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自分はまだまだだなあ

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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:石川佳世子 (ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
建国記念日の三連休、皆さんはどのようにお過ごしになりましたでしょうか?
 
この特別な週末、日々の疲れを癒すためにマッサージに身を委ね、体のメンテナンスと心のリフレッシュを求めた方もいるかもしれません。あるいは、子供たちと一緒に近くの公園で遊び、お互いの愛情深い時間をハッピーに過ごしたこともあるでしょう。
 
私自身は、美輪明宏の素晴らしい言葉に触発され、奥多摩にある寺で2泊3日のお百度参りと滝行を通じて学びの深まる時間を過ごしてきました。
 
美輪明宏は、「人は肉体と知性(精神)でできている。肉体は良い食べ物を摂ることで健康を維持できるが、逆に体に悪いものを摂ると病気になる可能性が高まる」と語っています。
 
この言葉に共感し、私も精神の健康に焦点を当てました。精神の健康は芸術や音楽、スポーツなどの文化であり、その質が重要です。良質な文化に触れることで、精神は栄養失調に陥ることなく、冷静に物事の本質を捉え、問題の解決に取り組むことができるという考えです。
 
不安な時代だからこそ、自分を見失わないことが重要。精神を冷静沈着に保ち、感情に振り回されず、理性でコントロールすることも大切。「頭は冷たく、心は温かく」を心がけ、自分の中での平穏を保つことで、周りに流されずに進むことができるでしょう。
物事の判断を誤りますから。「頭は冷たく、心は温かく」が大切です。
 
とのことで「頭を冷やす」という言葉通りに、私は滝行を経験してきました。この滝行は、物事の判断をより良くするための知恵を得ることを目的としており、お寺で弘法大師空海様のお知恵を頂けるという期待を胸に行い、また寺にある仏像や仏画を通して質の高い文化を得ることを目標に2泊3日で寺へ修行に行ってまいりました。
 
最初の日は、朝8時に自宅最寄り駅を出発し、10時に寺の最寄り駅に到着しました。そこからバスで約30分揺られ、寺には11時少し前に到着。寺に着いたらすぐに無表情の僧侶にお堂に案内され、そこで「南無大師遍照金剛」という文字が背中に刻まれたチョッキを身にまとい、礼の仕方や挨拶の仕方など基本的なお作法を学びました。
 
「南無」は「~様」の意味であり、「大師遍照金剛」は弘法大師空海のことを指します。
 
その後はお昼の時間。食前の挨拶をして黙々と食事をし、食後には食器を洗い、再び挨拶をして滝行の準備に入ります。
 
滝行のためには、白い道着に水着を重ね、はだしで寺のすぐそばにあるお百度参りエリアに移動しました。
 
そこでは、お清めの儀式が行われました。塩と冷たく臭いお酒がかけられ、その後、僧侶の方が3つのお経を唱えてくださいました。このお酒は冷たくて臭いが強烈でしたが、それは滝行の始まりを告げる特別な儀式の一部でした。
 
儀式の後は、木の棒を手に取り、お大師様の仏像がある間を行ったり来たりし、折り返すたびに一礼して「南無大師遍照金剛」と3回唱えることを繰り返しました。足は冷たく感じましたが、走ることで体は温まり、達成感を味わうことができました。
 
その後、車で約15分移動して滝に向かいました。山東へと進み、雪がまだ残る山道を10分ほど歩き、はだしになりながら川の上の岩場を渡り、滝が流れている場所に近づきました。
 
残念ながら、到着が早い順に滝に入ることになり、私が一番先に挑戦することになりました。最初は意気揚々とした気持ちで、山の神様や水の神様に挨拶し、自分で身体に水をかけながら滝に向かいました。しかし、寒さに耐えながら「南無大師遍照金剛」と唱えることが難しく、息も上手くできずに苦しい状況になりました。
 
本当に息ができずに、でも水の中で空気が吸えないとは違う、胸の機能が止まってしまってしまったような感覚。今までに無い感覚。少しでも下を向いて胸を守るような形で小さな声でしか「南無大師遍照金剛」を唱えることができませんでした。
 
この胸の機能が止まりそうな寒さに負けそうになりながらも、どうにかギブアップせずに滝行を終えることができました。僧侶が方をたたいてくれて少し気を取り戻して、次は、滝の壁に背中をつけてまた数十秒、これも息できずに後で動画見たら半分泣きながらしゃくりあげながら「南無大師遍照金剛」を唱えていました。
 
それから、次はあぐらにしゃがみ込み、これはまた少し意識が戻ったのかまだなんとか息が吸える感覚となり落ち着いたところで、僧侶に手を引っ張ってもらい終了。
 
その瞬間、僧侶が私に天からのお助けをしてくれたように感じられ、彼がいつもの無表情、仏頂面で怖い存在から一瞬で天使のように思えました。
 
儀式が終わり、再び山の神様や水の神様に感謝の気持ちを込めて終了しました。しかし、その瞬間に感じた息ができなくなる恐怖は、二度と経験したくないという気持ちが強まりました。
 
しかし、残念ながら、二泊三日の修行期間であったため、二日目も滝行を行い、再び息が吸えなくなる絶望的な状況に直面し、ギブアップしたい気持ちが湧き上がりました。しかし、最終的には諦めずに滝行を終え、その後には普通に息を吸うことが私を生かすために働いてくれている自分の体に心から感謝する気持ちが芽生えました。
 
今回の寺修行で、精神や文化を学びに来たはずが、なぜか自分の身体への畏敬を感じた3日間でした。自分はまだまだ精神を高める段階には達しておらず、これからも生かされて学びを重ね、成長していかなければならないと改めて感じました。未だ知らないことや経験が待っている中で、感謝と学びの旅は続いていくのだと思い知りました。
 
 
 
 
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2024-02-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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