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大混雑な春の役所を攻略する方法~メンタル編~


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記事:清水優未(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
この春、結婚を機に引っ越した。
 
入籍により名字を変え、退職により年金と保険の区分が変わり、そして、引越により住所が変わった。
 
「結婚 女性 手続き」で検索すると、まとめサイトがいくつもあることをあなたはご存じだろうか。タイトルからもその大変さが伝わってくる。
 
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私もしっかり手続きの順番をメモしたうえで、いざ役所へ。
 
実は今回、人口8000人の町から、30万人の町へ越してきた。
田舎の電車のホームのようにベンチが少ない役場から、混雑した空港のような役所へ。
そこでは、手続きで待つ人たちで溢れかえり、多くはスマホをいじって自分の番号が呼ばれるのを待っている。
そしてふと横を見ると、混雑状況が書かれた模造紙が貼ってあった。
 
番号札発券から受付まで10〜20分
受付終了から手続き完了まで最大90分
 
う、うそでしょう?
もしかしてここは空港ではなく、ディズニーランドなのか……?
ならばどうか、待ち時間を短縮できるファストパスなるものを私にください……
 
心の底から願っていたが、もちろんファストパスは発券されず、めでたく私もベンチ民の仲間入り。
あまりにも受付番号が呼ばれないので、私は周りの人を観察することにした。
 
やはり……というべきか。
待ち時間が長いことや手続きの内容に、苛立っていたり、難しい顔をしている人が多い。
そんな話し声や雰囲気に、私も何だか居心地が悪くなってきた。
 
そのため余計に、役所の職員の皆さまの”神対応”に私は感動してしまった。
 
番号を呼んでも気付かなかった人がようやく受付に現れて第一声、
「こんにちは~! お待たせしました!」
と笑顔で迎える方。
 
個別対応のため、窓口に呼ぶのではなく、ベンチまで職員が出向く時は、片膝をついて対応する方。
 
朝から何十人と対応しているだろうに、大きな良く通る声で番号を繰り返し読み上げる方。
 
区民に強い口調で問われても、穏やかに分かりやすく説明する方。
 
当たり前だけど、役所はお客を選べない、選ばない。
転入届はある意味、この町にこれから住む全員が通る入口だ。
ここにいる職員さんたちはそれを担ってくれているんだなと改めて感じられた。
 
その時、ある新婚さんが手続きが終わって帰り際、放った言葉が耳に飛び込んできた。
 
「ありがとうございました~!」
 
言葉だけだと別に特別なものではない。
驚いたのは、窓口で対応していた一人にではなく、フロアにいる不特定多数の職員さんたちに聞こえるくらいの大きさで、朗らかに言って帰っていったのだった。
 
私は思った。
 
かっこいい。明らかに今、あの人は輝いていた。
 
ここから私の妄想が始まった。
そう、春の役所は映画の撮影現場。私は役者。
このピリついた現場を朗らかにできるのは、座長である私だけ!
 
そんなことを考えていると、
入口で対応している職員さんはADさんで、「〇〇さん、入られまーす!」と言っているようにも聞こえてくるし、
フロア全体が舞台セットで作られているように見えてくるし、
区民は皆、エキストラの皆さんだ。
 
結果、私は3時間以上、役所で待つことになったのだが、この妄想のおかげで、朗らかに対応することができたのだ。
 
そう、合言葉は、「春の役所は、映画の撮影現場」。
皆さまもイライラしそうになったら、ぜひ器の広い座長に成りきって。
 
 
 
 
***
 
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2023-05-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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