奈落の底に落とされてもひょっこり顔を出しちゃう私
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:近藤やすこ(2023年・年末集中コース)
「まじか~。立ち直れないかもしれない」
渋谷駅に向かう途中、私はスマホを凝視しながら小声でつぶやいた。
遊園地に行かずとも、今朝、私は自分の意志に反して満員電車の中でフリーフォールに乗ってしまったのだ。
実は、2日前から天狼院の年末集中特別講座「人生が変わる文章教室」に参加している。きっかけは、仕事で担当しているウェルビーイングの推進と啓発の業務に活かしたいと思ったからだ。最近よく聞くようになったウェルビーイング。しかし、明確な定義がある訳でもなく、様々な主観的な解釈がある中で、ウェルビーイングという概念を浸透させることは非常に難しい。
そんな時、ピンチを救ってくれたのが文章だった。
読み手の心がほっと温まるような記事を書きたいと思い、私が感じるウェルビーイングな日常を、月一回紙媒体やSNSのnoteで記事を発信している。
仕事として文章を書きはじめて約5ヶ月。
私は文章の神様に愛された。
素人ながら、幸いにも記事は好評だったし、noteのダッシュボードの数値も予想以上に伸びていった。
自信か過信か分からない中、自分の才能をさらに磨きたくて、天狼院の集中講座に意気揚々と参加することになった。
初日からMIYASHITA PARK渋谷会場で参加を希望。
会場には、講師1人とスタッフ1人。どちらも男性。受講生は何度見渡しても私1人。
天狼院のライディング講座は詐欺なのか。
「人生が変わる文章教室」というキャッチフレーズもなんだか胡散臭いとは感じていたが、私は恥ずかしながらこのキャッチコピーに惹かれて申し込んでしまったのだ。
前評判だけ良い、人気のない講座に、けっして安くはない受講料と貴重な年末のひと時をつかうことを惜しまなかった過去の私を少しだけ恨んだ。
不安と緊張の中、テンション低めで受講していると、なんだか前のめりで聞いている自分がいた。気づいた時にはホワイトボードが一番よく見える場所に椅子ごと移動していた。会場参加だからこそ講師とスタッフとの絶妙なやりとりを見ることができ、講座の魅力がどんどんと伝わってきて学ぶことが楽しくなっていった。
私は遊びに夢中になっている子どものようだ。
なぜなら、時間が経つのを忘れるくらい文章を書くことが好きだからだ。
しかし、この講座では、自分の書きたいこと以上に、文章を読んだ後、読み手の心に何が残るのかを徹底的に読み手目線で考えることの重要性を教えて頂いた。
当たり前のことかもしれないが、私の文章にはこの視点が欠けているように感じた。
文章と言っても、ただ書いて終わりの行為ではない。
文章は商行為であり、コンテンツとは、読み手に、お金と時を費やして頂くものなのだ。
読み手がコンテンツに満足してはじめて自分の書いた記事に価値が生まれる。
文章は目に見えない国家資格だ。
2000字の記事を最後まで読んでもらうためには文章を書くためのスキルがいる。
4日間の集中講座では文章を書く上で役立つABCユニットを学ぶことができた。
良いコンテンツには、国家資格並みの価値を生み出すスキルがいる。
ただ、目から鱗の講座を受けたからといって、良い文章がすぐ書けるわけではない。
そのため、この講座には9回の記事投稿のチャンスがついてくる。
指定された日時までに、自分で記事を書き上げ投稿するのだ。指定された時刻が過ぎればダイナマイトは爆発する。どんなに良い記事が出来上がったとしても、締め切りの1分でも過ぎたらもうチャンスはないのだ。
しかし、時間通りに投稿できれば、プロの方から記事のフィードバックがもらえる。主観的になりがちな私の記事についてプロの意見を頂けることはとてもありがたい。
年末で学校は冬休み。多くの社会人は冬期休暇に入る中、私たち受講生は修行僧になって、
文章を書いて、書いて、書きまくるのだ。
天狼院の「人生を変える文章教室」は、自分が人生を変えたいと思わなければただの講座になってしまう。投稿というチャンスのチケットを使うか、使わないかは自分次第。
そんなことを考えている中、約4時間かけ、第1回目の記事投稿を仕上げた。封印していた私のつらい過去を自己開示するきっかけにもなった。満足した記事が書けたと達成感もあった。
しかし、ドラマのように世の中そんなにも甘くはない。
現実の厳しさと自分のスキルのなさを見抜かれたようなフィードバックが天狼院のスタッフからFacebookのコメントを通じて送られてきた。
「今回はコンテンツとして弱かったと思います」と冒頭に書かれていた。
突如のフリーフォール体験は、私にとってとても衝撃が大きかった。
コンテンツとは、お金と時を費やして頂くもの。
コンテンツが弱いということは、書いた文章に商品価値が生まれにくいということだ。
ここでお金をもらって文章を書くプロの世界の厳しさを痛感した。
自分が書きたい文章を書いて発信するのは、ある程度自己満足でも許されてきた。
いつかは自分の文章にしっかりと価値をつけ、世に出していきたい。
そのためには、自分の書きたい気持ち以上に、読後の読み手の気持ちに想いを馳せることが必要になってくる。
コンテンツという価値の宝箱について、今だ、正確な答えを見つけることができていない。だからこそ、9回の記事投稿のチャンスを大切にしていきたい。
フィードバックの度に、奈落の底に落とされたとしてもひょっこり顔を出すモグラのように諦めず宝物を探し続けていきたい。
だって、私は文章を書くことが好きだからだ。
明日で天狼院の年末集中特別講座「人生が変わる文章教室」も最終日だ。
気づけば、会場参加がひとり、またひとりと増え、笑い溢れる講座になっている。
天狼院のライディング講座は詐欺ではなかった。
「人生が変わる文章教室」のキャッチフレーズに惹かれた私の直感は正しかった。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
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