あくびをすればするほど褒められる教室で、峰不二子を目指しています
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:パナ子(ライティング実践教室)
知人の紹介で来たとはいえ、初めての場所で初めての講師と対面し、私は密かに緊張していた。
ほんの少しの間接照明だけを灯した暗闇の教室の中で、講師がニコニコしながら言った。
「あのね、やっているうちにね、体がゆるんでくるのね。そしたらあくびが出ます。でね、あくびが出だしたら体のいい変化だから止めないで出してほしいのね」
この体験イベントの為にわざわざ他県からやってきたこのカリスマ講師は体がリラックスを極めると教室の途中で寝てしまう人もいるが、その場合はそのまま寝てしまってもいいと追加した。
先生を前にしてあくびを連発するのがよい事だなんて、教わった事ない。何かを習うときは真剣に先生の目をよく見て話を聞いて……小さい頃からそんな風に教わってきたのだ。
(ほぉ……眠ってしまってもいいの?)と私はその今までとのギャップに驚きながらも、その言葉の新しい感覚にウキウキし、果たして自分の体にどれだけの変化が起きるのかと楽しみに思えた。
この暗闇で行われているのは「自力整体」というものだ。
「腕が良い」と評判だった伝説の鍼灸師が「治療に来た時だけ良くなっても意味がない。患者が自分自身で体を整える必要がある」として発案された治療法が自力整体なのである。
「輪っかタオル」という独自のアイテムを使いながら筋肉や関節をゆるめて、ほぐして、体を脱力させる。そうやるうちに体を休ませる働きをする自立神経「副交感神経」が優位になり眠くなってしまう生徒さんもいるということらしい。
発案されて約30年以上が経った今では、その治療法を伝授された講師たちが国内外に500人以上、生徒数は12,000人を越えている。
体験の時のカリスマ講師は私の体を見てこう言った。
「とても頑張り屋さんだということが、よくわかりました」
まだ会って間もないのに? と思ったがカリスマ講師には見るだけで体の状態がわかるらしく、それは今思えば体が過緊張の状態にあり、それに伴い心も固くなってしまっているよというメッセージだったのではと思っている。
究極の眠る状態になんてとんでもなかったし、あくびも出なかった私だが、それでも体験をしてみて「これから継続的に自力整体を続けよう」と思ったのは、ギッチギチに凝り固まってしまった自分の体をゆるめて少しでも楽な状態にしてあげたいという気持ちからだった。
そして、もう一つ女性として心躍ったのは講師の
「続けるとね、『くびれ』が出来ます!」の言葉だった。
くびれ!? 私が長年恋焦がれたのに一度も手に入れた事がなかったあのくびれを!? それを私の体に出現させることができるならそんな嬉しいことはない。
くびれは骨盤がきちんとあるべき健康的な状態にあれば自然とできるらしく、自力整体では骨盤矯正もメニューに取り入れられている。そして骨盤が整っていれば子宮や卵巣といった女性ならではの臓器の健康に繋がる。くびれがあると生殖器が元気というメッセージになるらしく、だから男性はくびれが好きなんだと教えてくれた。
あぁそれでねぇ……みーんなとは言わないけど、男性って「不二子ちゃ~ん」が好きだもんねぇと納得したのである。
自力整体の最終的な目標は「ピンピンコロリ」。体を整えて年を取っても寝たきりにならず生涯現役で生きる、を目指している。
体験で良さが理解できた私は、この春から地元のベテラン講師のもと自力整体を習っている。月に4回程度教室に通い、講師の声掛けに合わせて90分間体を徹底的にゆるめる。
1ヵ月が経過した頃だろうか、教室の途中であくびが出始めた。例えば手首の凝りをゆるめると、脳の緊張が取れるなど体と脳は密接に関係しているので、体をゆるめる事ができるようになると、心の底からなんだかホッとした気持ちになる。というより頭が空っぽになるという方が近いかもしれない。すると自然と「ふぁ~あ……」とあくびが出る。
これは私に限ったことではなく、時間が経過するにつれ教室のあちこちからあくびが聞こえだす。さらに体の緊張を取るのに講師が推奨するのはため息。あくびやため息、一見するとマイナスとも捉えられかねないこれらの事象が、自力整体の教室では「副交感神経が優位に働きだした証拠」として認定されているのである。
まだ学び出して3ヶ月のペーペーではあるが、それでも確かにその恩恵を受けている。特に感じるのは教室の後に強烈に襲ってくる眠気。午前の教室に行って帰宅して軽く昼食を取ると、もういてもたってもいられない程に眠くなる。過緊張だった私がゆるんでいる証拠だ。眠気に襲われるまま少しの昼寝をしながら「いいぞいいぞ~」とにやける。
自力整体は料理の下ごしらえみたいなものだ。
仮に、冷蔵庫から出したばかりのステーキ肉をろくに温まってもいないフライパンにドーンと投げ入れて、果たして美味しいステーキが焼き上がるだろうか。
それよりも常温に戻しておいて、筋を丁寧に取り除き、まな板の上で叩いて柔らかくし、塩コショウで下味をつけたステーキ肉を焼いて最後にフランベする。おそらくこちらの方が断然美味しい。
勉強や運動を頑張りたいときに、もしくは日常生活をより健康的に過ごす為に、自分の体をいかに整えておくか。自力整体がその一助となってくれそうだと心から期待している自分がいる。
と、こんな事を書きながらもスマホ大好き、夜更かし大好きな自分がなかなか変えられないのも事実だが、そんな私だからこそ交感神経・副交感神経のスイッチのONOFFが上手にできるようになる必要がある。
カリスマ講師は満面の笑みでこうも言った。
「今までしちゃった事はしょうがないじゃない。罪悪感はクソよ!」
これまで自分の体をいじめてきたことを許しつつ、そのうえで自分の体をどこまで健康的に引き上げられるのか注力していきたい。私は果たして峰不二子に少しでも近づけるのか、自分の体はどれだけのポテンシャルを秘めているのか、探っていくのが今は楽しみでたまらない。
***
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