ギターの効果効能
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：圓島徹（ライティング・ゼミ２月コース）
私はちょうど10年前に、大学のサークルでクラシックギターを始めた。音楽初心者だった私がクラシックギターの演奏を経験して感じた魅力、日常生活への効果効能を紹介していきたい。「日常生活への効果効能って何？」と思われた方はぜひ読んでほしい。
私がクラシックギターを始めたきっかけは、10年前の春にさかのぼる。
私は大学入学まで楽器の演奏なんて音楽の授業以外で全くしたことなく、もちろん楽譜は1ミリも読めなかった。楽器を弾くことや、演奏を現場で聴くのは、小中高の音楽の授業や運動会などで吹奏楽部の演奏を聴いたぐらいだった。
そんな中、同じ学部の友人に誘われてサークルの見学に行き、クラシックギターと出会った。入部の決め手は、サークルの雰囲気が穏やかなこと、初めての演奏が何となく楽しかったこと、そしてとにかく初心者にも優しいことだった。
楽器初心者はまず、経験者との差に愕然とする。そして、経験者から突き放されようものなら大体は、「そうですよね、素人には無理ですよね」と気が引けてしまうのである。だが、先輩や同期は初心者に優しかった。私はそんな突き放しが一切無い環境で、クラシックギターを始めることができた。最初は楽譜も読めなかったが、日々少しずつ前に進むことができた。このことはとても運が良くて、幸せなことだった。初心者が音楽を始めるには突き放しの無い環境が大事なのだ。
クラシックギターは椅子に座り、片方の足を演奏用の台座に乗せ、そのまま少し高くなった膝の上に楽器本体を乗せて演奏する。演奏中はギターのボディの部分がちょうど胸あたりに触れる状態になる。
「クラシックギターは胸の心臓に近い位置に楽器を構えて演奏する楽器で、聴く人だけでなく演奏者のハートにも響く楽器だよ」とサークルの部長が言っていたことを今でも覚えている。演奏していると、クラシックギターのボディの部分に胸が密着していて、音楽が耳だけでなく胸からも伝わってくる気がするのだ。クラシックギターを演奏する醍醐味の一つだと感じている。
そして私はクラシックギターを日々演奏しながら、大学生活を過ごした。サークルでは、演奏会を目標にして日々練習していた。クラシックギターを演奏し始めて、自分の人生で明らかに変化したことがいくつかある。それらは、今の私の日常生活をより充実させてくれていると感じている。
クラシックギターを始めて私の中で変化したことの一つ目は、音楽への出会いが増えたことだ。クラシックギターではさまざまなジャンルの曲をクラシックギター用にアレンジして、演奏したりする。そんな体験を通じて、それまでの人生であまり聴くことがなかった、ジャズやクラシック、ボサノヴァや和楽器など、さまざまなジャンルの音楽を自然と聴くようになったのだ。
私はクラシックギターだけでなく、ロックやジャズ、オーケストラなどのコンサートにも出かけるようになった。このことは、人生の幅を広げた気がする。音楽に夢中になる時間が増えたことで、出会う人も増えた。一つの楽器を知ることで、他の楽器や音楽、演奏者を知ることにつながったのだ。
クラシックギターを始めて私の中で変化したことの二つ目は、演者側に立つ意識を持つということだ。クラシックギターに出会うまでの私は、「音楽は聴くものだ」という意識しかなかった。携帯オーディオプレーヤーから音楽を聴くことしか、音楽との接し方を知らなかったのだ。
参加していたサークルでは定期的な発表会があった。初めの頃は部内だけだったが、慣れてくると部外での演奏も増えた。私は演奏会で初めて人前で演奏することの緊張や達成感を知った。多くの演者が持っている舞台への歓びや恐怖心の世界にアマチュアなりに足を踏み入れたのだ。
舞台に立った時の緊張感や、演奏後の解放感と練習での改善を通じて人前で演奏することへの意識が醸成されていった。そして演者側に立つ意識は、私の中で憧れや向上心、気づきを生むようになった。
演者意識は私の日常生活に新たなものを与えた。テレビやネット、舞台などいろんな場所で人前に立っている人に対して尊敬や関心を抱くようになり、そしてそんな人々の技術を観るようになったのだ。「この人はどうしてこんなにリラックスして演奏できているのだろうか？」、「この演出はお客さんを楽しませようと細部まで気を使っているな」などと次々と気づけるようになったのだ。
私はクラシックギターを始めたことで音楽を知り、これらの効果効能を日常生活で感じるようになった。そして何よりも、やっぱり音楽は楽しいなと感じている。
もし身近な人で音楽を始めることにためらいや不安がある人がいたら背中を押せるようになりたいと感じている。あの時クラシックギターを始めて良かったと、100%で思っているから。
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