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犬を飼うと幸運がやって来る


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記事:堀部 佳野乃(ライティング・ゼミ 2月コース)
 
 
「犬を飼うと幸運がやって来る」
 
これは、わたしが犬を育ててみて感じたことだ。
 
幸運がやって来る理由。
それは、犬がある秘密兵器を出してくれるからなのだ。
 
わたしは、トイプードルの男の子を飼っている。
名前はモルだ。
 
モルとの出会いは、1年前の冬のこと。
犬を飼った経験が無い堀部家だったが、以前から妹が
「犬を飼いたい」
と両親におねだりしていた。
 
正直、わたしはあまり賛成していなかった。
だって大変そうじゃん。
ちゃんと責任持って育てないといけないし。
だけど、妹が熱心に説得してくるうちに気持ちが変わってきた。
 
「人間以外の命ある動物を愛することを知らずに死んでいいのか?」
 
そんな大げさなことを考え始め、わたしも犬を飼いたいと思うようになった。
 
しかし、考えるだけでは何も進まない。
とりあえずペットショップを訪れてみることに。
 
そこで出会ったのが、モルだった。
 
1回目に訪れたときは、モルと触れ合ったものの飼う勇気が出ず、そのまま帰宅。
可愛かったし、もう売れてるだろうなと思いながら2回目に訪れたときも、まだモルはいたが、やっぱり勇気が出ず帰宅。
今度こそ売れているだろうと思って訪れた3回目。
 
いた。
 
小さい犬たちばかりがいるお店の中で、ひとりだけ異様に大きく、ガラスケースの中でにょーんと伸びて寝ていたモル。
 
これは運命やん!
 
3回目に訪れたその日に、家族として迎え入れることに決めた。
 
それからというもの、わたしたちは慣れないモルのお世話に奮闘することになる。
 
トイレではないところでの排泄。
環境の変化で下痢になり、それを踏んずけまくってモルの手足はぐちゃぐちゃ。
ご飯を与えようと思ったら、興奮のあまりお皿に飛びついてひっくり返し、ペットフードが床に散乱する始末。
しかも、迎え入れて1週間が経った頃、夜中に嘔吐。
心配になって夜間動物病院に連れて行くと、ペットショップの指導ミスで食事量が足りていなかったことが原因らしい。
帰って食事をしっかり与えれば、問題無いとのこと。
しかし安心したのも束の間、今度はモルのことが心配で不安に駆られた妹が動物病院の中で動悸を起こし、救急車に運ばれる事態となった。
モルを家に連れて帰り、ご飯を与えて眠らせた後は、母と病院へ駆けつけ、妹の看病に当たった。
 
本当にモルを育てていけるのだろうかと、家族全員が自信を無くしかけていた。
 
その後も妹は精密検査などを受けるために、病院へしばらく通うことになる。
母は妹に付き添うため、日中にモルをお世話できるのはわたしだけ。
 
実を言うと、それまでのわたしは、ほぼ「ひきこもり」のような状態だった。
外出することが苦手で、家でほとんど寝ている生活をしていたわたしが、モルをきちんとお世話できるのだろうかと不安に襲われた。
 
しかし、やるしかない。
モルはひとりでは生きていけない。
わたしがお世話しないと、死んでしまうんだ。
 
そう思ったら力が湧いてきた。
 
時間の許す限り、モルのお世話をして、モルと遊んだ。
今までほとんど母に任せっきりだった家事もこなすことができた。
 
なんだ、自分ってこんなに動けるんじゃん!
 
そう気づいてからというもの、「ひきこもり」を脱するのにそう時間はかからなかった。
 
モルと散歩をすることで、外出する習慣がついた。
ウォーキングのおかげで足腰が鍛えられ、体力がついた。
モルを通していろんな人と出会い、コミュニケーション能力が培われた。
四季の変化に敏感になり、外の世界の美しさを知った。
モルを中心に家族の会話が増え、絆が深まった。
 
社会から隔絶されたと思っていたわたしだが、モルが社会と繋がるきっかけをくれた。
 
さて、そろそろ最初に話した「犬が出してくれる幸運の秘密兵器」が気になっていることだろう。
 
それは、お尻から出てくるあれだ。
茶色くて、細長くて、なかなかの異臭を放ってるやつ。
 
わたしたち家族はそれを「運来」と呼んでいる。
モルが来てからというもの、ラッキーなことが多い。
多すぎて、怖いくらいだ。
 
母と2人で、あるアーティストのライブに参加した際に、アーティストが肉眼でしっかり見える前から5列目の席が当たった。
母は
「半世紀生きてきて、いろんなライブに行ったけど、こんなに良い席は当たったことがない」
と、感極まっていた。
 
しかし、それだけにはとどまらない。
後日、妹と2人で参加したアイドルのライブでは、なんとなんと最前列の席が当たったのだ。
しかも、わたしの推しメンに、指をさしてもらうというファンサービスをもらうこともできたのだ!
 
その他にも、在宅で始めたライター業の案件に次々と合格したり、素敵な人とのご縁があったり……
 
こんなにも、幸運がやって来るのは、やっぱりモルのおかげだ。
モルの「運来」をきちんと拾って、処理しているおかげだ。
 
もちろんそんな根拠のないスピリチュアル的なことだけではなく、そもそも犬を飼うことで規則正しく、健康的な生活を送ることができるようになり、自分自身が前向きになって、行動力が高まり、幸運を呼び寄せる土台ができていくからなのだろう。
 
正直言うと、「運来」の始末は汚いし臭いし嫌である。
でも、こんなにも幸運をもたらしてくれているんだから、これからも心を込めて「運来」の処理に邁進したいと思う。
 
改めて言おう。
犬を飼うと、幸運がやって来る。
 
 
 
 
***
 
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2023-04-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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