さあ! トビウオと淡竹、なんちゃって翡翠豆のBBQ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:mopa (ライティング・ゼミ4月コース)
さあ!
今日は5月4日、GWの空は快晴。午前7時30分。
まったくの、バーベキュー日和ですな。
ご近所のみんなと、裏のお庭でバーベキューですねん。
ゆうべは、ちょっと眠れなかった、ワクワクし過ぎて。
起きてすぐに、冷蔵庫から取り出したトビウオ3尾を捌いていきます。
楽天で鹿児島から取り寄せた、お刺身でもいける極上のトビウオ。
冷凍で5尾届いたうちの3尾を、この日のために取り置いておきました。
まるで丸太ん棒みたいな3本の太い魚が、冷凍庫を占拠していたのもこれで解消。
炭火で焼いて、みんなのお腹においしく収まるのだ。トビウオくんよ。
昨日の午前中に冷凍庫から冷蔵庫に移してあるので、解凍は万事完了。
ウロコを包丁の背でとってから、
羽の付け根に刃を入れて、首をばっさり落とすの。トビウオの。
目はできるだけ合わないようにしながら。
鼻先を流しのステンレスに押し当てて、思い切っていく。
右からザックリ。左からも、ザックリ。
迫力ある2枚の羽を手で広げていると
海の上で航海している男達の言葉を思い出す。
「航海していると、船のデッキにトビウオが勝手に飛び込んでくるから、海上では食べるものに困らない」
と話していたのは誰だったか。
太平洋をヨットで横断した辛坊さんだったかな?
こんな丸太ん棒が羽を広げ、400mも飛ぶのだから
海とはなんと恐ろしいところよ。
そしてまた、トビウオの別名「アゴおとし」とは、よくぞ言ったもの。
この、脂の少ない締まった、細マッチョ。
あっさりしていて、どんな魚にも勝る強い旨味は、たしかにアゴくらいは落とせます。
青くてクールな、ナイスガイ。
ふっくらと焼いて口に含むと、いつまでも味が消えなくて、うっとり夢見心地になれるやつ。
日本海沿岸の方々は、こんなおいしいものを日々食べられるなんて、ほんとーに羨ましいです。いいなー。
なんて。言いながら。
お腹を割いて、
まだ凍ったままの冷たいワタをズルズル引き出し、
背骨の血合いをこすって洗い流す。
腹ビレの根本に1本、硬い大きな骨があるので削ぎ落とし、
頭の後ろから3枚におろしていく。
できるだけ身を残さないよう気をつけてはいるけれど、なんせ素人。長野の山育ちですから、うまくはありません。
どうしても背骨に残ってしまう身がもったいない。
トビウオくんにも申し訳ないので、
グリルでカリカリに焼き、お湯でクツクツ炊くと極上のアゴ出汁がひけます。
だから、ヘタでもだいじょうぶ。
いいの。
最後までおいしくいただくから。
ソリソリと包丁を動かして、慎重に身をおろしていく。
でも、どうしてこんなにも急いでいるかって、それは今日が木曜日だから。
朝8時半には、燃えるゴミの収集車がやってくる。
その前に捌いて、お腹を回収してもらいたいのだ。
捌いた身に塩を振って、ジップロックに重ならないように入れ、チルド室に収納。
あとで、炭火焼きにするまで、ここで待機。
家中の燃えるゴミを集めて、第一弾のゴミを収集所へ。間に合った。
お出汁用の骨は、まだ30分はかかるけど、今日の収集が遅いといいな。
さて次は、「淡竹(はちく)の炊き込みご飯」。
淡竹は、昨日のうちに皮を剥いで水から炊いておきました。
孟宗竹が終わった頃に収穫できる淡竹は
同じ筍でもアクが少なく、米ぬかでのアク抜きは不要。
沸騰したらそのまま冷まし、もう一度新しい水に替え、一晩浸けておくだけでアク抜き完了。
優しい味と、柔らかさが特徴の筍です。
細切りにして、人参とお揚げと一緒に、ふっくら炊き上げましょう。
のこりの淡竹は、あとで炭火でも焼くのだ。フフ。
米を3合洗い、30分前にザルへ上げておきました。
お釜に入れたら、次は白だし60ml。
そこにお水を、通常どおりの量になるまで入れること。
調味料+水で、いつもと同じ水加減で炊けば完璧。むずかしいことあらしまへん。
そして、その上から切った具材を静かにのせて、フタをします。
ぜっっっっったいに、お米と具材は混ぜてはいけません。
混ぜるとお米が対流できずに、芯が残る原因になるからね。
そおっとのせて、火にかけます。
さて、ご飯を炊いてる間に
洗濯物を干してきます。
いまだ黄砂で喉がイガイガするので、完全部屋干し。除湿機の風で乾かします。
戻ってきたら、新しいお鍋に水を張り、
火にかけて沸騰させます。
待つ間に、スナップエンドウの筋取りを。
「ピンポーン」
誰か来た。
出汁と、ご飯と、お鍋。3つのコンロに火をつけたまま、玄関へ出てみると
今日のメンバーでもある、ご近所の桑田さんだ。
なんと、このタイミングで、ウスイエンドウを届けてくれた。
ご長男のヒイちゃんが育てたやつで、朝収穫したばっかりだって。
桑田さんも、朝からワクワクしてたに違いない。
これから、お肉の買い出しに行ってくれるって。
去年も、同じようにいただいて、
さっそく翡翠豆に仕上げてバーベキューに出したけど
なにを隠そう、
あの日、食べたものの中で、あの豆が一番おいしかった。
肉よりも魚よりも。
それくらい、おいしいやつ。
しかも、今年の豆は鞘の中でギュウギュウに詰まり、
もはやもう四角い豆になるまで育ってる。
ぜったい、おいしい。
ナイスタイミング、桑田さん。ありがとう。
ヒイちゃんは若いのに、毎朝仕事前に、畑の水やりをしてから行っている。
休みの度に黒いプリウスを水洗いして、きれい好きの働き者。
頑張りすぎて時々、扁桃腺を腫らして入院してるけど。
今日はおいしいバーベキューにしてあげよう。
さて、沸いたお湯でスナップエンドウを茹でていく。
茹ですぎは厳禁。
色が鮮やかになってしばらく泳がせたら
網ですくいとっていく。
アゴ出汁を少量取り分けて、かえしで味をつけたつゆに、直接投入。
最後にお塩をパラリ。
これは、味付けというより、おまじないとしてのひとつまみ。防腐の役目を果たします。
「アゴ出汁のスナップエンドウ」、完成です。
もらったウスイエンドウも、
鮮度を落とさないよう、水の中でムキムキしてから
同じお鍋でキッチリ30秒だけ茹でました。
一緒のタッパーに浸ければ
「なんちゃって翡翠豆」も、イッチョゥ出来上がり。
去年は、自家製のかえしを、丁寧にひいた濃い鰹出汁で割り、ウスイエンドウを上品な翡翠豆に仕上げたけれど
今年はもう、手がイッパイイッパイで。ごめんなさいね。
かなり勢いのあるものに仕上がりました。それも良し。
あご出汁の火を止めて
ザルで濾せば、いい香りが漂います。
炊きあがったご飯も、いい感じで蒸れています。
そうそう、袋に詰めた出汁がらを、ゴミ出し第2弾にしながら
ご近所の「cafe Bar風花」で、山椒の葉を貰ってこよう。
いつも花壇のお世話をしているから、こういう時に遠慮なく貰えるのだ。
これを世間では、役得という。
淡竹の炊き込みご飯に添えれば、極上。
風花のマスターは、閉店後に合流するって言ってた。
筍のおにぎり、それまで一個、残しておかなきゃな。
さあ、日焼け止めをしっかり塗って、今年もご近所のバーベキューへ。
***
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