ポールダンスは、格闘技だ。それでも私が踊り続ける理由。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:Natsu(ライティング・ゼミ6月コース)
「ポールダンス」と聞くと何を思い浮かべるだろうか。おそらく多くの人は、セクシーなお姉さんが露出度の高い服を着て妖艶な笑みを浮かべ、重力を感じさせない動きで舞っている姿を想像するだろう。正解である。
では、どれくらいの人が華やかな世界の裏側を知っているだろうか。
ひょんなことがきっかけでポールダンスの世界に足を踏み入れた私だが、あまりにも過酷な道のりに恐れ慄いた……。全身に常に無数のあざができ、あまりの痛みに涙したことも何度かあった。そして、ダイナミックな技を決めるためには圧倒的な筋肉と柔軟性が必要とされる。足を踏み入れてしまった後に気がついた。「ポールダンスは、格闘技だ」
この世界に足を踏み入れて早2年半が経つ。一体なぜ私は踊り続けるのか。皆さんが知らないポールダンスの裏側を紹介していこう。
「趣味はポールダンスです」と周りに話すと必ず「なぜポールダンスを始めたのか」と聞かれる。きっかけは職場付近でランチをしている時、偶然ビルのテナント一覧の中に「Pole Dance studio POLISH」の看板を見つけたこと。
その時ふと「観る側ではなく、魅せる側の人間だったらどんなに楽しいんだろう……」と想像が働いてしまった。
ナイトライフと音楽が盛んなスウェーデンに一年留学していたこともあり、ポールダンスへの抵抗感や偏見はなく、その日のうちに体験予約をした。
体験レッスンで、私を迎えてくれたのはグラマラスボディーで超セクシーなSHIGAEKO先生。長めのストレッチを終え、まずは基本中の基本、ベーシックスピンに挑戦。
・まずポールの左側に立ち、右手は頭の斜め上で伸ばしきり、左手は胸元あたりの高さで添える。
・左足のつま先までピンと伸ばした状態で、なるべく外側に引っ張る。
・そのまま左足を時計回りに回すことで発生する遠心力を利用する。
・ポールに右足が触れるタイミングで膝裏をかけてクルクル回る。
―はずだったが、全く回らない。なぜか。
シンプルにものすごく怖い。なぜなら前に倒れるという経験が日常でないから。その恐怖心で全身がこわばってしまう。
ポールにしがみつく、まるで猿が木登りをしているかのような自分の姿を見て絶句。その後、ポールに登ってポーズを取る練習をしたが、あまりの痛みに悶絶。
少し考えてみれば簡単なこと。ポールダンサーはなぜあのステレンス製の棒一本で体を支えることができるのか? 答えは、摩擦が生じているから。想像してみてほしい、自分の全体重を、太ももの真ん中あたりと足の甲で支えている自分を……。痛くない、訳が無い。
「痛い、痛すぎる……。」心が折れそうになりながらも技に挑戦する私に先生が一言。「なつきちゃんいいじゃなーい、あなたポールダンサーになれるわよ」
この一言が決定打になり、「どうせこの後続けなかったとしても人生のネタにしてやろう」と自分に言い聞かせ、体験当日限定のお得なチケットを15回分購入。ポールダンスの世界へ一歩足を踏み入れた。
ポールダンスを始めて3ヶ月。通う毎にあざの数が増える。そして謎も深まるばかり。「なぜこんなにも痛いのにみんな続けられるのか」。自分が想像していたより100倍痛かった。ポールダンスをやっている人はドMなんじゃないかとさえ思った。それに考えてみてもほしい。3mほどの高さから頭から落ちて地面に打ち付けたら……。それ即ち、死である。命がけで踊っているのである。
それでもみんな続けているからには絶対に何か理由がある。レッスン中に棒と格闘しながらたどり着いた答えが2つ。
1つ目は、自分の努力がすぐに形になるから。通常何か新しいことを始めると、成果が出てくるまでにある程度時間がかかる。だが、ポールダンスは先週できなかった技が次の週には出来るようになっているなんてことがよくある。
かっこよく踊れるようになりたくてダンススタジオに通い始めたが、一年通っても中々上達せず、足が遠のいた経験があるからこそ分かる。この成果が見えるまでのスピードは異常である、そしてクセになる。
2つ目は、レッスン中に自分の成長を先生と仲間がめちゃくちゃ褒めてくれるから。大人になるにつれ褒められることはほとんどなくなっていく。だからこそ、褒められると、とっても嬉しいのである。
成果が出て褒められて、また褒められたくて頑張るから結果に繋がる。少しずつ自分に自信が持てるようになり、自己肯定感もじわじわ上がる。忘れかけていた挑戦する楽しさと喜びの感覚が呼び起こされる。このポジティブな循環こそが、私がポールダンスを続ける理由なのだろう。
ポールダンスを始めて2年半が経ち、相変わらず「死ぬほど痛い……今度こそ本当に無理……」とブツブツ言いながらも続けている。そんな私が次に挑むのは渋谷の有名なクラブ、ce la vi Tokyoのハロウィンイベント2023で踊ること。
華やかな世界の裏側を覗いた皆さんには、これまでと違ったポールダンスの世界が見えるはず。それでは、渋谷でお会いしましょう。
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