「若さ」の呪縛から解き放たれる
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:鈴木あゆみ(ライティング・ゼミ4月コース)
「若いね! 今からなんでもできるね」
そう言われたことがある人は多いかもしれない。
若ければ若いほど、可能性は豊富だろう。
30代より20代、20代より10代のほうがチャンレンジできる回数も時間もたっぷりある。
私はその言葉をタイムリミットのように聞いていた。
私が子供の時、おばちゃんになることを楽しいと言っている人はいなかった。
大変大変という言葉ばかり聞こえていた気がする。
「年を取るのっていやだな」
若さを賞賛されるたびにそう思った。
だけどアラフォーになって、年齢を重ねるのが楽しくなっている。
なんで誰も教えてくれなかったんだろう!
年を取る楽しみは、価値観の変化だ。
アラフォーになると、体力の落ちるスピードが早い。ただ家にいるだけなのに21時過ぎると眠くなる。
大晦日の年越しなんてもう何年もしていない。21時。寝る。いつでもそれだ。
体力がなくなったことで、1日外出することはめったにない。
旅行も、若い時はたっぷり予定を詰め込んで1日中歩き回っていたけれど、今はそんなことをしたら体がもたない。
宿のチェックインまでに観光地は1つか2つ。事前に訪れるところは決め過ぎず、候補を出して当日の気分で行けるところに行く。
チェックインをしたらゴロゴロして、休憩してから夕食だ。
観光をメインにしなくなったことで、宿選びが楽しくなり、館内着や食事を重視して選んでいる。
温泉に入り、部屋でゴロゴロして、美味しい食事を堪能して、ぐっすり眠る。こんな旅も良い。
移動中も疲れないために、荷物は事前に送り、ほぼ手ぶらで移動する。
体力がないので、仕事を増やさないようになった。
今までは少し効率よくできるようになると、仕事を入れてタスクをいっぱいにしておき、忙しいと12時間くらいパソコン作業をしていた。
今は無理だ。
1日そんなに仕事をすると2日ほど頭がぼーっとする。体が重くなるので、気持ちも沈みがち。
とはいえ、体力に合わせて調整するのは、お金がなくなることに直結するので今でも怖さはあるのだけど……。でも生活に余白を作ると、手元にある仕事を大切にできている気がする。適当に済ますのではなく一つ一つちゃんとやる。タスクが終わっていく感触があり、気持ちがいい。
さらに今まで料理はパートナーに任せていたんだけど、時々食事を作るようになった。実は、料理をすると段取りを考えているうちにイライラするので「一生やらない」と宣言していた。
いつからでも人は変われるんだなと思う。
また、35歳を過ぎると「モテる」ことへの呪縛が消滅した。性欲も減った。
若い時は、モテるのはステータスだと思っていたし、女としての価値があがることだと思っていた。
また好意をよせられるほど、自分の承認欲求が満たされていたのだと思う。
それに性欲も強かったので、男性がいないと始まらなかった。モテると性欲を満たすチャンスも増える。
今は「モテたい」がなくなったことで、服選びも着やすさや洗濯のしやすさで選ぶようになり、年中スニーカーにパンツスタイル。ヒールはすべて手放し、足の痛みに悩まされなくなった。
下着も着け心地のいいものに変わり、セクシーさは皆無だけど1日つけても痒くならない。苦しくない。
自分の快適さで選ぶものが増えるほど、他人からの評価のために選んでいたものはどんどんゴミになって、部屋も片付いた。
パートナーとの関係も今が一番安定している。
他人からのウケのいい私ではなく、「このままの私のことを大事にしてほしい」と相手に向き合えるようになったからだと思う。
モテるためだけなら相手に見せなかった部分を、パートナーには開示している。
それも最初は怖かったけど、「モテたい」がなくなると、また1から相手を探すのは気が重くてめんどくさい。「それならここで嫌われても開示してみるのはありではないか」と、年を取ると開き直る強さも備わる。
年を取ると価値観が変わり、大事にしたいものが変わる。
若い時に描いていたかっこいい大人はこうじゃなかった。
ハイヒールを履いて、革のバックに薄いノートパソコンを持って、タクシーで移動するような、そんな女性だ。タクシーの中でもパソコンを広げてメールを打つ。
おそらくこの先、その未来はないだろう。
すでに大きくずれているように思う。
でも憧れた大人ではなくても、自分に正直に生きようとしている自分のことを悪くないと思う。40歳を超えたらどんな景色が見えるのか、今から楽しみだ。
***
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