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「創る」と「作る」は化かし合う

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:なつき(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
そうか、そういうことだったのか。
私は化かされていたようなものだったんだ。だから苦しかったんだ。
 
突然ですが、あなたは「創る」のが好きですか? それとも「作る」のが好きですか?
私は「作る」のが好きです。今でははっきりとわかります。でも少し前まで両方とも同じように好きだと思っていました。漢字で見ると、「創る」は新しく産み出すこと、「作る」は、元からあるものに手を加えて仕上げると言うように意味合いは違います。漢字では違うってわかっているのに同じと捉えたくなる感覚になる、なぜだろう。それがあることをきっかけになぜ同じだと錯覚していたのかが分かりました。
 
私は何かもの作りがしたいけど何をしたらいいのか悩んでいました。何かをしたいんだけどなんにも思いつかない。焦燥感にも駆られていました。そんな時に300枚のバランスアップカードの存在を知りました。自分の今後の人生について考えるために参考となるとのことでした。偶々無料でzoomで試せるとのことでやってみることにしました。
 
カードを使う前に今何を知りたいかを決めます。「幸せ軸」「方向性」「なりたい自分」「人生の目的」の項目分けがされていました。どれも気になったけど、入り口部分の「幸せ軸」でやってみることにしました。次に何が好きか、楽しいかを26分類された一覧の中から5つ選びます。選んだらここで初めてカードが登場。5つ選んだものに関するカードがいくつか提示されます。このカードから最終的には5枚まで絞りこみ、手元に残ったカードが自分の好きなこと、つまりは「幸せ軸」という流れでした。
 
26分類された一覧を見ながらかなり悩みました。どうしても5つに絞れない、6つになってしまう。どうしたものか。この内訳の中に「創る」と「作る」がありました。私は両方選んでいました。考えて創り出すのも好きだし、手を動かして作るのも好き、この2つは私にとって削れないものでした。でもそれ以外のものも全く違う内容でこれはこれで優先順位は下げられない。どうしても「創る」と「作る」のどちらかを削るしかない。
 
悩んでいるのを見かねたのか、画面の向こうから「例えば、料理のメニューを考えるのが好きですか、料理を作ることが好きですか」と聞かれました。今まで料理するのが好きと言ってきたけれど、作りながら考えたりもするものの、どちらかと言うと作る方が好きだと気づきました。結果「作る」を選びました。そうしてカードも選んでいって、最終的に残ったのは「作る」に関連したことでした。
 
そこでふと思いました。「創る」と「作る」で最後まで悩むだろうと思っていたのに、もっと手前で私は「創る」を手放しました。それは「創る」にはさほど気持ちが無かったということです。かなり渋々手放すものと思っていただけに意外とあっさりして不思議な気持ちになりました。
 
私は「創る」に悩まされ続けてきました。企画ができない。決まったら楽しく進めるのにその一歩が中々踏み出せない。企画という言葉を聞くと、何か考えたいのに頭がショートする。企画を出してと言われると苦手意識からか拒絶反応も出る。なんでだろうと思っていました。でも時にすんなり「創る」こともできるのです。これは一体なんだろうか、また新たな疑問が生じました。
 
わからないから「作る」で考えてみました。料理を作るのが好き、たくさんピースのあるジグソーパズルをするのが好き、物事を作りあげていくのが好き、組み立て家具を作るのも好き、絵を描くのも好き、文章を書くのも好き。「作る」で考えるとスルスル出てきます。とは言え、ラスト2つは「創る」も混じっている気がします。どういうことでしょうか。
 
ラスト2つの、絵を描くことと文章を書くことをさらに分解してみます。そうしたらわかったのです。無意識に「作る」に組み込んでいたのです。だから「創る」と「作る」の両方が好きだと思っていたのです。でも分解したことではっきり違うことに気づきました。
 
絵を描いて楽しい時はどういう時か。何も資料がない状態で産み出す「創る」方の描き方ではなく、何か写真などの資料をを見ながら描く「作る」方が好きです。文章も同じで、何か書かなきゃと絞り出している「創る」方の時は何も出てこず頭も真っ白になり、何か刺激を受けたり体験して、伝えたくて書きたいことが決まっている「作る」方の時は書くのも好きだったのです。これで合点がいきました。
 
つまりは、何もない状態で自分でイチから考えて描くのが好きな場合は「創る」、何か基になるものがあって見ながら描いたりなど組み立てるのが好きな場合が「作る」。文章も同様に、何もないところから書くために絞り出しているのが「創る」、書きたい題材が明確であとは書くだけの時が「作る」と言うことでした。絵を描くことと文章を書くことは、時としてどちらにもなりうるのです。どっちかに振ってもらえればわかりやすいけど、こればかりは仕方ないですね。
 
でもこうやって、お互いが違うものなのにどっちにも成り代わると掴めたらしめたもの。自分でコントロールもしやすくなります。今どっちの立ち位置にいるのか時々立ち止まってみたらいいのです。「創る」のが苦手だけど必要がある時には、何もない空っぽ状態から考えるのではなく、前にやってみたことをベースに少しずつアレンジを加えてみる。まったく新しいものを作らなきゃ「創る」にはならないと思うと苦しくなります。それは逆も然りです。さらには「作る」から派生して「創る」になることもある。「創る」と「作る」はどっちにも化ける、お互いが化かし合っているので自分の好きでやりやすい方に引き寄せちゃえばいいのです。私が引き寄せたいのは「作る」でした。
 
あなたは化かされていませんか?
あなたは「創る」と「作る」どちらが好きですか?
 
 
 
 
***
 
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2023-07-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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