのグレープフルーツが自信をつけてくれるように感じ、ジュニパーベリーがヨーロッパで森林浴をしているような清々しさを与えてくれた。
自分で作ったアロママッサージオイルに自画自賛しながら、夢見心地でお手入れをした。
アロマショップの店員さんから膝下だけでなく、太もも・ヒップ・お腹周りなど冷えやすく引きしめたい部分にも使えると書いてあったので、試してみた。
マッサージ後は血行が良くなったおかげか体全体が温まり、心身ともに浄化されたように気持ちがよかった。
精油の有効成分は、植物油が皮膚から毛細血管に運ぶ役目をして全身をめぐる。そのためマッサージオイルは洗い流さずに素肌に浸透させるといいと教わったので、顔の洗顔と保湿をしながらオイルが馴染むのを待ってパジャマを着た。
アロマの優しい香りに包まれて眠るのも、「セレブになったみたい」と優雅な気分だった。
翌朝、目が覚めたら脚が自分史上最高のすっきりと細い脚に生まれ変わっていた。
「これだ!」と思った。
香りと感触が気持ちいいと、お手入れは自然と続けられるものだ。
マッサージをサボってしまった日は何となく翌朝の体が重い気がする。
脚が太いとは二度と言われたくない。そんな気持ちでアロママッサージはお風呂上がりの習慣となり、アラフィフになった現在でも続けている。
40歳の半ばに天狼院の「秘めフォト」で三浦さんに初めて写真を撮っていただいた時に、脚がきれいだと褒めて下さった。男性から脚を褒められたのは初めてだった。
写真を撮り始めの時だったがテンションが上がりすぎてしまった。たくさんの女性を撮っている方から褒められたのが、本当に嬉しかった。
若い頃にコンプレックスだった「大根足」は地道なお手入れを重ねて、密かな自信に変わっていった。
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