僕たち副業クリエイター:【おだたかし】サラリーマン×シンガーソングライター《週刊READING LIFE Vol.228『知人へのインタビュー記事』》
*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
2023/8/21/公開
記事:信行一宏(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
クリエイティブな仕事に憧れはありませんか? 少なくとも、天狼院書店なんていう変わった本屋さん(関係者の皆様ごめんなさい汗)のWEBサイトにアクセスしているあなたにはクリエイティブな素養があるのではないでしょうか?
しかしながら、クリエイティブな仕事というのは、正直なところなかなかリスクがあるものです。興味があっても、収入面やモチベーションの問題で断念してしまっている方も多くいるのが現状でしょう。そこで、今回は「副業」としてクリエイティブな活動をされている方を紹介したいと思います。このインタビュー記事が、クリエイティブを志す、すべての人へのエールとなること祈って。
1990年.山口県宇部市に生まれ、現在は福岡県福岡市在住の、おだたかし氏。彼は、サラリーマンでありつつシンガーソングライターとして精力的に音楽活動も行っています。昨今、働き方の一つとして、「副業」という選択肢も存在していますが、副業の部分に「クリエイティブ」な要素をもっているおだたかし氏に、副業クリエイターとしてのやりがいや悩み、そしてこれからの展望をお伺いしました。
‐簡単に、今までの音楽活動の経緯を教えてください。
高校卒業後にギターを触り始め、大学卒業後に就職と同時に音楽活動を始めました。ゆず・サスケ・19・星野源に影響を受けてポップス曲を中心に音楽活動を行っています。カバー曲やオリジナル曲で、ギターとブルースハープをつかった路上ライブを行っていました。2018年にオリジナル曲を音源化して、2023年8月までに12曲のオリジナル曲を制作しています。オリジナル曲の一部はApple Musicのような配信サービスに登録しています。ライブ活動も精力的に行っており、福岡県内の大学の学園祭や音楽イベントに出演したり、ワンマンライブを行ったりしています。コロナ禍においては、オンライン配信などにも挑戦していました。
‐最初からサラリーマンをしながら、音楽活動を行っていくことを考えていましたか?
音楽一本でやっていきたいという気持ちもありましたが、現実を考えてサラリーマンとシンガーソングライターの2足のわらじを履いて活動していこうと決意していました。やはり、音楽の世界はそれだけでやっていくにはあまりにもリスクがありますし、社会人としての経験が音楽にも反映されて、いい曲が作れるのではないかという考えもありました。
‐音楽活動とサラリーマンとしての活動はどのような割合で行っていますか?
7割サラリーマン、3割音楽といった感じです。平日の日中はサラリーマンとして全力を出して、夜間や週末で楽曲制作やライブ活動を行うという生活を行っています。仕事が忙しい時期はどうしてもサラリーマン優先となってしまいますが、生活の基本がサラリーマンなので、音楽活動はその隙間を狙って行っています。
‐副業としての音楽活動での収益はどんなものがありますか?
最も割合が大きいのは、ライブやイベントの出演料です。珍しいものだと、民放ラジオの出演などもあります。後は、Apple Musicなどのサブスクリプションでの配信収益やCD販売、たまにイベントでの投げ銭などがあります。正直なところ、音楽だけで生計を立てることができるほどの収益はありません。それでも、音楽でお金をいただいているということは大きな自信になっています。
‐音楽活動とサラリーマンとの兼業で辛いことはありますか?
はじめの頃は、「サラリーマンとしての自分」と「シンガーソングライターとしての自分」という別々の自分がいるようで、どっちが本当の自分なのか悩んだこともありました。いまでは、それぞれの自分の境界が曖昧になってきて、いい意味で相互作用を引き起こし、それぞれの立場にいい影響を与えています。僕は営業の仕事をしているのですが、サラリーマンとして知り合った方のツテで、イベントの招待があったり、ライブのお客さんになってくれたりと、様々なところでメリットがありました。そして、サラリーマンとしての安定した収入があるので、金銭的な意味では安心して音楽活動ができるということもあります。また、サラリーマンとして経験してきたことが、創作活動において重要な感性の源となっており、もはや、サラリーマンとシンガーソングライターの両輪が「おだたかし」というクリエイターを生み出していると言っても過言ではないでしょう。
‐音楽活動を行っていく上で、新型コロナウイルス感染症の流行というのはどんな影響がありましたか?
お客さんの前でライブができないというのが、こんなにも辛いものだったのかと思いました。You Tubeのライブ配信を使った、オンラインライブも行っていて、それはそれで楽しかったのですが、現地でのライブに勝る感動はありませんでした。また、お客さんの表情が見えなったことも辛かったです。実は今年の9月に久しぶりのワンマンライブを行う計画をしています。いまからとても楽しみです。
‐ミュージックビデオ作成や音楽の編曲などは、どのように行っていますか?
同じ活動で知り合った方にお願いしたり、Instagramで見つけたクリエイターさんにお願いしたりと色々なパターンがあります。編曲に関しては、自分でDTM(パソコン上で音楽を作成するアプリケーション)で挑戦することもありますが、これもお願いすることがあります。自分でできることには限界があるので、他の人にお願いできることは、信頼のおける仲間にお願いしています。
‐今後のライフスタイルの変容によって例えば「夫としての自分」とか「父親としての自分」といった第3・第4の自分が現れてくることが予想されますが、この変化はクリエイターとしてどのように考えていますか?
不安と楽しみが半々で存在しています。今後の自分に役割が増えていくと、確実に今ほど創作活動に取り組む時間は減少していくと思います。それでも、新しい自分に出会うたびに、自分に新しい感性が芽生えてくると思いますので、そこは自分にどんな変化が訪れるのかとても楽しみです。だだし、どんな立場になったとしても、「おかげさまで」活動できているという感謝の念を忘れずに持つことを意識しています。
‐今後の展望として、挑戦してみたいことは何ですか?
実は構想段階に入っていますが、自分の楽曲をモチーフにしたショートフィルムを作成したいと考えています。自分の作った楽曲の世界をもっといろんな形でお伝えできればと思っています。あとは、とある大学でホールでのワンマンライブをさせていただける計画もあります。これは、サラリーマンとしてのつながりから実現しそうなことなので、僕ならではの挑戦では無いかと思っています。
‐おだたかしさんと同じように、サラリーマンをしながら副業クリエイターをやりたいと言う人にエールを贈るとしたらどんな言葉をかけますか?
人生は一度しか無いので、夢を見続けてもいいんじゃないでしょうか? 大変なこともありますが、その経験はきっとあなただからこそ表現できるモノが出来上がると思います。楽しんで頑張っていきましょう!!
おただかし氏はインタビューの間、終始ニコニコと語り、「この人は本当に音楽が好きなんだな」と心から思いました。その「好き」と「自分と家族の生活」を両立させるために、現実をしっかりと見据え、常に地に足を着けているという堅実さも伺えました。もしかすると、自身のクリエイティブを発揮するために必要なスキルというのは、「自分の現在地」を正しく把握するということなのかもしれません。また、おだたかし氏の話でとても印象的だったのは、サラリーマンの自分であっても、シンガーソングライター自分であっても、「他人とのつながり」をとても重視しているという点でした。クリエイターは、己の力のみで進もうとして、挫折してしまうこともあるかと思います。自分のやりたいことを実現するために、他人に頼ることのできる能力というのは、クリエイターであろうとサラリーマンであろうと変わらないのかもしれません。そして何より、心の底からクリエイティブを楽しむという姿勢が、サラリーマンシンガーソングライターとしての原動力となっているのでしょう。
最後におだたかし氏の楽曲から一部を紹介したいと思います。
〜〜〜〜〜
いつの日か夢を忘れて 君も僕のことを忘れて
素敵な家庭を築くのだろう
分かんないことだらけさ 見えないことだらけさ
今を生きる事に精一杯なんだ
引用(「日常。」作詞作曲:おだたかし)
〜〜〜〜〜
サラリーマンとシンガーソングライターの2つの顔を持つおだたかし氏からの、等身大で真っ直ぐなメッセージは、その優しくも力強い歌声にのって、多くの人々の心に刺さることでしょう。この記事を読んで興味のある方はぜひ検索して見てください。
この記事で勇気づけられた、あなた。次の副業クリエイターはあなたかもしれない。
□ライターズプロフィール
信行一宏(ライターズ倶楽部)
1989年、福岡県にあるお寺の長男として生まれ、福井県にある永平寺で2年間の修行をし、現在は僧侶と幼稚園副園長の2つの顔をもって生きている。僧侶としても経営者としてもまだまだ未熟。2023年2月にライティング・ゼミに、2023年7月よりライターズ倶楽部にそれぞれ入会。だんだんと、書くこと・伝えることの楽しさ、魅力に取りつかれている。
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