だから私は今日もブログを書いている《週刊READING LIFE Vol.212 ライターとしての自己紹介文》
*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
2023/4/10/公開
記事:丸山ゆり(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
「まさか、この私が毎日、文章を書く日がくるなんて……」
今日も自宅のダイニングテーブルにセットした、ノートパソコンを開けながら、ふとそんな言葉が脳裏をよぎった。
ブログを書くことが日課になっている。
ブログを書くきっかけになったのは、断捨離トレーナーを養成するための講習に参加した時からだ。
断捨離トレーナーとは、断捨離提唱者のやましたひでこの公認を得て、断捨離を伝えて行く仕事をしている者だ。
「断捨離」は、その提唱者であるやましたひでこの個人の登録商標になっている。
だから、「断捨離」伝えることが出来るのは、認定を受けたトレーナーに限られている。
今から11年前、その講習が始まったその日に、事務局から「ブログを書いてくださいね」と言われたのだ。
自慢じゃないけれど、文章を書くことは全ての勉強の中で一番苦手、嫌いなことだった。
小学生の頃、夏休みの宿題の読書感想文は、毎回逃げ出したくなるほどだった。
短大時代には、読書感想文を書きたくないので、本すら読まずにうだうだしていたところ、親友が電話であらすじを語ってくれて、どこが素晴らしかったかまでも伝えてくれて、なんとか必死に書いて、単位をもらったこともあった。
それくらい、文章を書くことにはアレルギーさえ感じている。
それでも、断捨離トレーナーという仕事は、個人の起業家となる。
自分を知ってもらうこと、仕事をする上では、ブログというツールでの発信は必須なのだった。
最初は、文章も支離滅裂で、書こうと思ったことが文末では違う結論を迎えることもしばしばだった。
ブログを書くことに慣れないうちは、誰かに読んでもらうのがいいと聞き、毎日、娘にチェックしてもらっていた。
すると、「お母さん、論理が破綻している」と、鋭い指摘をされることばかりだった。
それでも、なんとか諦めずに、手を止めずに書き続けて、11年目を迎える。
毎日、書くようになってからは9年が経つ。
なぜ、そんなにも苦手な文章なのに、頑張って書いているのだろう。
それは一重に、今、片づけで困っている人に、断捨離というメソッドを届けたいからだ。
私自身は、元々、片づけは得意だった。
「片づけられなくて、どうしよう」と悩むことなど、これまで生きてきて一度もなかった。
そう、物心ついた頃から、片づけは得意だった。
小学生の頃、自分の部屋の勉強机の引き出しの中は、お菓子の空き箱などを利用して、きっちりと区分けして、鉛筆や消しゴム、定規やコンパスをしまっていた。
机の上の本やノートも、きちんと揃えて置いていた。
タンスの中の洋服はきれいにたたみ、取り出しやすく、見やすいようにしまうことが出来ていた。
そんな私が、「断捨離」という新しい片づけ術に出会い、断捨離を実践することで、本当の意味の「片づけ」を住まいから、人生までもすることが出来たのだ。
子どもの頃から、私がやっていたのは、整理整頓だった。
手に入れたモノは、紙切れ一枚、捨てることなく納めることが出来たのだ。
創意工夫を重ね、収納グッズを駆使して、きれいに納めることが得意だったのだ。
だから、「片づけられなくて」と悩むことはなく、周りの親やママ友たちからも、とにかく片づけに関してはいつも褒められていたのだ。
ところが、その片づいている家に居る当の私自身はどうだっただろうか。
きれいに片づいているお家なのに、誰かを家に呼びたいと思わなかったのだ。
本を読むにしても、駅前のカフェに行って読んでいたのだ。
一人娘に対しても、いつもイライラして叱ってばかりだった。
そんな、外側からはいつも褒められる私と、内側では片づいているはずのお家にいたくない、好きでないというギャップにいつもモヤモヤしていたのだ。
そんな時に、書店で出会ったのが「新片づけ術 断捨離」の本だった。
引き寄せられるようにその本を手に取った時から、私の人生は少しずつ動きだしたように思う。
私がこれまで得意だと思い、周りからも褒められていた「片づけ」はただモノをきれいに納めていた「整頓」だったと気づいた。
片づけとは、片をつけること、始末をすること、だったのだ。
使いもしないのに、いつか使うかも、もったいないし、と取ってあるモノ一つひとつを手にして、今の私がどうしたいのかを全て問い直してゆくことが断捨離の実践だった。
そうすることは、小さな選択決断の繰り返しで、その実践はとても疲れるモノだった。
しかも、数トンのモノを整理整頓の名の元に詰め込んでいたので、それは、それは大量のモノがあったのだ。
言い換えると、断捨離の実践で向き合う材料がたくさんあったことで、私はより多くの選択決断を経験することになった。
すると、心の奥でいつも悩んでいた、夫婦の問題にもピリオドを打つ決断をすることが出来たのだ。
片づけに困ったことのない私が、書店で見つけた「新片づけ術 断捨離」の本に引き寄せられるように出会ったことは、ひょっとしたら神様が「そろそろラクになりなさい」と、私に人生の選択決断の力をつけさせるために出会わせてくれたのではないか、そんなふうにも思い感謝している。
人生において、大きな選択決断が出来た私は、次に、断捨離トレーナーという仕事に着く出会いに恵まれた。
私のように、お家の片づけだけではなく、片づかない夫婦の問題、母娘の確執、人間関係などの問題を抱えている人は多いはずだ。
私が断捨離に出会ったのは50歳を迎える頃だった。
ちょうどその頃は、女性は子育てがひと段落するものの、子どもの自立によって多少の喪失感を感じ、実家の両親が年老いてくることを実感し、パートナーである夫の身体も心配になってくる時期でもある。
そして、女性自身、更年期を迎え、自分自身の身体や精神面でも辛い思いをする頃でもある。
私は、女性は50歳からが華だと思っている。
それなのに、周りの女性を見ていると、少し元気がなくなってゆく状況が多くなっているのだ。
そんな時、私が人生を大きく変えることが出来た、断捨離を伝えたいという気持ちが強くなっていったのだ。
断捨離の実践で、モノを通して自分に向き合い、今の私がどうしたいのかという選択決断を重ねることで、モノだけでなく、その人生もどうしてゆきたいのかが決めてゆけるようになるのだ。
50歳からの人生を軽やかに、ごきげんに過ごせるように、そんな思いを込めて日々、ブログを書いている。
断捨離を必要とする人の元へ届けるために、私はこれからも、毎日、ただ粛々と文章を書いてゆくだろう。
ただ、ひたすら、淡々と。
天狼院書店 週刊リーディングライフ掲載記事
□ライターズプロフィール
丸山ゆり(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
関西初のやましたひでこ<公認>断捨離トレーナー。
カルチャーセンター10か所以上、延べ100回以上断捨離講座で講師を務める。
地元の公共団体での断捨離講座、国内外の企業の研修でセミナーを行う。
1963年兵庫県西宮市生まれ。短大卒業後、商社に勤務した後、結婚。ごく普通の主婦として家事に専念している時に、断捨離に出会う。自分とモノとの今の関係性を問う発想に感銘を受けて、断捨離を通して、身近な人から笑顔にしていくことを開始。片づけの苦手な人を片づけ好きにさせるレッスンに定評あり。部屋を片づけるだけでなく、心地よく暮らせて、機能的な収納術を提案している。モットーは、断捨離で「エレガントな女性に」。
2013年1月断捨離提唱者やましたひでこより第1期公認トレーナーと認定される。
整理・収納アドバイザー1級。
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