おしゃべりは、心のサプリ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:ゆきんこ(ライティング・ゼミ10月コース)
必要以上にメソメソしている。
必要以上にイライラしている。
それは自分でわかっていた。
確かに、私の置かれていた状況は、なかなか厳しいものだったと思う。
1歳の子どもがインフルエンザ、謎の発疹、胃腸炎と2週間にわたって体調を崩し、保育園に預けられなくなった。
そのうちインフルエンザと胃腸炎は、私にも感染した。
夫は仕事が忙しく、休んだり在宅勤務にすることは難しい。
私の仕事も、ちょうど担当案件の締め切りが迫っていた。
結果、自宅で子どもと二人、それぞれの体調を回復させながら、子どもの機嫌を取りながら、在宅勤務をしながら、仕事に集中できる夫をうらやましく思いながら、2週間を過ごすことになった。
この状況でも、自分の心持ち次第で、例えば「これは修行だ!」と思って、ゲーム感覚で楽しく乗り切ることもできるはずなのだ。
でも私は、到底そんな気にはなれず、ただただメソメソイライラしていた。
理由も、自分でわかっていた。
人との「おしゃべり」が、欠乏しているのだ。
私は大人になってから、自分にとって人とのおしゃべりが、非常に大切であると認識するようになった。
一人で過ごしていると、どうも思考が狭く、暗くなりがちなのだが、人とおしゃべりをすると、視野が広がって、自分を客観視できて、自然と前向きになれるのである。
私にとっておしゃべりは、心のバランスを整えてくれるサプリメントのようなものなのだ。
しかしその時の私は、しばらく夫以外の大人と話す機会が持てていなかった。
友人と約束していた予定もあったのだが、インフルエンザで辞退せざるを得なかった。
結果、どっぷりと、狭く、暗い思考にはまりこんでいたのである。
ようやく子どもも自分も体調が回復してきた金曜日の夜、友人から連絡が来た。
「明日、うちで鍋パするんだけど来ない?」
私は一瞬迷ったが、「行く!!」と返事した。
実はその週末はすでに、日曜日に友人宅のホームパーティにお呼ばれしていた。
病み上がりな上に体も疲れているのに、2日連続遊びに行くのは調子に乗り過ぎな気もした。
でも、おしゃべりの欠乏を自覚していた私は、心の健康のために、行った方が良いと判断したのだ。
まずは、土曜日の鍋ホームパーティ。子どもは夫にみてもらい、一人で友人宅へ行った。
友人とその夫が、鍋に加え、おかずもいくつか用意してくれていた。
おいしい食事をつつきながら、それぞれの日々の生活や仕事について、あれこれとおしゃべりをする。友人とその夫の会話を聞くのも楽しい。
そのうちに、私は思った。
「私は自分の夫と、圧倒的に会話が足りてなかったな……。期待通りに動いてくれないことに勝手に不満持ってたな……」
友人の「テレビで見たアロマキャンドルがほしくなり、青山の直営店まで買いに行った」という話も、私をハッとさせた。
「意識的に自分の生活を楽しくするっていう気持ち、最近失ってたわ……」
家に帰ってからは、最近会話が事務連絡ばかりになっていた夫とも、久しぶりにおしゃべりをしてみた。開きがちだった心の距離が、縮まってきたような気がした。
そして日曜日も、ホームパーティへ。このホームパーティは、女友達3人と、それぞれの赤子と、それぞれの母、つまり親子3世代・3家族が参加するというゴージャスなものだ。
食事や飲み物の感想を言い合ったり、妊娠・出産・育児の苦労話を披露し合ったり、夫や仕事や健康の悩みを愚痴り合ったり、赤子がいかにかわいいかを熱く語り合ったり、30代〜70代の女たちのおしゃべりは、あっちへ飛んだりこっちへ飛んだりしながら、ノンストップだ。
歳を取ることはどうしてもネガティブに感じてしまいがちだし、苦労もできればしたくない。
でも、歳を取ってきたからこそ、苦労をそれなりにしてきたからこそ、母親たちとも感情を共有して、ワイワイとおしゃべりできるようになったのだ。
歳を取るのも、苦労をするのも悪くないなと私は思った。
春になったら、近くの河川敷でお花見をしようという、次回の計画も決まった。
もう、絶対楽しいに決まっている。
未来の計画にワクワクするという感覚は、とても気持ちを前向きにしてくれる。
土曜日と日曜日、2日連続遊びに行き、体は疲れた。
でも、心はとっても元気になった。
今なら、在宅勤務しながら子どもを家でみることになっても「よっしゃあ!! やったるでぇ!!」と思えるような気がする。
できれば日々、狭く暗い思考の中ではなく、広く明るい思考の中で生きていたい。
そのために、心のサプリであるおしゃべりは、絶対に欠かせない。
そのサプリが効果てきめんであることは、私の経験上間違いないのだ。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00
■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168
■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」
〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325